南蓮園池

Nan Lian Garden南蓮園池

閉店・移転、情報の修正などの報告

唐時代建築様式で造られた庭園は、まるで香港の小京都のよう。公園内にある精進ランチレストランは地元の人にも人気です。

庭園の背景には香港らしい高層マンションが並ぶ

庭園の背景には香港らしい高層マンションが並ぶ

こんにちは、香港ナビです。
香港の観光と言えば、百万ドルの夜景に密度の高い高層ビル郡、眠らない街、まさしく「都市」というイメージが強いですが、実は緑の多い公園や歴史的建造物なども少なくありません。
今日はそんな政府管轄の公園のひとつである「南蓮園池」をご紹介します。

入場無料とは思えないほど、手入れが行き届き見ごたえもある「南蓮園池」は仏教に属した非営利団体の『志蓮淨苑』が管理、園内の建物は全て唐の時代(617〜907年)の建築設計技術で造られています。またすぐ道路を挟んだ向かい側には、『志蓮淨苑』の仏教寺もあります。

たくさんの草花や木々で囲まれ、様々な形や色をした石や、美しく刈られた羅漢松(ラカンマキ)がそこここにあり、散歩をするのにとても気持ちの良い環境です。中央の蓮池に建つ圓満閣は、思わず、金閣寺か?と錯覚してしまいそうな輝きで、自分が今どこにいるのか不思議な感覚になる公園です。

南蓮園池への行き方

MTR駅名の柱はダイヤモンドを散りばめたデザインです!

MTR駅名の柱はダイヤモンドを散りばめたデザインです!

MTR觀塘線(Kwun Tong Line)の鑽石山(Diamond Hill)駅C出口より出て、高架下にそって歩き2〜3分ほどで公園入口に到着。地図で見ると駅直結のショッピングセンター、「プラザ・ハリウッド(荷里活廣場)」の隣に位置します。
ナビは必ずMTRのマップで場所確認!

ナビは必ずMTRのマップで場所確認!

C出口の駅ビルショッピングセンターのプラザ・ハリウッド(荷里活廣場)へ

C出口の駅ビルショッピングセンターのプラザ・ハリウッド(荷里活廣場)へ

地上に出ると前にユニクロがあります

地上に出ると前にユニクロがあります

ユニクロ右手にある高架下に進むとサインがあります

ユニクロ右手にある高架下に進むとサインがあります

サイン横にも地図が。日本語もちらほら

サイン横にも地図が。日本語もちらほら

高架下を道なりに歩きます

高架下を道なりに歩きます

最初の交差点で右手の信号を渡ると...

最初の交差点で右手の信号を渡ると...

南蓮園池の入口。地上に出てから徒歩1〜2分くらいの感覚。

南蓮園池の入口。地上に出てから徒歩1〜2分くらいの感覚。

南蓮園池を歩いてみよう!

入口すぐに公園とお寺の規模がわかる航空写真が。かなりの広さ!

入口すぐに公園とお寺の規模がわかる航空写真が。かなりの広さ!

がらーんと広いエントランス

がらーんと広いエントランス

ローカルの住宅街であるダイアモンドヒル周辺。
日曜でしたが、尖沙咀やセントラルなどの中心地とは違い、エントランス付近は人が少なく、その空間がすでに香港らしくありません!

エントラスを入るとすぐに公園全体の航空写真があります。お寺の「志蓮淨苑」と公園の「南蓮園池」が園内の陸橋でつながっているのがわかります。広さは35,000平方メートル、東京ドームの約75%ほどの大きさです。
園内での禁止事項は普通の公園より多いです。特に、「他の人のためにも、園内ではしずかに、鑑賞できる雰囲気を保ちましょう。」とあります。
また園内にある展示場やレストランなどの営業時間がそれぞれ違うので、事前に確認しておきましょう。
いたるところに立派な石が置かれています

いたるところに立派な石が置かれています

園内マップはパンフレット内にも

園内マップはパンフレット内にも

園内にあるもうひとつの入口「烏頭門」前

園内にあるもうひとつの入口「烏頭門」前

「烏頭門」の後にインフォメーションセンターがあります

「烏頭門」の後にインフォメーションセンターがあります

インフォメーションセンターには園内案内図と説明が書かれたリーフレット(英語・中国語)があります。ここまで揃っていて、無料です!

中国木結構建築藝術館

道なりに歩くとまず「中国木結構建築藝術館」が出てきます。唐の時代の建築の説明やミニチュア模型、釘を使わない建築構造形式の模型が展示してあります。
精密な模型にうっとり見入ってしまいました

精密な模型にうっとり見入ってしまいました

北京故宮太和殿の1/30の模型

北京故宮太和殿の1/30の模型

釘を使わず、木だけの組み方で建てる構造

釘を使わず、木だけの組み方で建てる構造

唐の時代の建築様式は日本にも伝わっているので身近に感じます

唐の時代の建築様式は日本にも伝わっているので身近に感じます

建物の四隅にいる神様は、ぽっちゃり体型

建物の四隅にいる神様は、ぽっちゃり体型

蓮池・圓満閣

道順に進むと「南蓮園池」で一番目を引く「蓮池・圓満閣」が現れます。その姿はまさに金閣寺!?のような輝きで、松に囲まれた八角形の二重の塔に朱色の子午橋が両岸に掛かっている色合いは、京都など日本をイメージさせます。
日曜日の「圓満閣」前は、外国人ヘルパーさんたちが入れ替わり立ち替わり、写真撮影をしていました。
かなりの人気スポットのようです。
地味な道順のサイン。気づかない!

