芸能人のステージ衣装デザインを手掛け、香港のファッション業界で活躍しているデザイナーをご紹介!
こんにちは、香港ナビです。摩天楼と大型ショッピングモールに囲まれ、免税だからこそ世界中のブランド品も安く手に入る香港ですが、一方で構想力豊かで、夢を叶えるために頑張っている地元のファッションデザイナーが多いのもご存知ですか?この土地で生まれ育った香港人デザイナーがどのようにこのデザインの道を辿ってきたのか?彼らにとってファッションとは何なのか?今回ナビは、香港で生まれ育ったファッションデザイナーをインタビューしてきました!
今日はファッションデザイナーのインタビューで「SPY」のファションデザイナーヘンリー・ラウ(Henry Lau)さんのショールームを訪れました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ヘンリーさんは香港ファッション業界で活躍して10年になり、芸能人のステージ衣装まで手がけており、とても人気のあるデザイナーなんです。では早速ヘンリーさんの仕事場とショールームへ侵入して、デザインの世界を拝見しましょう!
ショールームに入ったら、お目にかかるのはずらりと並んでいる有名人やファッションショーの写真です。一番ど真ん中においてあるものはなんと、香港ビッグスターのアニター・ムイ(Anita Mui)さんのコンサートの写真です。彼女が着ていている衣装がもちろん、ヘンリーさんによるデザイン。ほかにもレスリー・チャン(Leslie Cheung)、ハッケン・リー(Hacken Lee)、デニス・ホー(Denise Ho)などの超有名芸能人の衣装を手がけてきました。
ショールームのあちこちに飾っているものは、イギリスの古いお城をモチーフにした、ファッションパーティーでモデルさんたちに着せた服装と使った道具です。このショウルームの一部はこれからはギャラリーの展示会場にも使われるそうです。電話で予約しておけば、ショールームの見学も可能なんです!
早速、ヘンリーさんのインタビュー開始!!!
~The Interview~
数学家庭に育てられた芸術家??
「僕は大家族で育てられて、兄弟は兄4人と姉3人。僕は一番下なんです。両親を含めて家族全員が数字に関係がある仕事をしていまして、両親はもちろん僕を同じ道を歩ませようとしました。でも僕は正反対で絵を描くことが好きだったのです。画家になる夢を持っていて、中学校の時に文系の美術を専攻することにしました。その時はもう、両親にすごい怒られて…」
家族に支持されなかったヘンリーさんは、美術学校の奨学金に受かり、両親に反対されながらも美術の勉強を続けました。
「そのときは学校先生や同級生に認められ始め、学生服のセーターやタイピンなどのデザインまで頼まれていました。今でもたまに僕のデザインを着ている母校の後輩たちを見ると、懐かしい気持ちになります(笑)。」
デザインの道へ向かう強い決心
両親の反発にもかかわらず、迷わずにこの道を進もうと思っていたヘンリーさんは、両親に「もし理工大学のデザイン学科に入れたら、数字の勉強と縁を切る。」と言い切りました。そして、何と大学に受かり、デザイナーの生涯が始まったのです。
「理工大での最初の2年は、デザインの基本を学びました。絵を描いたり、素描、油画、撮影、インテリアとファッションデザイン、あらゆる分野を少しずつ勉強してきました。そのコースでは学生の思考過程が大事とされ、出来上がったもの(結果)はあまり重要視されていなかったので、僕らは大胆に創作することができたのです。理論とかも全然なくて、朝から晩までプロジェクト作業。個人の思考回路を鍛える練習だったんですね。それで、僕はスケッチブックに毎日見たものを記録していました。大学3年目に入って、ファッションデザインを専攻することにしました。なぜなら、ファッションとは社会の縮図で、そこに住んでいる人たちの生活を反映しているものだから。人がいるところにはファッションが生まれてくるからです。」
East Meets West
香港というところはコスモポリタンのイメージがあり、西洋と東洋がミックスされたファッションが創りだされています。
ヘンリーさんは映画、音楽、本、芸術などいろいろな媒体からスピリッツを与えられています。日本の本も時々参考にしているんですって。
「中国のカンフー、日本の着物、西洋の宮廷服などの要素が自分のコレクションに現れますが。デザイナーがよく遭遇する問題は、たくさんのアイディアからいかに自分らしさを出すか、ということだと思います。やっぱり試行錯誤していたかないと分らないことが多い。自分の今まで作ってきたシリーズの中からぜったい今後シリーズに残したいもの、なくしてもいいものというのが出てくるんですよ。」
West Meets East?
「西洋人のお客さんは結構僕のデザインを気に入ってくれています。中国やアジアの要素が入っているからだと思います。みんな、それぞれ自分と違うものを求めているから、東洋の人、日本、韓国、香港などの国は西洋のファッションに憧れる傾向があるように思います。逆に西洋人は東洋のものを憧れるように、私のデザインももし西洋の舞台でデビューしたら、逆に東洋人にも受けられるじゃないかと。ビビアンタムなどのデザイナーみたいに…そういうところに工夫が必要じゃないかと思って…今香港で4店舗、それから中国(上海、北京、広州)、オーストラリア、カナダ、台湾、クウェート、ドバイ各地にSPYのアウトレットがあるんです。やはり人気がある欧米ブランド並みに出店したいですね。欧米でショーをやることで香港のデザインをもっと海外にプロモートしようと思います。」
さて、ヘンリーさんのショップにも入らせていただきました。彼の独特なデザインを思う存分ご覧ください。
Tシャツ、シャツ、ジーンズ、水着などが揃っています
華やかなステージ衣装ももちろん
カバン&アクセサリー
いかがでしたか?東洋と西洋のファッションを融合するファッションは香港らしさが出ていいますね。香港へ旅行しにくるときには、「Made in Hong Kong」を一枚でも買って帰りましょう。以上、香港ナビがお伝えいたしました。