横浜中華街で感じる香港、その4-銀行業務発祥の地 『香港上海銀行』

日本で営業を続ける最古の銀行、香港上海銀行の史跡を巡ってみました!

こんにちは!香港ナビ勝手に横浜支局です。心地の良い季節を迎えて、外へ繰り出したい気分になることが多くなりましたね。今回の「横浜中華街で感じる香港」は、食を離れて、中華街近くにある香港上海銀行の史跡を巡ってみました。香港通にはおなじみの銀行名で正式名称は中文で香港上海滙豐銀行有限公司。英語名The Hong Kong and Shanghai Banking Corporation Limitedの略称、HSBCのほうが日本人にはなじみがあるかもしれません。香港に本店を置き、香港ドル発行銀行のひとつになっていますね。名前だけではよくわからなくても、成田空港のボーディングブリッジにでかでかと描かれた赤いロゴの銀行、といえば「ああ!」と思い出す方も多いのでは。その香港上海銀行の「銀行業務発祥の地」の記念碑から支配人が眠る横浜外国人墓地まで、横浜中華街周辺散策をしてみましょう!

最古参の銀行。別名は六十二銀行

香港上海銀行は、1866年(慶応2年)5月に日本へ上陸。現在の横浜中華街すぐそばで営業を開始しました。今日まで在日営業を続けている銀行としては最古です。日本資本の銀行が1879年にできるまでの10数年間は、銀行はこうした外国資本ばかりでした。外国資本の銀行は、セントラル・バンク・オブ・イエスタン・インディアが1863年に横浜支店を開業したのを皮切りに次々と横浜に進出してきて、香港上海銀行は5番目に日本に上陸した銀行となっています。ですが、先行した銀行は他行に吸収されたり経営破綻などで、昭和までにすべて日本から姿を消してしまい、現在も営業を続ける銀行として最も古いのが香港上海銀行なのです。
横浜に日本初の支店を開業した香港上海銀行は、当時、居留地62番という土地にあったため、別名「六十二番銀行」と呼ばれていました。しかし、その建物は1923年(大正12年)9月1日関東大震災で倒壊。その後、現在の横浜産業貿易センタービルのある場所へ移転して再建し、そこで1973年まで営業を続けていました。2006年、香港上海銀行横浜支店開業140周年を記念して、産業貿易センタービル前の広場に「銀行業務発祥の地」の記念碑が設置され公開されました。碑のてっぺんにはおなじみのロゴがデザインされ、側面には開業当時の建物の外観が浮かび上がるプレートがはめ込まれています。夜間はロゴ色と同じ赤い色のライトで碑の足もとが照らされ、碑が浮かび上がるようになっています。
ちなみに、現在の62番は団体所有のビルになっていて、残念ながらそこが香港上海銀行横浜支店の発祥の地であったというような表示などはありません。また、現在の横浜支店は、横浜市中区にありHSBCプレミアセンターとなっています。
余談になりますが、この記念碑周辺には、「英一番館」とよばれていたジャーディン・マセソン商会の跡地を示す碑があり、また中国銀行の横浜支店では、中国語に混ざって広東語も耳に飛び込んできて、ほんのり香港を感じることができます。

観光地でもある外国人墓地には・・

中華街を離れてしまいますが、香港上海銀行にまつわるポイント、横浜外国人墓地を紹介します。中華街のローズホテル前からバス「あかいくつ」に乗り込み、目指すは終点の港の見える丘公園。このバスの運賃は大人100円、小児50円です。10分弱で、港の見える丘公園に到着したら、表示に従って3分ほど歩き、有名な横浜外国人墓地へ向かってください。
横浜外国人墓地は、横浜開港当時の発展に貢献した人々をはじめとして現在は約4500人が眠る地で、横浜の観光名所のひとつとなっています。
この、横浜外国人墓地には、香港上海銀行の支配人ふたり眠っているのです。エドワード・モリスとデビッド・ジャクソン。ふたりとも詳しい履歴は不明なのですが、横浜における香港上海銀行の地位確立のために奔走した人物なのでしょうか…。
また、敷地内にある横浜外人墓地資料館では、香港上海銀行開業当時の様子がうかがえる展示も見ることができ、説明文の中には、「横浜外国人墓地の取引銀行である」との記述もあります。
墓地内は通常は非公開ですが、3~12月の毎週土・日・祭日(雨天を除く)は、墓地維持管理募金のため公開されています。(詳細は下記HPでご確認ください。)資料館は、午前10時~午後5時、月曜休館、入場料無料で見学できます。
香港の金融を象徴するような中環(セントラル)の香港上海銀行香港本店ビルは、香港に滞在していれば意識していなくても1度や2度は必ず目に入ってきます。香港ドル紙幣のぼかしの部分にも浮かび上がる象徴的なあのビルが建てられる120年も昔、横浜の地で香港上海銀行の営業が始まりました。当時を偲ぶことができる素材はそう多くはありませんが、日本最古の銀行が香港とつながっていたなんて、思いを馳せるだけでもわくわくしてきますよね。これからも「港」同士のつながりを探っていきたいと思っています。以上、香港ナビ勝手に横浜支局がお伝えしました!

その他情報

「銀行業務発祥の地」の記念碑
横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル

「英一番館(ジャーディン・マセソン商会)跡地」の記念碑
横浜市中区山下町1番地 シルクセンター前

中国銀行横浜支店
横浜市中区山下町89番地1 ファンケルビルディング1階

横浜外国人墓地
横浜市中区山手町96番地
http://www.yfgc-japan.com/index.html

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-05-27

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