地味な道順のサイン。気づかない!

ゴミ箱も環境になじむデザイン。こだわりが感じられます

ゴミ箱も環境になじむデザイン。こだわりが感じられます

座って休憩できるところは木陰になっているので、暑い日差しを避けられます

座って休憩できるところは木陰になっているので、暑い日差しを避けられます


公園の所々に、入れない場所があります。きっと美しく手入れされた庭園が続いているのだろうなと思うので、入れないのは少々残念です。

香梅軒

インドネシア人らしき写真撮影中の観光客。気分はカンフーマスター!

インドネシア人らしき写真撮影中の観光客。気分はカンフーマスター!

期間限定の展覧会などに使われている建築物で、今回は「茶山窯之縁」という焼き物の展覧会を開催していました。ひとりの師匠とふたりの弟子の3人展だったのですが、現代中国にもこのような芸術性の高い焼物を制作する窯があったなんて…と驚きながら、じっくり鑑賞してきました。
こちらの展示は撮影可能でした

こちらの展示は撮影可能でした

「茶山窯之縁」Encounter at Chashan Kiln

期間:〜2017年9月30日
10:00〜17:00
入場料:HK$20/大人
水曜日は無料(祝日は除く)

水月臺

対岸に見える「松茶榭」

対岸に見える「松茶榭」


大きな池の目の前には「南蓮園池」で一番大きな建築物の「松茶榭」が眺められます。
右手には「亭橋」がかかり、中央の池には沢山の鯉が泳いでいます。
「亭橋」への通路は封鎖されているため、残念ながら橋を渡りつつの景色を眺めることができませんでした。

松茶榭で中国茶をたのしむ

松茶榭の回廊を外から撮影

松茶榭の回廊を外から撮影

「南蓮園池」でナビのおすすめのひとつは中国式茶室の松茶榭でいただくお茶と点心です。
残念ながら撮影禁止のため、建物内やお茶の道具、点心を掲載できないのですが、中国茶ファンであれば、是非一度は試してみる価値があります。インテリアも茶器もすべてが素敵。

館内はとても静かで、スタッフの方の声も小さく、幽静という言葉がぴったり当てはまる空間です。
歩き回ることはできませんが、「松茶榭」の回廊を建物内からじっくり眺めることも可能です。
お茶は中国福建省北部の武夷山市で生産される「武夷岩茶」青茶(烏龍茶)と年代物のプーアール茶がメイン。
「大紅袍」などの高級品も楽しめます。
銘柄選びに悩んでいると、スタッフの方が味の好みを聞いてアドバイスをしてくれます。ナビは白茶が好きなので、比較的淡い味だという「白鶏冠」にしてみました。

また、美味しいお茶にあうしょっぱい系、甘い系の魅力的なできたて点心を食べられます。ナビは少しお腹がすいていたので、しょっぱい系の「羅白絲酥」を注文。20分ほど待ちましたが熱々のできたてパイ生地の点心は待つかいがある美味しさでした。

龍門樓 - 志蓮素齋で精進料理をたのしむ

エントランス。街の酒樓とは雰囲気が全く違います

エントランス。街の酒樓とは雰囲気が全く違います

もうひとつのおすすめは「龍門樓-志蓮素齋」でいただく精進料理です。
こちらも残念ながら撮影禁止。

公園内にある大きな水車の隣、人工の滝の中ににレストランがあります。厳選した新鮮な素材に、少なめの油、塩分控えめ、甘さ控えめ、化学調味料不使用、低コレストロールで健康に気を使った調理法での精進中華料理で、ランチタイムにはかなりの人で賑わいます。
レストランの場所は水車目印。この水車の裏手に入口があります

レストランの場所は水車目印。この水車の裏手に入口があります

水車も記念撮影の人気スポット

水車も記念撮影の人気スポット

人工の滝の向こう側に透けて見えるのがレストラン内です!

人工の滝の向こう側に透けて見えるのがレストラン内です!

ランチタイムのミニマムオーダーがHK$120なので、一番頼みやすいのがランチセットの四季平安(4種類のおかずにスープとご飯またはお粥、果物がついたセット)HK$120、または五福臨門(5種類のおかずにスープとご飯またはお粥、果物がついたセット)HK$150。
人数が多ければアラカルトに1〜2つ点心を追加オーダーしてもいいかもしれません。
ベジタリアン点心もおすすめです。

平日でもランチタイムの開店時間には、かなりの人が並ぶことも。予約も受け付けているので心配な場合は予約を入れておくのがベスト。スタッフの皆さんはテキパキした動きで、回転は悪くないので、少し時間をずらしただけで予約なしでも並ばず入れるかもしれません。
色々と細かい注意書きが...

