発達した香港の公共交通ネットワーク。やっぱり日本よりも安い!
こんにちは、香港ナビです。香港は100年以上前から公共交通が整備されていて、狭いながらも、あらゆる乗り物が揃っている「乗り物王国」となっています。バス、ミニバス、タクシー、フェリー、地下鉄、電車、軽便鉄路、エアポートエクスプレス、トラム、ロープウェイ(2006年開業予定)といった具合に、ちょっと挙げただけでこれだけたくさんの種類が出てきます。香港へ来たらこれらを活用して旅をすることも多いはず。そのとき気になるのが交通費。香港では果たしていくらかかるのか?ここでは、実際に東京地方の運賃と比べてみることにしましょう。
●市内バス編
香港の市内バスは九龍バス(KMB、九巴)、シティバス(城巴)、ファーストバス(新巴)の3つです。料金体系については各社大差ありません。香港のバスは、路線内の距離によって運賃が異なっています。また冷房か非冷房か、また海底トンネルをくぐるかくぐらないかなどによっても値段が変わります。海底トンネルルートは、地下鉄よりも安く、ルートが多彩で便利なので、香港市民も愛用しています。ここでは、香港でよく使うと思われるパターンで、東京のバスと運賃を比較してみましょう。今回の対決相手は、毎度おなじみ都バスです。
はっきり言って都バスは高いですねー!香港は、電車と比べてバスのほうが安いケースが多いです。非冷房は、今ではKMBの一部のみとなっていますが、とにかく安いのがいいですね。ただ夏と冬はつらいですけど。
●ミニバス編
主に路線バスが走っていないところをカバーするマイクロバス。ミニバスは、赤屋根と緑屋根の2種類あります。赤バスは走行ルートなどに融通を利かせられるのが特徴で、料金は前払い制で現金のみ。おつりがもらえます。緑バスは走行ルートが決まっていて、オクトパスカードが使えます。日本にはミニバスのような乗り物はあまりないのですが、その中で今回は東京代表として、マイクロバスを使った路線である「東急トランセ」に登場してもらいましょう。高級住宅地へ向かうミニバス路線対決、さて結果は…!?
こうしてみると、「日本のミニバス」東急トランセは、似たような距離の区間でも3倍近い料金がかかっていますね。もっとも電車の初乗り運賃と対比すれば妥当かもしれませんね。ハッピーバレーと代官山、どちらも高級住宅地として有名、ということで対決させてみました。ちなみに、香港のミニバス路線には、庶民的なルートを走る路線もたくさんありますよ。 というか本当はそっちの方が多いんですけどね。
●タクシー編
香港のタクシーは、走っている場所によって車体の色が違います。香港・九龍の市街地は赤、新界は緑、ランタオ島は水色です。香港市民の足でもあるタクシーは、時間帯によってはタクシースタンド前に行列ができてなかなか乗れないことも。
※タクシーで海底トンネルを通る際、20HK$~50HK$のトンネル代が加算されます。
海底トンネルを通過する場合は、通行料を往復分負担しなければいけないために高くつくものの、4-5人で利用すれば一人あたまの運賃が決して高くはないのが香港のタクシーのよいところです。また、大荷物を運びたいけど、バンを使うほどの量でもないな~なんて時にもよく使われています(荷物は、車内に入れる際はタダ。トランクに入れる際は市街地・ランタオ島はHK$5、新界はHK$4)。それにしても、東京のタクシー代は相変わらず高いですね。
●フェリー編
香港は九龍半島と香港島の間にビクトリア湾があり、そこをフェリーで渡ることもできます。それ以外にも離島行き、マカオ行きのフェリーもあります。ここでは、正直ちょっと苦しいかと思いますが、香港代表のスターフェリーと、東京代表の水上バスとで比較してみましょう。
※日の出桟橋は、浜松町の近くにある桟橋。
やはり比較対象が水上バスでは苦しかったですねぇ…まあスターフェリーも水上バスも、観光にぴったりな乗り物には違いないですけどね。
●地下鉄編
香港の市街地を縦横に結んでいるMTR(地下鉄)。バスやタクシーと違い、渋滞に悩むことなくスムーズに目的地へ着くので快適です。香港の乗り物の例に漏れず、海底トンネルを越えると運賃が跳ね上がることに注意。
