トラム

Tram電車

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香港を象徴する、レトロな交通機関。便利に使いこなすもよし、景色を眺めながらゆったり過ごすもよし

こんにちは、香港ナビです。香港を代表する乗り物といえば、ぱっと思い浮かべるのが2階建てのトラムだという人は多いのではないかと思います。2004年に100周年を迎えた香港のトラムは、どこまで乗ってもたった2.3ドル(2011年6月現在)の安い料金。スピードこそ遅いながらも、地下鉄とは違って地上から直接乗り込めるという便利さで、地下鉄のできた今でもバリバリ現役の乗り物です。トラムの路線は香港島の繁華街をひと通りカバーしているので、観光客にとっても利用価値の高い路線となっています。それでは、トラムに乗ってちょっとした旅にでてみましょう。

トラムの歴史
1841年のヴィクトリア港開港以降、香港の人口は増加し、1881年には既に60,400人に達していました。しかし、この当時は馬車と人力車、それにセダンチェア(籠のことです)などといった簡易な交通手段しかなく、増大する交通需要をまかなうことができませんでした。そこで、当時の立法局が電車システムの立案を行い、翌年、香港政府は「軌道建築条例」を公布し、その中で6つの電車路線を提議しました。そのうちの5路線が現在のトラム路線であり、残りの1路線はピークトラムとなっています。沿線に政府高官などの富裕層が多く住むピークトラムは1885年に着工し、香港第一号の公共交通機関として1888年に開業したのですが、香港島北部をカバーするトラム路線についてはその後もしばらくは放置されていたのでした。

1901年8月、ようやく香港政府は「香港電車条例」を発布し、「香港電車電力有限公司」がロンドンにて設立されました。そして1903年に着工し、その後1904年7月30日に開業を迎えたのでした。

ダブルデッカーの車両が導入されたのは1912年です。最初は2階に屋根がなかったのですが、翌年にはキャンバストップ(帆布製の屋根)が取り付けられました。現在のような密閉式になったのは1925年のことでした。

1941年、香港が日本に占領された時は、トラムの運行が停止してしまいました。完全復旧したのは戦後の1946年8月のことでした。

1972年、それまで存在した等級制度が廃止され、1等と3等で車両が分かれていたのが一本化されました。以前は、1等の電車がきても中国人は乗ることができなかったのです。

1970年代末には、現在の地下鉄港島線の計画が進行し、市民の多くはトラムが廃止されると予測されていました。が、1984年に香港電車公司(トラムの運営会社)が調査したところ、地下鉄のサービスがトラムを完全に置き換えることはできないという意見が大勢を占めたため、トラムの存続が決定しました。トラムは、気軽に使える庶民派の乗り物として、市民に、観光客に、今でも愛され続けているのです。

トラムの路線

本線
堅尼地城(ケネディタウン)−上環(ションワン)−中環(セントラル)−金鐘(アドミラリティ)−灣仔−銅鑼灣−北角(ノースポイント)−太古(タイクー)−筲箕湾(サウケイワン)

跑馬地(ハッピーバレー)への路線
本線の上環方面または北角方面→銅鑼灣(波斯富街Percival St.)→タイムズスクエア横→競馬場北側→跑馬地ターミナル(終点) 跑馬地ターミナル→競馬場西側→灣仔東(天樂里Tin Lok Lane)→本線の上環方面または北角方面 ※単線・一方通行の路線ですので、競馬場北側から灣仔東方面に向かう場合は、跑馬地で乗り換えとなります。

北角支線

北角にある春秧街(Chun Yeung St.)の街市(市場)を抜けて折り返す路線。行き先が「北角」となっている電車がこの路線に入ります。電車通りに広がる市場の軒先をトラムで通り抜けるのは、香港らしさを感じさせる光景のひとつです。

トラムの基本的な乗り方
トラムに乗る際は、後ろドアから乗って、前のドアから降ります。トラムの運賃は全線一律、どこからどこまで乗っても乗車1回あたり2ドル。香港の乗り物では珍しく後払い制を採用しているので、運賃は電車から降りる時に払いましょう。おつりは出ませんので要注意。もちろんオクトパスカードは使用可能です。降りる時にカードリーダーにピッとかざすだけでOK。
なお、後ろの入り口には回転バーがついており、後ろから降りて無賃乗車することができないようになっています。
乗るときに気をつけるべき点としては、2階に乗る際は、階段がけっこう狭く急ですので、くれぐれも手すりにしっかりつかまって上り下りするようにしましょう。
トラムは、停留所の名前がない場合が多く、車内放送もありませんので、地図と景色を照らし合わせて降りる場所を見つけるようにしましょう。停留所は300-400メートルごとにありますので、万一乗り過ごしてもどうにかなります。混雑時などは、降りるのも一苦労ですので、1階、2階を問わず、なるべく早く前に進んで、降り口に近づくようにしたほうが良いでしょう。
トラムを乗りこなす
主要地点からの便利なトラム路線利用法を行き先別でご案内します。観光客にとって便利なのは、上環、セントラル、金鐘、灣仔、銅鑼灣、北角の各エリアを相互に移動する場合でしょう。地下鉄の駅数でいうと2−3駅くらいまでが、階段の上り下りが必要な地下鉄よりも便利なケースの目安です。(例えば銅鑼灣のそごう前から灣仔までや、上環から金鐘のパシフィックプレイスまでといった具合に)
香港のトラムは運行系統がシンプルで、行き先表示がちゃんとついておりますので、下記の早見表を参照すれば、十分に使いこなすことができるでしょう。

トラムの起点別行き先早見表

基本的には、上記の方面別行き先を覚えておけばトラムの沿線は一通りカバーすることができます。

さらに便利に使いこなすためのポイント
金鐘のパシフィックプレイスは、入り口の歩道橋が停留所と直結しており、地下鉄駅よりも近く便利。
タイムズスクエアに行く場合は、地下鉄だと駅の改札口から延々と通路を歩きますが、トラムなら降りてからすぐに到着するので便利。ただし、帰りはタイムズスクエア前の停留所からは跑馬地行きしか乗れませんので要注意。

いかがでしたか?香港のトラムは、安くて便利な乗り物として、そのレトロさと裏腹に今もバリバリ現役です。移動の際に便利に使いこなすもよし、2階席から香港島の街並みを眺めるのもまたよし。トラムの2階でゆっくりと眺める街並みから、街の息づかいを実感できることでしょう。トラムを大いに活用して、香港島の旅を充実したものとしてみるとよいでしょう。以上、香港ナビがお送りしました。

記事登録日:2005-12-28

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