世界各国から観光客が訪れる場所セントラル。このセントラル周辺で撮影が行われた金城武の映画のロケ地を歩いてみました。
こんにちは、香港ナビです。今回の映画のロケ地巡りは金城武編です!香港に興味を持つようになったきっかけに金城武の映画をあげる人も多いのではないでしょうか?好きな香港人俳優は?と聞かれて、「金城武!」と答えると、「彼は香港人じゃない。台湾人と日本人のハーフだ」と反論され、「でも彼は香港映画にたくさん出演してるし、広東語も話せるし。。。」なんてがんばってしまった経験のある人も多いでしょう。実はナビもそのうちの一人です。彼は香港人ではありませんが、香港映画で大活躍していることには間違いありません!今回はその金城武が出演した映画のロケ地を、主にセントラル(中環)中心にご紹介したいと思います。
ここ最近の金城武出演映画は日本で撮影された日本映画や、中国で撮影された中国映画だったりするので、今回ナビが紹介する香港映画はちょっと以前に遡りますが、当時のロケ現場の様子と現在の様子とを比較しながら紹介したいと思います。香港映画のロケ地で有名なのは何と言ってもヒルサイドエスカレーター。今や世界中から多くの観光客が訪れる観光スポットです。
まず
ヒルサイドエスカレーターまでの行き方です。MTRセントラル駅D2出口を出て右へ進みます。美心西餅店が見えたら左へ進みます。皇后大道中(Queen’s Road Central)を右に進むと100と大きく書かれたビルが左手に見えます。ここにあるエスカレーターを上るとヒルサイドエスカレーターにたどり着きます。
ヒルサイドエスカレーターとは
ヒルサイドエスカレーターは、1993年に完成しました。元々は、ミッドレベルから山頂にかけての高級住宅街に住む住人のために作られたものでしたが、様々な映画で使われ、世界中の人々に知られるようになってからは、香港を訪れる観光客も多く集まるようになりました。午前6時から10時まではセントラル方面へ向かう通勤客のためにエスカレーターは下り専用となり、午前10時から夜中の12時までは上り専用となります。このエスカレーターの始発点となるセントラルの皇后大道中(Queen’s Road Central)から終点となるミッドレベル区の干徳道(Conduit Road)までおよそ20分だそうです。皇后大道中から荷李活道(Hollywood Road)辺りまでは比較的古く、渋い雰囲気の建物が多く残っていて、その上のSOHOでは、西洋風の建物や、西洋を中心とした多国籍な料理を楽しめるレストランやBARなどが集まっています。それからSOHOよりさらに上へ上がると高級住宅街になり、お店の数も少なくなっていきます。
恋する惑星
このヒルサイドエスカレーターで金城武が登場する映画と言えば、彼の名を世界に広めたと言ってもよい映画「恋する惑星 原題:重慶森林(1994年、ウォンカーワイ監督)」ですよね。この映画で、フェイウォン扮する阿菲が、エスカレーター脇のアパートの部屋を覗き見るシーンでこのヒルサイドエスカレーターが使われたのはあまりにも有名ですね。
ラベンダー(薫衣草)
そのほか、主にヒルサイドエスカレーター周辺が登場する映画としては、「ラベンダー 原題:薫衣草(2000年、イップカムファン監督)」があります。2000年に公開された、金城武とケリーチャン主演の映画です。このコンビと言えば、「世界の涯てに」や、「アンナ・マデリーナ」に次ぐベストコンビですよね。この二人が共演してこそ映画が成り立つと言っても良いくらい息がぴったり合っていて、いつも二人の不思議な世界に引き込まれ、まるで自分も映画の中に入り込んでしまったような気分になってしまいます。この二人の映画を見ていると香港の普段のごく普通の生活を経験してみたくなりませんか?
