食は広州に在り。香港グルメの第一歩は飲茶(ヤムチャ)から!
こんにちは。香港ナビです。今日は香港の飲茶(ヤムチャ)についてご紹介します。飲茶と一口にいってもお店選びに始まり、お茶や点心のチョイスも沢山!今日は一般的に日本人に好まれる飲茶をご紹介します。
A.お茶を飲む?
ヤムチャという言葉は聴いたことはあるけれど、飲茶という字を書くのはご存知でしたか?お茶を飲むだけなの?とお思いかもしれませんね。そもそもの飲茶の始まりは、読んで字のごとしで、お茶を飲むことから始まりました。その習慣は唐の時代から始まり、そこかしこに茶館、茶居、茶室と呼ばれるお茶屋さんができ、そこでお茶うけとして出していた干し果物や野菜の種などの茶菓子が発展に発展を重ね、今日私達が思い浮かべるエビ餃子や、シューマイ、叉焼包(チャーシューパオ)などの点心になったのです
B.店選び
と、まあ講釈はこれくらいにしておき、お店選びといきましょう!飲茶のお店にはワゴンにいろんな点心の入った蒸篭をのせ「いらんかえ~」と元気なおばちゃんが注文をとりにくるワゴン式のお店と、卓上においてある注文用紙に自分の食べたいものを記入していくオーダー式のお店があります。
お勧めは断然ワゴン式!蒸篭にふたがしてあっても、笑顔で蒸篭を指差せば必ず中身を見せてくれるので、自分の目で食欲がそそられるかどうかを確認しながら注文できるのが魅力。また言葉の心配もしなくて大丈夫。ただ、混み合う時間帯にはなかなかワゴンがまわって来ないこともあるのが難点。
オーダー式のお店では、すべてのメニューが一覧でき、ちゃちゃっと注文を済ませてしまえば、点心が届くまでの間は心おきなく景色を楽しんだり友達との会話を楽しんだりすることができます。お店によっては、英語、日本語のメニューがあるのでだめもとで聞いてみるのもいいかも。
C.お茶選び
お店選びがすんだら、行く時間帯を設定しましょう。香港人の一般的なランチアワーは13~14時なので、混雑した雰囲気を楽しみたい場合以外は12時から13時までの間にお店に入ってしまうことをお勧めします。特に人気のあるお店は12時についても待たされる場合もあるので、後のスケジュール設定は余裕を持って。入り口には必ずお姉さんが立っているのでこちらの人数を伝えましょう。指で数字を作ってにっこり笑えば通じます。席が空いている場合はそのままテーブルまで案内されますし、満席の場合は番号札を渡されます。空席が出来次第番号を呼ばれるのですが、広東語または英語で番号をよぶので心配な場合はお姉さんの横に行って番号を確認しましょう。
いよいよ席に着いたら、まずお茶の種類を問われます。日本のように座ればお冷ややお茶が出てくるのではなく、ここからオーダーが始まるのです。なんといっても元を正せば「お茶」がメインの飲茶ですから!
お茶にはこんな種類が
寿眉茶(サウメイチャ)香港人がよく飲むお茶はこれ。白茶に属する発酵が少ないお茶で、苦くなく濃くなく飲みやすいお茶。若い芽だけを摘んだものなので、ソフトな味で新茶のシーズンに味わえます。
水仙茶(ソイシンチャ)
寿眉の次によく飲むと思われるお茶。鳥龍茶の一種である水仙茶。鉄観音よりもお値段が手ごろで味もよく人気があります。甘い香りと渋みのある味の、バランスのよいお茶です。
普洱茶(ポーレイチャ)黒茶(後発酵茶)の代表といえばこれ。 年代物に価値があると言われています。日本では「ダイエットに効果があるお茶」のイメージが強いのですが、「プーアール茶」だけで1冊の分厚い本が発行されるくらい広くて深い世界を持つお茶なのです。くせが強く、カビを思わせる独特の風味があり、色も黒っぽい色のお茶。油っこい料理に適しているといわれています。比較的カフェインが少ないために、夜のお茶にもオススメです。一般的には「香港でよく飲まれている」とされるお茶ですが、「濃すぎる」「においがきつい」と敬遠する人も。
茉莉花茶(モウレイファチャ)
お茶の葉には香りを吸収するという特性があり、この特性を利用して作られたものが花茶と呼ばれるもの。数ある花茶の中でも有名なのはこのジャスミンティ。(決してジャスミンの葉でつくったお茶ではないのです)十分に香りを楽しんでください。香片(ホンピン)とも呼ばれます。茉莉花茶には緊張をゆるめる効果があると言われています。
鉄観音茶(ティックンヤムチャ)
鳥龍茶の一種である鉄観音茶。茶葉に含まれるカテキンを発酵させて生まれるポリフェノールがたくさん含まれていて、身体免疫力を向上させ、新陳代謝が良くなり冷え性の方にも良いので、寒い季節にぜひお奨めの茶葉です。
鳥龍茶(ウーロンチャ)
青茶に属する班発酵茶。清涼な感じのすっきりした風味のものから蜜を思わせる甘い香りとしっかりした味わいのものまでとても幅広い。中でも凍頂鳥龍茶は、甘い花のような香りと芳醇な味が特徴で、人気のあるお茶です。
菊花茶(コッファーチャ)
菊の花を乾燥させたもの。眼精疲労など目の疲れを和らげる効果があり解熱・解毒作用があることから、風邪の引き始めにも良いそうです。味はほのかに甘く飲みやすく、緑茶や烏龍茶、プーアール茶、紅茶などとブレンドをすることでも美味しくいただけるお茶です。
食器を洗う「洗杯」
店によっては同時にどんぶりのような大きめの器が出てくることがあります。「洗杯(サイプイ)」という所作のためのもの。昔、衛生状態があまり良くなかったころ、自分のお茶で自分の使う、はし、レンゲ、湯飲みなどをすすいでいました。現在は、衛生状態に関しては全く問題はありませんが、飲茶の儀式的なものとして残っているようです。お湯ではなく、お茶を使って洗うのは、茶葉の汚れも一度洗い流すという意味合いがあります。熱いお湯を使うので、やけどには充分気をつけてくださいね。もちろん、洗杯をしなくても全く問題はありませんが、ちょっとやってみた~い!と思わせる粋な所作なんですよね。
D.ようやく点心にありつける!?
