香港旅行を楽しい思い出にするために、最低限の安全対策をまとめてみました。
スリが多発する女人街
こんにちは、香港ナビです。香港といえば、繁華街のど真ん中で香港マフィアと警察がドンパチやっていたり、路地裏や雑居ビルで麻薬の取引がされていたり・・・と、香港映画の影響で危険なイメージを持っている人も少なからずいらっしゃるかもしれませんが、これはあくまでも映画の中のお話。実際の香港は意外にも東京より犯罪発生率が低く、とても安全な街です。ただし、どんな街にも悪い輩はいるもので、油断は禁物。今回は旅行者のための香港安全情報についてまとめてみました。
香港における犯罪別発生件数(2010、2011年)
まず、香港における犯罪発生の状況をご覧ください。旅行客が訪れる主な繁華街は、どこも人が多いため、人目につく犯罪(引ったくりや暴行など)は多くはありませんが、スリや置き引きなど窃盗犯罪が多発しています。比較的治安の良い香港とは言えども、ここは海外ですから日本と同じ感覚ではいけません。次の項で具体的な犯罪例と対策について紹介します。
スリ
満員電車に気をつけて
ケース① 乗り物の中で
混み合った地下鉄の中で、集団に取り囲まれて、電車が揺れたり、乗客が乗り降りするたびに押されたり、体に触れられたりしているうちに、財布がすられるケースがあります。特に中国本土国境の街、深センと香港を結ぶMTR東鉄線での被害が多いようです。
ケース② 買い物中に買い物に夢中になっている間に、かばんの中の財布がすられていた。女人街(レディースマーケット)や廟街(テンプルストリート)、尖沙咀、銅鑼湾などで多発しています。そのほか、大型シッピングモール内では、エスカレーターの降り口で前に立っている人が物を落とすなど、急に立ち止まり、それに合わせて自分も立ち止まると、後ろに立っていた人がぶつかり、財布をすられるという手口も多いようです。
★対策●バッグは必ずチャックがついているものを使用すること。
●バッグの外ポケットや上着、ズボンのポケットなど、盗まれやすい場所には貴重品を保管しないようにしましょう。
●乗り物や街中で、不自然に人にぶつかられたり、体を触られたりした場合は、すぐに所持品を確認しましょう。
●人前で財布の中の現金を見せたり、出したりしないこと。両替後やお店での精算後に狙われる場合があります。
置き引き
ケース① 空港、ホテルのロビーで
空港の到着ロビーで、機内預け入れのスーツケースを引き取っている間に、カートに乗せておいたハンドバッグを置き引きされたり、ホテルのチェックイン時、足元に置いたカバンを置き引きされるケースがあります。
ケース② レストランやお店で
椅子にショルダーバッグやジャケットを掛けていたら、ポケットに入れていた貴重品を取られたり、バイキング形式のレストランで食べ物を取りに行っている間にバッグを盗まれたりするケースが多発しています。そのほか、店員が空いたお皿を下げる際、テーブルの上のカメラや携帯電話を盗むケースも増えています。お店では、靴の試着など、バッグから目を離した隙に置き引きされるケースも多いようです。
★対策
●スーツケースやバッグはどんな時にも自分の目の届く範囲に置くようにしましょう。
●バッグを地面に置くときには、必ず両足の間(足に触れるように)にはさむ様にして置きましょう。
●レストランではバッグは必ず自分の体に密着するように置きましょう。
●高級ホテルやショップだからといって油断しないで。そういう場所にこそ、金持ちを狙った犯罪者が潜んでいます。
旅の疲れで注意力が散漫になりがちです
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チェックイン時の手荷物に気をつけて
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悪徳タクシー
残念ながら旅行者を騙す運転手もいます
ケース① 尖沙咀から九龍駅まで
尖沙咀エリアのホテルからエアポートエクスプレスの九龍駅までタクシーの乗ろうとすると、広東語や片言の英語でまくし立てて、強引に空港まで行こうとする悪徳運転手が多発目撃されています。
ケース② 追加料金をだます
香港のタクシーは、トランクに入れた荷物の荷物料や、トンネル通行料の実費を降車時に請求されます。これらの追加料金は手動でメーターに追加されるのですが、このときに実際の金額以上の額を追加する悪徳運転手もいるようです。
★対策●タクシーに乗るときには、あらかじめホテルのスタッフなどに目的地までの相場を聞いておきましょう。
●タクシー後部座席のドアに追加料金の一覧が書かれた黄色い料金表が貼られています。追加料金がおかしいと感じたときは、この料金表を確認しましょう。
●運転手の言動がおかしいと感じたら、助手席前にある運転手の名前、タクシーナンバーなどを控えること。
デモ行進
香港ではよく行なわれるデモ行進
香港では、7月1日の香港返還記念日や6月4日の天安門事件の記念日、そのほか政府への要求、不満などを訴える目的で頻繁にデモ行進が行なわれています。一般的に香港のデモ行進は家族やカップルで参加する人も多く、平和的で特に危険性はありませんが、デモの規模によっては、一部の参加者が暴徒化し警察と衝突することもあります。また、日中関係に影響する事件が発生すると、在香港日本総領事館の周辺で反日デモが行なわれる場合もあります。トラブルに巻き込まれないためにも、デモ行進の目的がわからない場合には、むやみに近づかないほうがよいでしょう。
観光に出かける際の注意
★貴重品は分けて持つ
パスポートや多額の現金はホテルの金庫に預けて、外出時にはその日必要な現金とクレジットカードのみを持って行くようにしましょう。クレジットカードを複数持っている場合、1枚はホテルの金庫に置いておけば、万が一、外出先で盗難の被害に遭っても、なんとか旅行を継続できます。外出時には、バッグやジャケットの内ポケットなどにお金を分散して入れておくと安心です。
★常識的な行動を
いくら香港が安全だからといって、夜中まで繁華街を出歩いたり、街灯の少ない場所を通ったりするのは、自分でトラブルを招き寄せているようなものです。言葉も習慣も違う外国に来ているのだ、ということを決して忘れずに、どんなおときも常識で考えて行動するように心がけましょう。
★最低限注意して、観光を楽しもう
カメラを出すな、街中で地図やガイドブックを広げるな、バッグは斜めがけ、リュックは体の前でしっかりと持って、なんてガイドブックには書いていますが、香港は犯罪多発国ではないので、そこまで神経質になることはありません。チャックのついたバッグを持ち、多額の現金、貴重品を持ち歩かない、自分の荷物から目を離さない、常識的な行動を取る、など最低限のことを守ればトラブルに遭う確率がぐんと低くなります。
いかがでしたか?旅にはいろいろなトラブルがつきものですが、犯罪には巻き込まれたくないものです。香港で日本人観光客が被害に遭う犯罪の多くは、常識的な行動と基本的な安全対策を行なっていれば、十分に防げるものばかり。せっかくの香港旅行を楽しい思い出にするためにも、自分の身は自分で守るように心がけましょう。以上、香港ナビがお伝えいたしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2012-05-17