亜熱帯の香港ってどんな気候?気になる香港の気候と服装は?!
旅行に出かけるとき、いちばん気になるのが現地のお天気と服装。それによって準備するものが大きく違ってきます。最悪の場合は現地調達すればいいことですが、でもできればそれは避けたいですよね。
そんなわけで、ここでは香港の1年の気候をご紹介します。とはいえ、天気は常に変わるもの。旅行前には現地の天気予報をチェックすることをお忘れなく。
天気がよければ、自然と心もウキウキしてきます♪
●香港の気候
亜熱帯性気候に属する香港は、日本ほど明確ではないにしろ緩やかな四季があり、一般に春から夏は季節風と熱帯低気圧の影響で高温多湿、秋から冬は温暖で乾燥した気候です。全般的には比較的過ごしやすい気候といえるでしょう。
下の図を見ておわかりのように、いくら暑いといっても最高気温が35度を超えることはほとんどありません。また日本よりはダンゼン暖かい冬ではありますが、まれに5度を下回ることもあります。特に郊外は中心地よりも気温が1~2度低いことがほとんどです。
【参考】1981~2010年の平均気温。赤:最高気温、緑:平均気温、青:最低気温
それでは、以下に季節ごとの香港の気候を詳しく説明していきます。
●春(3~5月頃)
日本ほどすがすがしくないものの、明らかに春を感じます。
■平均気温:17~26度
日本ではさわやかなイメージのある春ですが、香港ではどちらかというとどんよりした感じの日が多く続きます。それでも3月は湿度は若干低く過ごしやすい一方で、夜はまだ冷え込むことが多々あります。日中は暑くても、夜まで外出する予定のある場合は上着はまだ必要です。
4月になると気温も上がり、湿度もどんどん高くなり蒸し暑く感じるようになるでしょう。また夏に向けて雨の降る日が増えてくるので、突然の雨に備えて折りたたみ傘を持ち歩くといいかもしれません。
4月は比較的曇りの日が多く、湿度も高めです。
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晴れの日は、既に夏を思わせる暑さになることも。
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●夏(6~8月頃)
突き抜けるような青空は、まさに夏!
■平均気温:26~31度4月から本格的な夏が訪れる7月あたりまでは、香港でいちばん不快とも言える雨期に突入です。連日どんよりした日やはっきりしない雨の降る日が続き、湿度も90%以上になります。また香港の床はタイルや大理石が多く、この時期は特に滑りやすくなるので靴選びは慎重に。さらに除湿目的でクーラーも強くなるため、薄手の上着があるといいでしょう。
この雨期が過ぎれば本格的な夏の到来です!晴れた日は空が気持ちいいほど青く、蒸し暑いながらもすがすがしい日が続きます。
その反面、雷雨の日が多くなるのも夏の特徴。雨量に応じて、「黄」「赤」「黒」の警報が発令されます。大抵の場合は1時間ほどで止むので、警報が出たときは極力外に出ずに、屋内にいるようにしてください。また雷や雷雨は早朝や午後に特に多く発生します。
【参考】香港の平均雷と雷雨日数
日本では「夕立」と言われるように、ほとんどは遅い午後に雷が鳴ることが多いですが、香港では日中のみならず早朝や深夜にも雷や雷雨が発生します。多いときは何十回、何百回の稲光を記録することも。場合によってはバケツをひっくり返したような大雨になることもあるので、外出中にこのような状況になったときは安全のために建物内に避難してください。通常は1時間ほどでおさまり、道路に溢れた水も数十分程度で引きます。
1981~2010年の平均。黄:雷、灰:雷雨
●秋(9~11月頃)
香港の秋は気候がいいので、屋外イベントが多く開催されます。
■平均気温:19~28度
1年でいちばん過ごしやすい季節で、観光にはベストなシーズンといえるでしょう。9月はまだ残暑が続きますが、10月から12月は湿度も低く、雨も少なめ。晴れの日も多いので普段よりも夜景がよりはっきり、きれいに見える日が増えます。秋の終わり頃は気温も下がり始め、肌寒く感じる日も出てきます。日中は半袖でも大丈夫ですが、万一に備えて薄手の長袖を用意しておくといいかもしれません。
また夏から秋にかけては台風がいちばん多くやってくる時期でもあります。台風は香港との距離に応じてシグナルで表示され、シグナル1はあまり気にする必要はないですが、シグナル3以上が発令された場合は注意してください。特にシグナル8以上になると多くの店は閉まり、飛行機を含む交通機関もストップすることがあります。
【参考】香港の平均台風シグナル発令日数
