これを読めば一人でも怖くない!地元民に紛れ込んで香港ならではの飲茶を楽しもう。
セッジョゥファンメイア~?(もうご飯食べた?)香港ナビです!食事をしたか否かが日常の挨拶になるほど"食べること"に重きを置いている香港。ひとり旅でも気軽に入れる店が多いので、誘惑に負けまくって常に満腹~なんてよくある話です。そんな中、意外にも聞こえてくる「飲茶だけはひとりじゃぁムリ…」なんていう多くの声。飲茶といえば「大人数でがやがやと」のイメージが強いですが、それだけじゃありません。時間や店を選べばひとりでも飲茶を堪能できちゃうんですよ!はじめの一歩の勇気が出れば、あとは簡単!堅く考えないで、ふらりとひとり飲茶、行ってみましょう!
店に入ったら
受付のある店では、受付係にひとりであることを告げます。喫煙禁煙の希望があればこのときに言い添えます。この受付係は店内の席の空き状況、客の流れなどがすべて把握していて、的確に来た客をさばいていきます。待つようであれば、リストに名前を入れてもらい、すぐに入れるようならば、テーブル番号のかかれた紙をもらい店内へ進みます。受付のない店では、自力で席を確保せねばなりません。躊躇していてはいつまでも座れないので、日本人的恥じらいは捨ててずんずんと奥へ進みましょう。店内を見渡して空席を見つけたら、念のため隣の人に「空いてる?(もしくはジェスチャーで)」と確認してから座るといいですよ。
まずはお茶の注文
昔々の飲茶は「1杯のお茶で2つの点心を味わう」という作法があったそうです。点心はお茶を飲むための"お茶うけ"だったのですね。そのお茶を飲むことが主眼だった流れのまま、今でもまず席に着いたら「お茶は何にする?」と聞かれます。プーアール、ソウメイ、ジャスミンetc.好みのお茶を告げると、ポットもしくは「ごっじょん」と呼ばれる蓋つきの茶器に注がれて持ってきてくれます。広東語で聞かれる確立が非常に高いですが、まず最初に聞かれることはお茶の種類だということを覚えておきましょう。
食器を洗うの??
店によっては同時にどんぶりのような大きめの器が出てくることがあります。「洗杯(サイプイ)」という所作のためのもの。昔、衛生状態があまり良くなかったころ、自分のお茶で自分の使う、はし、レンゲ、湯飲みなどをすすいでいました。現在は、衛生状態に関しては全く問題はありませんが、飲茶の儀式的なものとして残っているようです。お湯ではなく、お茶を使って洗うのは、茶葉の汚れも一度洗い流すという意味合いがあります。 熱いお湯を使うので、やけどには充分気をつけてくださいね。もちろん、洗杯をしなくても全く問題はありませんが、ちょっとやってみた~い!と思わせる粋な所作なんですよね。
点心の注文方法
食器の準備も整い、落ち着いてお茶のひと口でもいただいたら、さあ、お待ちかねの点心の注文です!現在の香港には、「オーダー用紙式」と「ワゴン式」の2種類の注文方法があります。オーダー式はテーブルに置いてある注文用紙の好みのメニューにチェックをいれ、店員に渡すだけ。蒸しもの、揚げもの、デザートなど大まかに分類されているので、イメージは掴みやすいと思います。漢字の意味が分からなくて、想像とかけ離れたものが登場しても、それはご愛敬。旅の思い出と思ってぜひトライしてみてください!
ワゴン式は、直接点心をワゴンに乗せて席まで持ってきてくれます。揚げものやデザートはガラスのショーケースのワゴンなのでコレ!と指をさせばOK。蒸しものはセイロに入っているので、ワゴン係りに「中身を見せて(もしくはジェスチャーで)」と言ってふたをあけてもらってください。香港人も「どんなものなの?」とセイロの中をのぞくことはよくありますので、遠慮は無用です。注文をして、点心がテーブルに置かれると同時に「記録カード」に判が押されます。これが会計の際の記録になります。
さあ、点心をいただきましょう!
お湯がなくなったら、
ポット(ゴッジョン)のふたをちょっとずらすのが「お湯を足して」のサインです。テーブルの端にその状態で置いておけば、すぐ注いでくれるでしょう。ちなみにふたを完全に裏返してしまうと、「もういらない」という意味になるそうです。 要所要所にヤカンの置いてある店もあります。店員さんの手が回らなければ、自分で注いでもかまいません。その際、同じテーブルの人のふたがずれていたら、一緒に注いであげると喜ばれますよ。
ゴッジョンの使い方。
ふたと器とは微妙に形が違っているので、完全にふたが閉まることはありません。わずかにずらした状態のふたを人差し指を曲げて押さえ、手首を傾けて注ぎます。慣れないと押さえに力が入らず、よけいな隙間からお茶が流れ出てしまうかもしれません。あまりのぎこちなさを見かねて、相席になったおじさんが「こうやるんだよ!」と指導してくれることもあります。人のことを見ていないようでいてちゃんと気にもしている、いい距離感が味わえるのもひとり飲茶の楽しみでもあります。言葉はわからなくても、笑顔は万国共通。ぜひコミュニケーションを図ってくださいね。 おじさんの指導むなしく、それでも上手くいかなければ両手を使ってもいいですし、店員さんに頼んでポットに換えてもらってもかまいません。せっかくの旅でやけどしては大変ですから。
お会計
お茶も点心も堪能できたら、お会計です。手を挙げて店員の視線を確保したら、手で字を書くような動作、もしくは人差し指で円を描くような動作をしながら「マイタン!(お愛想)」と言いましょう。伝票を席まで持ってきてくれるので、そこで会計を済ませます。 レジがある店では、点心を受け取るときに判をおしてもらったカードを持ってレジに向かってください。
ひとり飲茶は人間観察にもってこい。新聞を隅から隅まで食い入るように読み込んでいる人、仲むつまじく点心をとりわけ合う年輩のご夫婦、相方の登場が遅れて淋しそうにしている人、その相方が登場したとたん弾丸のように話し出す人…。街を歩くだけ、ショッピングをするだけでは見ることのできない香港人の普段着の表情がうかがえます。飲茶時の店内は、そのざわつきとは反対に、時間の流れだけは独特の緩やかさをもっているように思えます。お腹がいっぱいになってもなんとなく座り続けていたい不思議な空気感を、ぜひ体験して欲しいと強く願う香港ナビがお伝えしました。
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記事登録日:2005-12-28