二股のお化けフォーク、ビニール手袋にはちみつ。香港スタイルは日本と一味も二味も違う、文字通り「自分で焼く」バーベキューなのです。
こんにちは、香港ナビです。香港には一足お先に夏がやってきました。香港で夏のアウトドアアクティビティといえば、BBQ(燒烤)です。口語では「燒嘢食(シウイエセッ)」と呼ばれ、週末になれば学校の仲間、職場の同僚と大勢で海や山に出かけてBBQを楽しみます。バーベキューなんて世界どこでも同じ、と思いきや香港ならではの香港スタイルBBQなんてものもあって、意外と奥が深いのです。今回は、港式BBQをご紹介したいと思います!
香港島南部の石澳へ
今回ナビが訪れたのは、観光客で賑わうスタンレーの近くにある香港島南部の石澳ビーチ。背後に山があり、目の前には青い海が広がる風光明媚な場所ですが、観光客向けのマーケットやレストランなどはないため、訪れる人は地元の人ばかりです。ビーチを囲むように、公共のBBQ場や私営のBBQ場が並び、海水浴目的というよりもBBQをする場所として有名なビーチでもあります。在住日本人の皆さんも会社や友達の集まりで一度は訪れたことがあるのではないでしょうか?
まずは買出し!
ビーチサイドにもBBQ用品や食材を扱うお店がたくさんありますが、飲み物や炭など重たいもの以外は、サウケイ湾駅前のスーパーマーケットや街市で買って行く人が多いようです。ビーチ周辺のお店は街と比べるとお値段がやや高めで、しかも街で買うほうがお肉や野菜の鮮度がよく、種類も多いようです。ということで、ナビも早速香港人たちと一緒に買出しに行ってきました。
BBQといえばお肉。香港の街市でよく見かける凍肉屋さんで購入します。ショーケースの中にお肉、フィッシュボールなどがずらりと並んで、量り売りされています。
◆香港のBBQで人気がある食材◆
・チキンウィング(鶏中翼) ・ポークチョップ(豬扒) ・ビーフステーキ(牛扒)
・ポークリブ(金沙骨) ・ポークネック(豬頸肉) ・チキンステーキ(鶏扒)
・フィッシュボール(魚蛋) ・ビーフボール(牛丸) ・イカボール(墨魚丸)
・チキンソーセージ(鶏肉香腸) ・ちくわ(獅子狗卷) ・シュウマイ(魚肉燒賣)
・サツマイモ(蕃薯) ・コーン(粟米) ・チーズウィンナー(芝士腸)
・マシュマロ(面花糖) ・パン(麺包)などなど
お肉はタレに漬け込んですでに味がついているものがほとんど。フィッシュボールやビーフボールなど練り物が多いのも日本とは少し違いますね。野菜は、サツマイモや椎茸くらいで、キャベツや玉ねぎなど野菜はあまり食べません。そのほかに、ビールやジュース、炭などを入れても全部で一人100ドルもあればお釣りがくるから、とっても経済的!
銀紙や紙皿など、その他必要なものはスーパーマーケットで買いましょう。ビーチやBBQ場に近いウェルカムやパークンショップにはBBQ用品のコーナーがあります。ここで、炭や着火剤、トング、串などをまとめて購入できます。基本的に、香港のBBQは準備不要。手ぶらで出かけても、必要なものはすべてBBQ場の近くの商店で手に入ります。
港式BBQ三種の神器(これだけは忘れちゃいけない!)
香港の公共BBQ場
日本では、川原でも海辺でも、BBQ用のグリルを使ったり、レンガや石を積んで自由にBBQができますが、香港では決められた場所でしかBBQをすることができません。そのため、香港各地に政府が管理をしているBBQ場があり、地元の人々はそこでBBQを楽しみます。ただし、政府のBBQ場は無料のため、週末となると非常に混雑するため、順番待ちは当たり前。しかも深夜まで食べ続けることもある香港のBBQ、待てど暮らせど自分たちの番にならないこともあります。そんな時は、有料のBBQ場が便利です。石澳にも個人が経営しているBBQ場がいくつかあり、一人当たり50~100ドルで(週末は高くなります)炉を借りることができます。お店によっては自助BBQ(BBQバイキング)を一人150ドル前後で行っているところもあります。政府のBBQ場が一杯の場合は、そちらに行ってみるとガラガラということもありますよ。
海で遊んだ後はシャワーもあります
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火起こしを手伝うおばちゃん(有料)
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港式BBQをご紹介
さあ、無事に火も起こせました。BBQのはじまりです!と、ここで現れたのが先ほどスーパーマーケットで買ったフォークのお化けのような二股の金串。香港のBBQになくてはならない存在のこの金串、いったいどのように使うのでしょう。
日本では網や鉄板の上に肉や野菜を並べますが、ここ香港では直火で焼くのです。この金串に食材を刺して、炉の周りに座り、焼きあがるまでひたすら待ちます。その様子は、まるで魚釣りのよう。その間、ビールを飲んだり、おしゃべりをしたり・・・。フィッシュボールやウィンナーは結構早く焼きあがりますが、チキンウィングやポークチョップは焼き上がりまでにかなりの時間がかかるので、結構大変。しかも、おしゃべりに夢中になっていて、串の先端が火に近づいているのに気づかないでいたら、あっという間に真っ黒こげです。
うまく焼きあがってきたら、ここで三種の神器のひとつ、はちみつの登場。香港ではお肉も野菜もはちみつで味をつけるのです。変な組み合わせ・・・と思いますが、これが、意外とおいしい!焼肉のタレやバーベキューソースがなくても、十分OKです。
いかがでしたか?網や鉄板を使ったほうが、楽に焼くことができるのに、なぜ串にこだわるの?と素朴な疑問を香港人にぶつけてみると、「こっちの方が楽しい」とあっさり返されました。どうやら、好きな食材を自分の手で串刺しにして、じっくり時間をかけながら焼くほうが、「あ~BBQって楽しいな~」感をより多く味わえるようです。鉄板の上で肉や野菜をひっくり返すBBQもいいのですが、港式のように自分の肉は自分の手で焼く!っていうBBQもやってみると結構楽しいものです。皆さんも今年の夏は、ぜひ港式BBQにトライしてみてください!以上、香港ナビがお伝えいたしました。
石澳の基本情報
◆石澳ビーチ
場所:石澳,石澳道
電話:2809-4557
施設:レストラン、BBQ場、シャワー施設、トイレ、公園、駐車場、ゴルフ場など
◆行き方
1)MTRサウケイ湾駅A3出口のバスターミナルから9番石澳行きのバスに乗り終点で下車
2)セントラルのエクスチェンジスクエアバスターミナルから309番のバスに乗り終点で下車
3)MTRサウケイ湾駅からタクシーで約15分、HK$80くらい
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2009-05-07