お茶を選び終わったらようやくメインの点心選びといきましょう。ワゴン式はともかくとして、大変なのはオーダー式のお店。メニューは漢字だらけ、英語や日本語のメニューをもらったところでどんなものが出てくるのかいまいちよく判らない、、、なーんて心配は香港ナビで予習をしておけば解決できちゃうのだ。下記は絶対に制覇しなければならない点心リスト。お店によっては、それぞれの点心にこじゃれた名前をつけていたりもしますが、下記点心名を見せれば、どの店でも絶対に通じるので安心。
蝦餃(ハーガウ)
エビ入り蒸餃子。飲茶の初期からあった点心の王様。香港で食べるエビ料理はエビそのものに味がありどんな風に加工してもおいしい。
焼売(シューマイ)
いわずと知れたこの一品。店によってはフカヒレがトッピングされていたり、蟹子がトッピングされていたりと、工夫が凝らされているものもあります。
腸粉(チョンファン)
字だけを見ると、「内臓系か?」と敬遠したくなるというものだが、米の粉を溶かして蒸たもので、チャーシューやエビ、牛肉など中にいろいろなものが入っていてチョイスができます。
蘿蔔糕(ローバッコ)
大根を千切りにし、こまかく刻んだ中国ソーセジや野菜などを混ぜて蒸したもので、俗に「大根もち」と呼ばれている。蒸たものと焼いたものがあるが、日本人の口には焼いたものの方があうかも。
叉焼包(チャーシューパオ)
日本でラーメンなどに入っているチャーシューを想像してはいけません。材料は同じ豚でも味はまったく別物。日本の肉まんを想像していただければよいのですが、香港のチャーシューは驚きの味。
鶏球大包(ガイカオダイパウ)
ナビがキング・オブ・点心と太鼓判を押したい巨大な饅頭。中には鶏肉や野菜、ゆで卵、ハムなどが詰め込まれてボリューム満点。いろんな種類を食べたいという方には不向きですが、ぜひ何人かでシェアしてお試しください。
叉焼酥(チャーシューソ)
中身は叉焼包と同じだけれど、包はボリュームがあり、いろんなものを沢山試すには不向き。でもチャーシューも味わいたい!という人にはこれ。小ぶりで適度な大きさで、さくさくしたパイの食感もたまりません。
糯米鶏(ローマイガイ)
はすの葉にくるんだおこわごはんで、中に卵やしいたけ、鶏肉などが入っているもの。ハスの葉のにおいが食欲をそそります。
排骨(パイクワ)
骨付きの豚肉。点心というと、シュウマイや餃子、春巻きのような、一品一品作りこまれたイメージがありますが、このような小皿料理も点心のひとつとして認識されています。 山竹牛肉球(サンジュッガウヨッカウ)
山竹牛肉球(サンジュッガウヨッカウ)
日本ではなじみが少ない、肉団子の点心。見た目のボリュームをカバーするように、ほんのりと柑橘の香りがアクセントになっています。
マンゴープリン
そして忘れてはなりません!食後のデザートといえばこれ!マンゴって聞きなれない果物ですが、自然のフルーツの味にちかい贅沢なデザートです。
E. 旅の恥はかきすて?郷に入れば郷に従え?
せっかく香港に来ているのだから、香港でのマナーちょこっと覚えておきましょう。
ポットのお湯がなくなった
お湯を足してもらいたい場合は、ポットのふたを少しずらしておけばお湯がほしい」のサインです。
お茶をついでもらった
片手で拳骨を作り、軽く「コツコツ」とテーブルをたたくのが「ありがとう」のサイン。会話や食事を中断することなく、感謝の気持ちを表すことができます。
親切にしてもらった
蒸篭の中身を見せてもらった、おしぼりを渡してもらった、などありがとうの気持ちを伝えたいときは、「ムコーイ」と広東語で話しかけてみましょう。
お勘定
香港では会計はほとんどのお店が、食事をしたテーブルで行えるシステム。片手をあげ、サインをする真似をしながら「マイタン」といえば、請求書をテーブルまで持ってきてくれます。請求書は必ずチェックをしてくださいね。
チップ
10%のサービスチャージが含まれているので、特に多めに払う必要はありませんが、一般的に5ドル未満のコインはそのままチップとして残しておきます。
どうですか?お腹いっぱいになりましたか?何度食べても飽きることのない、やみつきになっちゃう飲茶の点心たち。これ以外にも、香港人好みのディープな飲茶もありますが、まずは上記の点心をお試しあれ!香港に来る前にはダイエット!ですよ。以上、香港ナビがお送りしました。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-07-20