本格的フカヒレ料理が手頃な値段で楽しめる専門店。
こんにちは。香港ナビです。さて、みなさん、香港でグルメというとフカヒレやアワビなどの高級中華料理を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。でも、高くてなかなか手が出せないと思いがちですよね。そこで今回はとっておきのお店を紹介します。フカヒレの広東語は、魚翅(ユイ・チー)。銅鑼湾(Causeway Bay)のタイムズスクエアにある「魚翅城酒家」はフカヒレの卸しでもあり、輸入、加工、販売までここで行われているので、効率のよいコスト削減がされていて、お手頃価格でふかひれが楽しめるのです。
一般的に使用される冷凍品より質が良いのに、お値段は一般のものより安いなんてうれしいですね。ここでは8種類ぐらいのフカヒレを取り揃え、予算に合わせて百数十ドルから数百ドルのものまで、と幅ひろいレパートリーの中から選べるようになっています。ちょっと心配なフカヒレのメニュー選びもここなら安心です。
「魚翅城酒家」は2001年、奥海城(Olympic City)に1号店をオープンしてすぐに人気を得ました。そして2003年に銅鑼湾店、最近では尖沙咀にもお店をオープンしました。銅鑼湾店はタイムズスクエア(時代廣場)の上階のレストランが集まるエリア「食通天」にあります。ここは、ランチタイムになると、エレベーターに乗るために長い列ができるほど人気のレストランが揃っています。では、早速、お店に入ってみましょう。
高い天井、大理石からできている床が光っています。入り口のところにフカヒレやツバメの巣などの乾物が飾られています。
レストランに入ってすぐのところに、ナビのフードアドバイザー、Foodyさんがレストランに贈った「魚翅大王」が飾ってあります。廊下を抜けると窓側の席が見えます。
20年以上ものフカヒレ料理調理の経験を持つヘッドシェフの陳卓華さんに、フカヒレの旨さの決め手を教えていただきました。
フカヒレはもともと味がないため、そのスープベースが旨さの素材です。中華ハム、新鮮な鶏など高級な素材で何時間も煮込んだスープを使用するのが一般的な作り方です。鶏は足が短いものにこだわっています。その方が鶏の味が濃厚なのです。ただ、ハムやお肉の味が濃厚すぎると、フカヒレの食感やスープを口に含んだときの味がよく分らなくなってしまい、逆に美味しくなくなるので、材料の分量も大事になってきます。また、作ったスープは10時間使わないと、お肉が変質し、味も酸っぱく変わってしまいます。ここはフカヒレの専門店ですから、時間のコントロールも簡単にできます。スープができて5時間以内のものをテーブルに出すようにしています。
陳シェフはフカヒレ以外の中華も得意としていて、数々の美食大賞を受賞しています。
では、お料理を出していただきましょう!
招牌紅焼大鮑翅 $228
日本人の間では姿煮として知られる種類のフカヒレ(3両=約112.5g)。この大鮑翅というのは扇のような形をしているサメの尾びれの部分を使用しています。「翅針」という針のような細長い繊維の間に薄い膜のようなものが付いています。ひれの食感軟骨を噛むときに似ていますが、それと同時に特有のゼラチン質が楽しめます。
一番高級だとされる「天九翅」(写真左)と2番目高級の「海虎翅」(写真右)もそれぞれ498ドル(112.5g)と388ドル(112.5g)。予算が合わないときは、もうすこし安めの散翅(サンチー)という繊維を一本一本ばらばらにほぐしたふかひれもあります。
28頭吉品鮑魚 $338
フカヒレと違いアワビは味があるため、使うソースもそれほど濃くなくていいのだそうです。専門店以外の店はアワビが新鮮でない場合があるため、老鶏と中華ハムから作ったソースの味を濃い目にしているそうです。このレストランではアワビの本来の味を生かすため、スープの材料の分量と作る時間に手間をかけています。
生抽皇中蝦 $120
中蝦を殻が外しやすいように揚げて、味付けに使う醤油は蝦の味にあう種類のものにこだわっています。殻がカリカリしていますので、頭の部分も食べられます。蝦のお肉も弾力があってプリプリです。
蝦子麒麟斑 $238
魚好きなナビのおすすめの一品。中国では高級魚とされるハタを1センチの厚さでスライスし、蝦子と一緒に軽く炒めたもの。柔らかい白身にピリッとした蝦子がマッチしています。ヘルシーな食生活を求めている香港人女性の好みに合わせ、ゆばやキノコなどもたくさん使っています。
金奨炸子鶏 $200(1匹) $110(半羽)
こちらは名前で分るように、香港政府観光局の料理大賞で金賞をもらったメニューのひとつです。丸ごと一匹の鶏を使用し、皮がカリカリするまで揚げています。蓮根がポテトチップスのようにからっと揚げてありますので、サクサク食べれます。熱いうちにどうぞ。
農家拍薑魚頭煲 $98
通常は生姜と葱で蒸したり、少量のソースで煮込んだりすることが多いですが、ここは濃厚なチキンスープを使って、魚の頭に味が完全に吸収されるまで煮込んでいます。魚の風味とチキンスープの絶妙なハーモニーが楽しめます。
魚翅城蛋散 $18
ここのデザートの名物メニュー「蛋散」で食事を締めくくりましょう。たまごから作った軽い揚げ菓子。うえにツヤツヤしているのはシロップ。うまく箸で取らないと粉々になっちゃうぐらいの柔らかさ。揚げすぎると焦げてしまうので、油の温度と時間などの調節などがとても大事だそうです。
いかがでしたか?上質なフカヒレ料理を良心的な値段で提供するのがこの店のモットー。香港に来てフカヒレ料理を食べようと思っている方、ぜひ行ってみて下さい。リクエストにより、もやし、椎茸や人参で作るベジタリアン用のフカヒレスープも用意されていますので、お肉を食べない人でもふかひれスープを楽しめるそうです。以上、香港ナビがお伝えいたしました。
※ メニューや料金はレストランの都合により変更となる場合があります。