「ラベンダー」で我が愛する金城武の役どころは、天使。アテナ(ケリーチャン)というアロマセラピストが恋人を不意の事故で亡くし、毎日泣き暮らしていたところ、突然金城武扮する天使がアテナの住まいのベランダに空から落ちてきたのです。天国に帰り損ねた天使、金城武の愛でアテナの心が癒されていくというおとぎ話のような温かいお話。この映画公開後、香港はアロマセラピーブームになったとか。
この映画の中で金城武が登場するのはこのヒルサイドエスカレーターがほとんどです。靴を履いたことのなかった天使である金城武が初めて靴を掃き、楽しそうにステップを踏んでいるのもこのヒルサイドエスカレーターです。
ここもラベンダーで使われました
|
|
たくさんの人が利用しています
|
ミッドレベルの周辺と、ヒルサイドエスカレーターより西側、セントラルと上環との境辺りまでをSOHOと呼ぶのだそうです。この名の由来は、South of Hollywood Roadの、頭文字を取ってSOHOと呼ばれるようになったのだとか。SOHOと言っても範囲が広いので、タクシーで向かう場合、Staunton StreetもしくはElgin Streetを運転手さんに告げると、わかりやすいようです。SOHOで撮影が行われた映画は、何度か香港ナビでも紹介しましたが、「傷だらけの男たち原題:傷城(2006年アンドリューラウ監督)」があります。
Staunton Bar and Cafe
士丹頓街(Staunton Street)でエスカレーターを降りるとすぐ右斜め前に見えるのがStaunton’s wine bar and café。ここの2階のテラス席でまさに金城武とトニーレオンが語り合うシーンが撮影されました。
太子台(Prince’s Terrace)へ
ここから更にエスカレーターを上がり、伊利近街(Elgin Street)を超え、その次の堅道(Caine Road)を超えると右手側に太子台(Prince’s Terrace)が見えてきます。
このお店が右手に見えたらエスカレーターを降ります
|
|
ここでエスカレーターを降ります
|
Café Lavender
|
|
アテナの家の向かいのCaféです
|
ここには先ほどご紹介した「ラベンダー」でアテナという名前で登場するケリーチャンの住まいとして使われたアパートがあります。セントラルからSOHOまでの間はたくさんのお店や住宅がひしめき合って立ち並んでいるため、いつも活気のある香港らしい忙しい街という感じです。でもこの太子台は香港独特の慌ただしい感じから少し離れ、この一角だけ静かで閑静な住宅街という雰囲気です。アテナの家として使われたアパートも含め、唐楼と呼ばれるいわゆる古い中国式の、低層の建物が並んでいるため圧迫感なくのんびりした雰囲気なのでしょうね。アテナの家として使われたアパートの1階や、そのお隣とまたそのお隣もアートギャラリーとして使われていて、アパートの向かいにはカフェがあるなどとてもおしゃれな雰囲気です。
合記士多
もう一つここ太子台で金城武が登場した映画があります。「恋する惑星」で金城武扮する警官233号が、長年追い続けた犯人を逮捕することができ、それを別れた恋人に報告しようと公衆電話で電話をするシーン。太子台すぐ横の合記士多という小さな果物屋さん。士多とは英語のストアを漢字に置き換えた表記。こういう小さな果物屋さんや、生活雑貨も売っている売店を未だに香港の街のあちこちでみかけますが、コンビニエンスストアなどが増えてきたためこういう昔ながらの売店は少なくなりつつあります。昔ながらのお店が少なくなっていくのは寂しいですね。
セントラル駅へ戻ってみましょう
ラベンダーのロケ地として気になる場所があります。映画の後半で、金城武とケリーチャンがとある工事現場のクレーン車に吊るされ、二人で夜景を見るシーンがあります。
この工事現場は、2007年に、再開発のために取り壊されてしまった皇后碼頭(Queen’s pier)のすぐ隣にあります。この地域は政府による再開発計画のため、長い間工事が続けられています。この映画が公開となった2000年の時点でも再開発のための工事が始められていて、未だに工事中なのです。政府の再開発計画によると、世界中から注目され、香港を象徴する魅力的な地域にするべく開発を進めているとのこと。完成するのはまだ先になりそうですが、ここがまた次の香港映画で使われる魅力的な場所になることを期待しましょう。
いかがでしたか?金城武の映画のロケ地巡りとしてご紹介しましたが、映画撮影当時の様子と現在の様子がだいぶ変わっていて、おもしろいと思う反面、以前の昔懐かしい雰囲気が少なくなってしまっていることを思うとちょっと残念に思う気持ちもあります。いずれにしても香港のまさに中心地、セントラルが多くの映画で登場し、世界中の人々に注目されていることには間違いないですね。みなさんもぜひ金城武の映画を見てから香港観光にいらしてください。またすでに映画を見たことがある方は、現在と以前の香港の街並みをぜひ比べてみてください。きっと1回目とは違った観点から映画を楽しむことができると思いますよ!以上香港ナビがお伝えしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2009-05-22