香港の名前の由来となった漁師町、地元の人たちに混じって香港仔(アバディーン)を散策してみませんか?
こんにちは香港ナビです。今日は香港島南側にある漁師町 香港仔(アバディーン)をご紹介します。中環(セントラル)からバスで20分ほどのところにある香港仔は、山と海に挟まれた本当に小さな小さな町ですが、香港島南側にある町の中で一番にぎわっている場所と言っても決して言いすぎではないぐらい、いつも多くの人でにぎわっています。 「香港」という地名の由来になったといわれている「香港村」というのが、香港仔対岸にある鴨脷洲(アプレイチャウ)という島にあったため、その後この町を含めこのあたり一帯が香港仔(ヒョンコーンチャイ、アバディーン)と呼ばれるようになりました。
香港仔への行き方
中環エクスチェンジスクエアの階下にあるバス乗り場から70番のバスに乗り、アバディーントンネルを通過してしばらくしたら、左手に海が見えてきます。ここはアバディーンハーバーと呼ばれ、かつてたくさんの水上生活者が暮らしていました。バスは高架を越えてそのままアバディーンの町の中に入っていきますが、終点のアバディーンバスターミナルに着くまでちょっと辛抱してください。
街をぶらりと散策
バスを降りたらしばらく町を散策してみましょう。土曜日のお昼時だったのでものすごい人です。この町は香港島南側にある町の中で一番の商業町で、たくさんの会社、工場が工業、商業ビルに入っており、周りには新しいマンション、公団住宅がどんどん増えていて人口は増える一方です。ショッピングセンターやレストランなどもたくさんそろっているため、最寄りの住宅地から止ることなく人が入ってくるのです。香港島南区のモンコックみたいな場所ですね。
バスターミナルから、昔ながらのお店が軒を並べる通り東勝道(Tung Sing Road)を入って一本目の通りを左に行くと、HSBCが見えてきます。HSBCの向こうにはアバディーンセンターと呼ばれる高層住宅地があり、その真ん中に派手な門に挟まれた住民の憩の場、香港仔広場があります。
ここは昼夜問わずいつもたくさんの人が集まり、夜になると噴水の周りにも人がいっぱい座ってくつろいでいます。広場の両脇には香港でおなじみのお店、マクドナルド、KFC、吉野家などのお店がいろいろありますし、ショッピングセンター内にはトイザラスなども入っていて、香港中どこにでもあるショッピングセンターの一角といった感じです。
広場を通り抜ける反対側の門を出るとパークンショップスーパーストアがあります。このスーパーストアはかなりローカル色の濃い店ですが、お土産に適した面白いものが見つかるかもしれませんので是非のぞいてみてください。
街市を覗いてみよう!
右手に歩いていくと角にはアバディーンマーケットがあります。つまり公設市場 広東語で街市(ガイシ)と呼ばれる場所です。街市のタイプはいろいろありますが、ここの街市は衣食住すべて揃えられるスーパー街市です。ちょっとのぞいてみましょう。
エスカレーターを上がっていくと、衣類や生活にかかせない小物などが売られたお店が軒を並べています。冠婚葬祭グッズを置くお店、服屋さん、翡翠屋さんまであります。その後ろにはお肉屋さんや乾物屋などがごちゃごちゃに並んでいるところが香港らしいです。もう1フロア上がっていくと、日用品が売られている店と並んで水族屋と呼ばれる、金魚や熱帯魚など観賞用の魚を売るお店までありました。本当にここでは何でも揃うようです。この街市をのぞくことで、香港人の日常生活を間接的に垣間見ることができますよ。
一番下におりていくと今度は魚屋さん、八百屋さん、果物屋さんが入ったフロアがあります。見てください!香港の野菜の種類の多さはすごいでしょう。それに色とりどりの南国のフルーツがいっぱい。香港に15年も住んでいるナビ自身もこの種類の多さには興奮してしまいます。豆腐、もやしなど大豆関係の食べ物専門のお店、イカボールなどのつみれ専門店、そして新鮮なお魚がいっぱい並んだ魚屋さんがありました。お魚の種類もいろいろですよ。街市は本当に楽しいですね!
B級グルメの宝庫!
