広東省、香港、マカオ、そして世界の広東省出身の移民たちが食べている料理と言えば『広東料理』。そんな香港人のソウルフード、広東料理を徹底分析!!
こんにちは、香港ナビです。日本では『中華料理』と簡単に一口で言ってしまいますが、実際は上海、北京、四川などなど、思いつくだけでも場所によって味や材料に様々な違いがあります。実は、中華料理は大きく分けて8つの省で料理系統(山東、四川、湖南、江蘇、浙江、安徽、福建、広東)が分かれているんです。ちなみに北京料理は山東、上海料理は江蘇の中に含まれることになります。そして香港人が慣れ親しんだ『広東料理』は、昔から『食は広州にあり』とまで言われた広州料理を中心に、順徳、潮州、東江(客家)料理を合わせた四大料理のことを言うんですね。香港が本場の中華料理と言えば、やっぱり広東料理。これを堪能せずには帰れませんよね!
広東料理とは?
『粤菜(ユッチョイ)』とも呼ばれる広東料理ですが、その発祥の地である粤(広東省)は、二千年ほど前からすでに文明が確認されているところです。その当時からの食習慣が今の広東料理に大きな影響を与えています。温暖な気候なので、食材も豊富でその種類も様々。例えば収穫できる野菜の種類が多く、野菜を主体にした料理も多いですし、広東省に生息する動物(ハクビシン、フクロウなど)を食材にしたり(2011年1月現在はSARSの感染源とされたため規制されています)、海に近いため海鮮や海産物を使ったメニューも定番です。また、海外でも広東語がそのまま共通に使用されている『飲茶(ヤムチャ)』は、昔広州で間食として食されていた点心が発達したもので、しだいに朝食、昼食と幅広く利用されるようになりました。今では香港人の生活になくてはならない食習慣の代表ですね。そして、日本人にも人気の又焼(チャーシュー)などの『焼味(ロースト)』や、三大珍味と言われる高級食材のフカヒレ・あわび・燕の巣など、広東料理はその食材や食材を生かした料理法、調味料などが興味深い特徴になっているのです。
広東料理の特色
食材が多種多様
『飛ぶものは飛行機以外、四足のものテーブル以外、泳ぐものは潜水艦以外なんでも食べる』とオーバーに形容されるほどの食材の豊富さが第一の特徴です。広東料理の『焼味(ロースト)』は、豚肉を使った又焼(チャーシュー)を始め、お祝い事や結婚式などには、子豚の丸焼きも登場します。街のレストランでは、鶏、ガチョウ、ハト、うずらなど鳥類が多く見られます。香港にはありませんが、広州には野生動物を食材にした『野味(イエメイ)』と呼ばれる料理もあります。また香港で有名なのは、海に近いため海鮮を食材に使ったメニューですね。西貢(Sai Kung)や鯉魚門(Lei Yue Mun)といった海辺のエリアや、離島などで新鮮な海鮮料理レストランが人気ですし、香港市内でも店内にいけすを持っているレストランも多いです。まだ生きている活きのいい海の幸を自分で選んでその場で料理してもらうのも、楽しみの一つです。高級な食材といえば、アワビ、フカヒレ、燕の巣も人気。そういえば、蛇やかえる料理も一般的です。そして、亜熱帯の果物や野菜の種類も様々です。
食材に合わせた調理法
野菜などは、さっと炒めたり、ゆでて油をかけ、オイスターソースをつけるなど薄味で素材の味や色などを活かす『炒(チャウ)』がメイン。海鮮料理や飲茶の点心などでよく見かける『蒸(ジン)』、また冬には土鍋でいろいろなものを煮る『煲(ボウ)』、又ローストなどの『焼(シウ)』やたれや汁を使って煮る『炆(マン)』という方法もあります。それぞれの食材に合わせて、様々な調理を使い分けているのです。
健康のためのスープ
『医食同源』という言葉もあるように、漢方の効果のある生薬と肉、野菜などを合わせてじっくり煮込んだスープ『湯(トーン)』は、家庭でもレストランでも重視される一品で、料理の最初に出てくるのがこのスープなのです。この場合、スープの上澄みだけを飲み、煮込んだ中身はスープには入れません。家庭などでは、スープの中身の肉や野菜をは別に皿に盛り、おかずとして食べることもあります。またレストランなどでは、具が入った『羹(カン)』と呼ばれるとろみのあるスープもあります。フカヒレスープなどはこんな感じですね。
