世界中から熱狂的なラグビーファンが集まる、香港が一番熱くなる3日間!今年はNZが優勝です!
こんにちは、香港ナビです。ラグビーといえば15人制が有名ですが、香港でラグビーといえば“7人制”。日本からも観戦ツアーが組まれるほど有名な香港セブンスが今年も3月28日から30日まで行われました。
15人制の約半分の人数しかいません
香港セブンスは、7人の選手が15人制のラグビーと同じ広さのフィールドで戦う競技です。人数が約半分で、大きくグラウンドを使えるのでラック、モール、スクラムといった「ごちゃごちゃ」とした人がたくさん集まっている感じではなく、パスをつないで選手がディフェンスの穴を見つけてそこを走り抜けていくラクビーが繰り広げられるのが特徴です。
雨にたたられることはありませんでしたが天候が良くなかったので、今年は昨年の夏のような気候とは違い選手への肉体的負担は比較的楽だったと思われます。一方でそれは技術力の違いや戦術理解度、チームとしての成熟度がより鮮明に現れてくる大会になったといえます。
みなんがクレイジーになる3日間
香港セブンスは、1年間で行われる香港のスポーツ大会の中で群を抜く規模で、世界各国に中継されています。プレスも世界中の国々からやってきてそれぞれの国にリポートしています。
香港では蘭桂坊(ランカイフォン)など歓楽街のスポーツバーなどは世界中のラグビーファンで埋め尽くされます。外国からきた外国人が「蘭桂坊はクレイジー」という位ですから、本当に盛り上がる香港最大のイベントなのです。
ということは、スタジアムの中はもっとすごいことになっているということです。特に南側にあるスタンドは、ラクビーを楽しむというよりも、ラクビーを肴にコスプレとビールを飲んで大騒ぎをする場所に変わっているといっていいくらいです。ちょっと“ご乱行”が多かったせいか2年前から18歳未満の入場が禁止となりました。座席は早いもの勝ちなので朝から日本の運動会のように場所取りのために長い列ができます。試合中の南スタンドは入場制限がかかるほど人気なので、何時間も並んでようやく入ることができるという、ある意味特別な場所です。南スタンドにいかれたら分かると思いますが、人の汗と大量のビールなどのせいでほかのスタンドよりも強いにおいがしているほどです。
サウス・スタンドは18歳以上
でないと入れません
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南スタンドだけはいつも満杯
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ここはカラオケボックス?それともアキバ?
ゲームとゲームの間、ハーフタイムの間には、いろいろな曲が流れて、スタジアムがカラオケボックスかクラブに変わります。とくにDJ Otziの『Hey Baby』の曲が流れたときはスタジアム全体が歌詞を大合唱。まるでヨーロッパサッカーのスタジアムのように声がこだまします(今年は、帰宅途中の酔っ払った観客が、道路上でHey Babyを歌っている光景もナビは見ました)。と同時に、コスプレ班は音楽が流れている時がもっとも大事な時間です。テレビや雑誌・新聞などのカメラマンに自分を何とか写してもらおうと、個性的な踊りをしています。とにかく、サウス・スタンドはにぎやかこの上ありません。
スポンサーになると
セブンスには、キャセイパシフィック航空、クレディスイスというタイトルスポンサーのほか、マイクロソフト、PCCW、コカコーラなどいくつもの企業が大会スポンサーとして名を連ねています。また、スタジアム内のVIP用の部屋を買って快適に観戦している企業の幹部もたくさんいます。そこの企業名も香港、世界の有名企業ばかり。南スタンドとはまた一味違った光景も見られます。ここで観戦するのが夢という人も大勢いるようです。
VIPルームのフロア
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コカコーラのプロモーションですが、日本人にとってはどうしても目玉おやじを連想してしまいます
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客を退屈させない
香港セブンスがイベントとして成功している理由は何でしょうか? 試合の面白さは当然として、客を飽きさせない努力があるからです。上記にも書きましたが、ディスコ状態にさせてしまう場内を流れる曲は、洋楽の中でも大人から子供まで知っているようなヒット曲ばかり。顔へのペインティング、グッズの販売ももちろんあります。サイン専用のゾーンもありますし、出場選手全員による入場行進なども観客と選手との距離をできるだけ近づけようとしているからです。選手もそれを理解しているからか、できるだけサインや写真撮影に応じようとしています。
セラヴィがチャイニーズ・タイペイのコーチに
今年も例年と同じく、日本以外にも、香港、準地元ともいえるイングランド、昨年の優勝国サモア、今年は無敗のニュージーランドなど、おなじみの代表チーム、24カ国・地域が香港スタジアムに集まりました。チャイニーズ・タイペイには、生ける伝説ともいえるワイセール・セラヴィがコーチに就任したこともあって同チームへの注目度は例年以上。
日本は勝ち星をあげられず
日本チームは、初戦の南アフリカ戦、2戦目のアルゼンチン、3戦目のロシアのいずれもちょっとしたミスから傷口を広げて3戦全敗となってしまいました。厳しい予選グループに入ったのは事実ですが残念な結果で、ボウルという予選下位チームによるトーナメントに出場することになりました。
トーナメントの初戦はなんと香港。アウェーですが、日本代表はアジアではナンバーワンという自負があるので勝利は確実と思われました。ところが、やはり大事な場面でミスが出て14対19と逆転負けを喫してしまいました。
香港のアレックス・ギブス・アシスタントコーチは「ジンバブエに負けたのは残念だけどアジアのナンバーワンセブンスチーム、日本を破ることができた」と前向きな発言をしていました。
したたかに強かったオールブラックス
大会ナンバーワンを決める、カップ戦に話を移しますと、“オールブラックス”ことニュージーランドが、守備力を背景に優勝を果たしました。予選から決勝まで6試合ありますが、NZの失点はわずか31点。1試合あたり5.1点と1トライを相手に与えるだけという安定した守備が優勝をもたらしました。圧倒的な攻撃力はないのですが、相手チームは攻め手がなくてさぞかし辛かったと思います。
決勝は、ニュージーランド対南アフリカとなりました。南アフリカはラグビー大国の一角を占めますが香港セブンスでは目だった結果を挙げていません。ただ、同国は昨年の15人制ワールドカップを制していて、これがセブンス代表に良い刺激を与えたと思われます。
ですが、試合はオールブラックスが常に先手を奪い、前半終了時で21対7とすでに絶望的な状況に。なんとか南アフリカは反撃を試みて、後半のロスタイムにトライを決めて26対12としましたが、実質26対7でオールブラックスが勝利したような決勝でした。
激しいタックルで負傷する選手も
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ロシアはボウルトーナメントで優勝
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いかがでしたか? 来年は日本の活躍を期待したいものです。以上、香港ナビがお伝えしました。
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記事登録日:2008-04-02