街市散策を楽しんだあとは、車の多い通り(Aberdeen Main Rd)を渡ると麺で有名なお店がありました。そして右手にいくと、香港のファミレスのようなレストランがありました。メニューを見ているととてもおいしそう。台湾のカキ氷も食べられるようです。
海の近くには必ずあるものが、ここにも
そのまま歩いていくと左手に天后廟(お寺)があります。香港仔は漁師町、かつて水上生活者もたくさん住んでいたエリアですから、漁師の安全を願った地元の廟があっても当たり前ですね。香港中、どこにでもあるタイプのお寺です。ナビは屋根の上に作られた細かい飾り物を見るのが大好き!こういうタイプのものは中国内でも多く見られますが、日本では見たことがありません。お寺の中は撮影禁止で写真は撮れませんでしたが、渦巻状の大きなお線香がたくさんぶらさがっていました。廟の中のひんやり感とお線香の香りがとっても気持ちを落ち着けてくれました。
古い街並みと高層ビルのコントラスト
街角には古い建物がまだまだ残っています。その反面、たくさんの高層住宅が町の周りにどんどん増えていきます。こういうコントラストがおもしろい場所です。
まだまだある古いお寺
廟関係はもうちょっと続きます。Aberdeen Reservoir Roadの交差点を渡って、昔ながらの小さな食堂や古い店を見ながら歩いていくと左に折れた先に何やら赤くてド派手なものが眼に飛び込んできます。よく見ると神棚のようです。それも陶器のド派手な神様がいろいろと祭られています。あまりにもキンピカでひいてしまいました。
坂道を登っていくと大きな木があり、その木を取り巻くようにここにも神棚が並んでいました。渦巻き型のお線香もかけられ、ちょっと怪しい木の上に作られたお寺のようです。
海を中心にしたローカルライフ
お寺を後にして、アバディーンハーバーに沿って続いている海の遊歩道へ行ってみましょう。遊歩道へ行くには道路下の連絡道を通っていきます。この遊歩道は、西洋人観光客の観光ルートに入っているようでいつもたくさんの西洋人を見かけます。朝からは地元の人が太極拳や各種エキササイズを楽しんでいるので、ほぼ一日中人でにぎわっている感じです。アバディーンハーバーは水上生活者で有名な場所でした。今でもその名残は残っており、漁船の上で暮らしている人、働いている人がたくさんおり、船船をめぐるサンパーンが何艘も行き交っています。
観光客相手のサンパンもあって、何故かかなり高齢のおばあさんが客引きにやってきて、結構しつこく誘ってくるのです。でも値段はちょっと高くてHK$50! 全部で20~30分ほどのコースですが、水上生活者、ジャンボレストラン、豪華クルーザーを見て回るにはうってつけです。
ナビは観光客向けのサンパンの代わりに、香港仔と対岸にある鴨脷洲を結ぶ渡し舟に乗ってみることにしました。鴨脷洲はメイン道路からずいぶん下に広がる町なので、香港仔に来るためには渡し舟を利用したほうがずっと早いので、一日中多くの人が渡し舟で行き来しています。運賃はたったのHK$1.8です。もちろんオクトパスでお金も払えます。
途中、西洋人の旅行者をたくさん乗せたツアー用のサンパーンともすれ違います。対岸に着いたら鴨脷洲を散策するのもよし、そのまままたお金を払って香港仔に戻ってくるのもよし、とにかくのんびりしたコースです。
海沿いの遊歩道
船をおりたら今度は遊歩道に沿って歩いてみましょう。ここはアバディーン魚市場で有名な場所なので、魚の干物などもたくさん売られています。
南Y島(ラマ島)の海鮮レストラン専用の船乗り場もありますし、南Y島行きのフェリーもここから出ています。
途中には小さな公園もありますので、お子様連れの方はここで休憩もできますよ。
遊歩道の一番端まで来ると、水上レストランへ行く船乗り場もあります。ちょうどお昼時だったため、ここから船に乗って水上レストランへ飲茶を食べに行く香港人がかなりの数いました。この船に乗ると無料で結構な距離周遊できますし、絢爛豪華な水上レストランの様子も見ることができるので、渡し舟よりおもしろいと思います。
中環セントラル(91番、71番)、アドミラリティー(90B番)、遠くは尖沙咀(チムサーチョイ)行きのバス(973番)もありますので、目的地にあわせてバスに乗ってください。ここからバスに乗ると香港島の西側をぐるっと回っていくため、都会の喧騒とはまた違った景色を楽しむことができます。海が見えるところもあり夕暮れ時はとってもきれいです。
香港仔の町は非常にローカルな場所ですが、お店やレストランは香港どこへ行っても見かけるものばかりです。ですからここで食事を楽しむべきではありません。ちょっと時間があったらバスに乗ってふらっとやってきて、地元の様子を楽しんだり、海風に吹かれながら散歩をする、そんな場所ですね。以上、香港ナビがお伝えいたしました。