他国料理とのフュージョン
香港、マカオなど外国の植民地だったことのある地域や海に囲まれた環境から、料理に関しても早くから海外との交流がありました。世界各国の調味料、例えばオイスターソースやクリーム、マヨネーズ、ケチャップ、カレー粉などを使ったメニューも多いのです。サテーソースやXO醤などは、もう欠かせない調味料になっていますね。また、飲茶のスウィートとして欠かせない、エッグタルトやマンゴープリンも、チャイニーズテイストと洋菓子の融合の賜物と言えますよね。
庶民の広東料理
飲茶
香港旅行のお楽しみトップスリーに入るのが、『飲茶』です。食事というより、雰囲気や場所、様式を楽しむもの、体験するもの表現したほうが相応しいですよね。飲茶のできるレストランは、大きくて広い店内に丸いテーブルを所狭しと並べています。みんなでテーブルを囲んで、ワイワイガヤガヤ。飲茶のレストランで静かな所ってほとんどないかも。朝食タイム(だいたい朝6時くらいからオープン)、ランチタイム、午後ティータイムと、時間をかけてゆっくり楽しむのが定番。また、大勢で食べるのが適しているので、今日は会社のみんなでランチとか、友達の集まりなんかも飲茶ね!ということが多いのです。特にお休みの日の飲茶は、朝からブランチ、昼から午後ティータイムまで、新聞や雑誌を読んだり、おしゃべりしたり、テレビをみたり!?と家族や気の置けない人たちとゆっくりまったり過ごすものなのです。点心のオーダーの仕方も、用意されたメニューリストの紙に自分で個数を記入してお店の人に渡す方法が主流になっていますが、点心を載せた車を押してテーブルまでやって来るのを選ぶ昔ながらの方法も楽しいです。
丸テーブルに白いテーブルクロスは必須
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大人数でいろいろオーダーするのがいい
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麵・粥
広東料理のファーストフード的存在なのが、麵やお粥。日本ではどちらかというと、さっぱりヘルシーな食事がしたいときにお粥を食べますが、広東料理の麵やお粥は油も入っているし、油で揚げたパンや細めんの焼きそばなどこってりとした付け合わせも一緒に食べることが多いのです。また麺類は、極細麵のラーメンや、米でできたビーフン(極細&きしめん風)などメンの種類も多く、具はワンタン、水餃子、魚蛋(魚のすり身ボール)、牛腩(牛の内臓)など盛りだくさんです。どんな時間帯にも常にお店は込んでいます。日本で言うと、立ち食いソバ屋さん感覚で、とっとと食べて、さっさと帰るみたいなサービス形態です。
ナビお勧めの広東料理レストランは?
さあ、広東料理を様々にご紹介して来ましたので、お腹がグーッとなって、香港で広東料理を思う存分食べてやる!!という勢いになった方もいるのでは?早速ナビで、レストランを予約していけば鬼に金棒です。もちろん、メニューも広東料理を代表するものばかりをセレクト。間違いありません!!
観光のついでに、広東料理を堪能したいという方なら、こんなツアーもあります。観光と料理で香港を満喫してしてください。
いかがでしたか?香港人が日ごろ食べている広東料理について、少しでも興味深く理解していただけたら、うれしいです。次回の香港旅行の食事の楽しみが、また違ったものになるんじゃなかなーと思います。ぜひ、いろんな種類の広東料理にチャレンジしてみてください。以上香港ナビがお伝えいたしました。
その他情報
■2015年6月6日 リンク切れ修正
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-03-10