香港では体感する地震はほとんどありませんが、台風は毎年のように香港に近づきます。その距離によって異なる警報が発令され、また警報の種類によってさまざまな措置がとられます。最悪の場合は飛行機が飛ばないこともあるため、台風警報が発令されたら状況を随時チェックし、それに応じた対応をするようにしてください。
1981~2010年の平均。緑:シグナル1以上、青:シグナル3以上、赤:シグナル8以上、黒:シグナル9以上
●冬(12~2月頃)
日本より気温は高くても、香港の冬は思いのほか寒くなります。
■平均気温:12~20度年間を通じて温暖なイメージのある香港ですが、冬は思いのほか寒くなります。特に例年では旧正月の前あたりがいちばん寒く、10度程度になることもしばしば。場合によっては5度以下になることも。気温だけみるとあまり寒い気がしないかもしれませんが、香港では暖房がほとんど普及していないため、体感気温はかなり低くなります。よほど寒くない限り厚着のコートは不要ですが、それでも防寒対策は必須。
なお建物内や乗り物は空調が切れることがなく、外より寒く感じることも。またほとんどのホテルでは暖房設備がない上、換気のために空調を切っても送風口から風が常に出ています。どうしても寒い場合はハウスキーピングにお願いしてヒーターや追加の毛布を借りましょう。
厳重とまでいかなくても、防寒対策は必要です。
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暖房設備は期待できないので、食べ物で体の中から暖めましょう。
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●その他
■□■香港のエアコン事情■□■香港人はエアコンから新鮮な空気が出て来ていると信じてる・・・真偽のほどは別として、よくこのように言われています。春は湿気を取るため、夏は暑さを和らげるためにエアコンを使うのは理解できますが、例え10度を切る冬であっても、エアコンはほとんど切れることがありません。近年では環境保護のためか、ショッピングセンターや地下鉄では猛烈に寒い!という状況は減りましたが、それでもレストランやバスの中などは日本人にとってはまだきついことが多々あります。このような状況なので、寒がりの人やエアコンが苦手な人は夏場でも上に羽織るものを持ち歩くといいでしょう。
■□■香港の湿度事情■□■春や雨期の湿度は不快なことこの上ありません。常に湿度は90%を超え、場合によっては100%になることも。湿度が高いときはナイロンやポリエステルなど通気性の悪い素材の洋服は避けるのが懸命です。
高い湿度は思いのほか体力を消耗させます。このような時期は体調を崩しやすく、食中毒も起こりやすいので何かと注意してください。またタイルや大理石を多用している香港では、床がいつも以上に滑りやすくなっています。転倒防止のため、滑り止めのついた靴を履くように心がけましょう。
【参考】1981~2010年の平均湿度。赤:最高湿度、緑:平均湿度、青:最低湿度
台風シグナルの表示はいたるところで表示されます。
■□■香港の台風事情■□■「秋」の部分でも触れましたが、夏から秋にかけて香港は台風シーズン。多いときには毎週のように接近することも。
台風警報はシグナルで表示されます。シグナル1やシグナル3の場合は特に注意は必要ありませんが、今後の進路に気をつけるようにしてください。問題なのはシグナル8以上の場合。通常は発令される数時間前に情報が流れ、慣例的にその時点で会社の業務は終了。またお店やレストランも早めに営業を中止することがあるだけでなく、影響を受けやすいフェリーやトラムは運行休止。バスや地下鉄、さらに飛行機も一部を除いて動かなくなります。シグナル8が発令された場合は安全のために室内にとどまり、興味本位で外に出ないようにしましょう。また運悪く帰国日と重なった場合は航空会社に状況を確認するなどして、対処してください。
■□■日程が決まったら天気予報のチェックを■□■香港天文台のホームページ(英語・中国語)では、天気情報、湿度情報、台風情報など、気象に関することはすべてチェックできます。なお香港は土地が狭いためにわずかな雲や気圧の動きで天候が大きく作用されます。数日前に天気予報をチェックしてもその翌日にはまった違う予報が出ることも多いので、直前に再度確認することをおすすめします。なおスマホ用のアプリもあるので、事前にダウンロードしておくと便利です。
その他情報
■2015年5月9日 香港天文台リンク追加
■2016年1月7日 記事内容更新
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2005-12-28