櫻井景子先生の香港レシピ教室　老婆餅の巻

こんにちは！連日の暑さにも全く食欲の衰えない私。みなさんは夏ばてなどしていませんか？さて、今日は中国の伝統菓子をご紹介します。その名は“老婆餅”。えー！ろうばもち？おばあちゃんのお餅？いえいえ、香港では“老婆”のことは“奥さん”を指します。“餅”は日本でいうお餅ではなく、お菓子やケーキなどを表す言葉です。この“老婆餅”（広東語：ろーぽーべん）にはいくつかの由来の物語があるようです。有名な話の一つはその昔、とても愛し合う夫婦のもとに、病気がちな父親がいました。治療費を払えず、やむをえなく妻は家を出て、奉公に。奥さんをなくした旦那さんは意気消沈としてしまいます。どうにかお金を稼いで奥さんを取り戻そうと、旦那さんはお菓子作りをはじめ、それを売り始めたところ、大人気となり、儲かるようになって奥さんを無事取り戻すことができました。めでたしめでたし！というストーリー。愛する奥さんを思いながら作ったお菓子なのですね～！

老婆餅の最大の特徴は砂糖漬け冬瓜？！

日本の和菓子は小豆や白豆で作るあんこが主ですが、香港の伝統菓子の餡は、こし餡や蓮の実餡が人気です。香港の月餅に使われる餡は蓮の実餡がもっとも大きなシェアを占めています。最近はマンゴー味やチョコレート味、カスタード味などなど、いろいろ新しいフレーバーも増えていますが、伝統的な餡といえば、やはり蓮の実餡。この蓮の実餡とは別に面白いものを使った作ったのがこの老婆餅に使われている餡です。老婆餅の餡はなんと、冬瓜なのです！　冬瓜の餡ってなんだか想像出来ませんよね。実は冬瓜といっても、生の冬瓜を使うわけではないのです。香港には冬瓜の砂糖漬けというものがあります。ちょうど甘納豆のようなものだと思っていただいてよいのですが、このままお茶請けとして食べることも出来ますし、スープに入れたり、デザートに入れて煮たりすることもあります。

では、早速この糖冬瓜、冬瓜の砂糖漬けを使って老婆餅を作ってみましょう！

材料（4個分）
皮生地A
薄力粉・・・・・・・・・・・60g
水・・・・・・・・・・・・・・・25ml
植物油・・・・・・・・・・・小さじ2

皮生地B
薄力粉・・・・・・・・・・・40g
ショートニング・・・・・25g

冬瓜餡
糖冬瓜・・・・・・・・・・・・・・・50g
白煎りごま・・・・・・・・・・・・10g
グラニュー糖・・・・・・・・・・25g
ショートニング・・・・・・・・・12g
もち米粉（加工済み）・・・・15g

つやだし
たまご・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1