色々と細かい注意書きが...

開店15分前から整理番号が配られます

開店15分前から整理番号が配られます

石と盆栽を展示している「石館」


順路の最後の方に盆栽と石の展示館「石館」があります。

1991年に中国広西チワン族自治区で最初に発見され、1997年より大々的に採掘されるようになった「大化彩玉石(碧玉石)Jaspilite」
が展示されています。

原岩はおよそ2億6千年前に形成されていると考えられ、色や形状、質感から生み出される美しさで多くの石鑑賞マニアを魅了しているそうです。
採掘されてからまだ20年ほどで歴史は浅いのですが、採掘の難しさもあり、かなりの高価格で取引されています。

屋外にある盆栽の展示

屋外にある盆栽の展示

日本のものよりスケールが大きめ?

日本のものよりスケールが大きめ?

石の展示には毛筆の漢詩が添えられているものも

石の展示には毛筆の漢詩が添えられているものも

外の景色と館内の石が一体になった作品

外の景色と館内の石が一体になった作品

その他の施設

水車とレストラン「志蓮素齋」の先にはお茶と軽食ができる「小食屋」とお土産屋さんの「意藝品」がならびます。

びっくりのお値段に「よよよ...」。石館に展示されている石のお値段が宇宙的桁数なのだと判明

びっくりのお値段に「よよよ...」。石館に展示されている石のお値段が宇宙的桁数なのだと判明


「意藝品」には手作りクッキーなどから石館に展示されているのと同じ「大化彩玉石(碧玉石)Jaspilite」
の置物まで、中国アートのアイテムが色々揃っています。

隣接する「志蓮淨苑」にもお土産屋さんがあり、こちらは数珠やお香、お坊さんのバッグなど
お寺グッズが充実しています。
品揃えが違うので、両店とも必見です!

手作りクッキーや、ベジタリアンスナックや調味料

手作りクッキーや、ベジタリアンスナックや調味料

細かい手作業で作られているチャイニーズクラフトなども

細かい手作業で作られているチャイニーズクラフトなども

布製品も品揃え豊か

布製品も品揃え豊か

中国刺繍の製品

中国刺繍の製品

思わず欲しくなってしまったコースター

思わず欲しくなってしまったコースター

モダンなポストカードもありました

モダンなポストカードもありました

時間があれば、ぜひお寺側にも渡ろう!

志蓮淨苑側に行く橋の目印

志蓮淨苑側に行く橋の目印

石館をすぎたところにある陸橋から「志蓮淨苑」側へ渡れます。

公園側と違って、厳格な雰囲気はまさに幽静。香港の人たちだけでなく、タイなどの仏教国の方たちも多く訪れていました。
平橋を渡ると、周りの色彩が変わります

平橋を渡ると、周りの色彩が変わります

まずお寺の入口「山門」

まずお寺の入口「山門」

山門を入ると左右に蓮の池がある中庭に

山門を入ると左右に蓮の池がある中庭に

水が豊富にある公園とお寺です

水が豊富にある公園とお寺です

中庭までは撮影可なので、ここでも外国人ヘルパーさんが休日撮影会を楽しんでいました

中庭までは撮影可なので、ここでも外国人ヘルパーさんが休日撮影会を楽しんでいました

この先の本堂からは撮影禁止。仏像や観音さまはこの先です

この先の本堂からは撮影禁止。仏像や観音さまはこの先です

おまけ

亭橋

亭橋

亭橋の鬼瓦ならぬ獅子瓦!?

亭橋の鬼瓦ならぬ獅子瓦!?

7月はピンクの紫薇花が満開で美しい

7月はピンクの紫薇花が満開で美しい

唯一の残念:スクリーンが反射で全く見えない...使えない...

唯一の残念:スクリーンが反射で全く見えない...使えない...

南国の木も保護されています

南国の木も保護されています

松(マツ)と似ているようで、葉の形が全く違う、羅漢松(マキ)がたくさん!

松(マツ)と似ているようで、葉の形が全く違う、羅漢松(マキ)がたくさん!


水浴びを楽しむ鳥たち

水浴びを楽しむ鳥たち

いかがでしたか?

「南蓮園池」は唐時代の建築様式といっても、2003年より建設、2006年11月に公開されたまだ新しい建築物です。そのせいか、京都や奈良で古い建築物を見ている日本人には、歴史的な重厚さ、深みを感じられない所があるかもしれません。

しかし、そこと比べるのではなく、「香港の文化を感じられる公共の施設」だと考えると、とても素晴らしい公園であることには間違いありません。とても清潔で手入れが行き届いている、ナビのイチオシの公園です。

黄大仙からひと駅なので、黄大仙廟と一緒に「香港文化観光の1日」として時間を使ってみるのも、いいかもしれませんね。
以上、香港ナビがお伝えしました。


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記事更新日:2017-08-04

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スポット登録日:2010-02-11

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