値段比較表(カッコ内はオクトパス運賃)
基本的にはトンネルを挟まなければ、大体日本の半額かそれ以下のようですね。香港は通勤定期券というシステムがないのですが、日本の通勤定期券の割引率はだいたい40パーセントであることを考えると、それでもなお香港のほうが安いようです。香港は、交通費が会社持ちではないだけに、これは重要なポイントですね。
●エアポートエクスプレス&MTR東涌線
香港駅から空港までを結ぶ快速電車で、空港から香港駅を23分で結んでいます。全席自由で、各座席に液晶画面がついています。値段は高いですが、スピードが速く便利。
東涌線は、空港近くの東涌駅から発着する路線で、ほとんどエアポートエクスプレスと同じ線路を通っています。そこで、 今回は成田空港への電車路線と比べてみました。どちらも、特急電車と普通電車の2本立てなので、比べるにはちょうどいいでしょう。
こうして比べてみると、エアポートエクスプレスの距離あたりの運賃は、京成スカイライナーの約1.5倍となっています。さらに言うと、高いと言われるJR成田エクスプレスも、距離あたりの運賃がエアポートエクスプレスと比べて若干安いです。それにしても、エアポートエクスプレス、ナビも高いとは思ってましたが、距離あたりの運賃で比べるとこんなにも高かったとは…
●九廣鉄路 東鉄・西鉄(KCR East Rail/West Rail)編
九廣東鉄は、尖東駅から中国との境界線にある羅湖駅とを結んでおり、九廣西鉄は、九龍西部の南昌から屯門とを結んでいる郊外電車路線です。日本の通勤電車と同じく、郊外の住民にとっての重要な足として大活躍しています。というわけで、今回は東京代表として、JR中央線にご登場願って、通勤電車同士で比較してみようと思います。
ご覧の通り、ほぼ対等な条件で比べてみたところ、KCR東鉄の運賃はJR中央線の半額以下ということがわかりました。やっぱり安いですね。でも香港には、快速電車はないんですね。あれば便利だと思いますけどね…
●トラム&軽便鉄路(LRT)編
世界唯一の2階建てトラムは、香港島の北側を東西に結ぶ路線しか走っていませんが、トラムの路線に沿って乗り場がたくさんあるのでとても乗りやすく、しかも必ず各駅停車なので降りやすい。一律2ドルという低運賃で、長く乗れば乗るほどお得。
軽鉄(LRT)は、新界の西部、元朗・天水圍・屯門の各エリアを相互にきめ細かく結んでいるハイテク路面電車です。
今回の比較対象は、路面電車の東京代表として、今なお地元民の足として愛されている、都電荒川線と東急世田谷線の登場です。今回の勝負、どうなるでしょうか?
トラムは非冷房ということもあるかもしれませんが、それにしても安いですね。軽鉄も、$5.8あれば端から端まで行けてしまいますので、ということは普通にチョイ乗りするぶんには$4.7で収まるため、なかなかお得です。しかし、こうして比べてみると、世田谷線と荒川線の運賃も思ったより安い気がしますね。都電荒川線はけっこう路線の距離がありますので、長く乗れば乗るほど安くなる仕掛けです。
●ピークトラム
ビクトリアピークへ行く時に使う、名物ピークトラムは香港最古の交通機関。なんと1888年の開業以来無事故!だそうですよ。対するは、東京を代表するケーブルカー・高尾山ケーブルカー!
うーん、やはりピークトラムのほうが安いですねぇ。往復に至っては半値に近いですからねぇ。。。100万ドルの夜景がこの値段で楽しめるなんて、いいですねぇ。
いかがでしょうか。乗り物王国・香港は、種類が充実している上に、日本と比べると運賃も安いので、気軽にいろいろな所へ行けてしまうのが魅力です。乗り物を使いこなして、市街地を飛び出せば、きっと今までとは違った香港が見えてくることでしょう。それでは、くれぐれもお出かけの際は、残額の入ったオクトパスカードを忘れずに!香港ナビがお送りしました。
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記事登録日:2005-12-28