ショッピングモールや免税店には絶対売ってない!安くてキッチュな掘り出し物のお宝&おみやげを散歩気分で探しに出かけてみましょう。
ネイホウ!香港ナビです。
1997年に香港がイギリスから中国に返還されたことは多くの人がご存知だと思います。しかし実際の香港はというと近代的なビルが多く建ち並び、何となく頭でイメージする「中国」とはかなりかけ離れているのでは?おまけにお土産も洗練されたデザインの物が多く、ベタなチャイナテイストの品物を探している人はきっと物足りないと思っているはず。
そこでおすすめなのが摩羅上街、通称・キャットストリートです。ここには高価な骨董品やそのレプリカをはじめ、一見するとゴミとも思えるような品物までがぎっしり詰まっています。まるでおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがある道、それがキャットストリートなのです。
===== 目次 =====
●キャットストリートの由来は「ねずみ」?! まずはを簡単に歴史をお勉強しましょう
●摩羅上街(キャット・ストリート)への行き方
●キャットストリート歴20年の達人に聞いた、キャットストリートの楽しみ方
●お待たせしました!それではどんなお宝があるのか、早速見てみましょう
●覗いてみる価値アリ!のおすすめショップ3軒
●キャットストリートでの値切り交渉について
●歩き疲れたらちょっとひと休み
●せっかく来たんだから、近くも散策してみましょう
●キャットストリートの由来は「ねずみ」?! まずは簡単に歴史をお勉強しましょう
「摩羅」とは、香港人がインド人を指す言葉です。当時この付近には警察署があり、多くのインド人も警察官として働いていました。その関係上、このあたりにインド人コミュニティができたことから、やがて摩羅街と呼ばれるようになったそうです。
ではなぜこの道がキャットストリートと呼ばれるようになったと思いますか?その元となったのはナント「ねずみ」なんです。1920年代くらいまではインド人がこのエリアでアンティークや中古品を売っていたのですが、その後はマーケットが広がって盗品を売る店がたくさん出てきたそうです。香港では盗品を「ねずみ商品」と呼ぶことから、それを買うために群がる人たちを「ネコ」に例えるようになり、やがて「ネコが集まる通り」ということでキャットストリートと呼ばれるようになったのが由来とか。どうです?おもしろいでしょ?
ちなみにこの通りの英語名の「Lascar」とは、イギリス軍に属するインド人のことです(この地域に度々訪れた無法なふるまいが評判だった東インド諸島の水夫、との説もあり)。現在は警察署はなく、また売られている商品は当然ながら盗品ではないのでご安心あれ。
●摩羅上街(キャット・ストリート)への行き方
●キャットストリート歴20年の達人に聞いた、キャットストリートの楽しみ方
摩羅上街自体は200メートルほどの短い通りで、そのまま冷やかすだけならものの10分もあれば見終わってしまいます。せっかくここまで来たのなら、少しでもこの通りを楽しみたいもの。そのための秘訣を、キャットストリート歴20年の達人に聞いてみました。ぜひ参考にしてください。
■□■楽しみ方その①■□■
ここではアンティークを買おうと思うなかれ摩羅上街の両脇には、れっきとしたアンティークを売っている店も並んでいます。でも本当にアンティークを買いたい場合は一本上のハリウッドロードや、ほかの専門店の方がずっといい商品が買える可能性があるので、よほどの知識がある人以外は別の場所で買うことをおすすめします。
■□■楽しみ方その②■□■
「チャイナ」なお土産を買うのにはぴったり例えば西洋人がイメージする和風のように、ここには香港のほかの場所では探せないような、日本人が頭に思い描いている「チャイナテイスト」の品物がぎっしり詰まっています。ちょっとレトロなものから、ばらまき用まで、まさに「これっ!」といった理想のアイテムが必ず見つかるはずです。
■□■楽しみ方その③■□■
買い物だけでなくフォトスポットとしても最適カラフルな雑貨やごちゃごちゃした品物など、何気なくシャッターを押すだけで絵になってしまう品物がたくさん集まっているのもここ。特に天気のいい日は自然光がさらに雰囲気を盛り上げてくれます。ただし、お店によっては撮影禁止の張り紙があったり、撮影を快く思わない人もいます。写真を撮る前はひと言断るのがマナー。
■□■楽しみ方その④■□■
むやみやたらに値切らない露店での買い物の醍醐味のひとつは「値切り」。もちろんここでも値切るのは普通ですが、何でもかんでもただ値切ればいいというものではありません。例えば20ドル程度の商品を値切るのはお店に対しても失礼になります。その場合は、「多く買うから少し安くして」などの交渉をするとか、言い値で買うのがスマートです。
●お待たせしました!それではどんなお宝があるのか、早速見てみましょう
■□■こんなのを探してた!「チャイナテイストグッズ」編■□■
■□■ちょっとチープっぽいけどそれが魅力。「レトログッズ」編■□■
■□■これはもはやクズ? いえいえ、人によっては超お宝です。「マニア」編■□■
あえてノーコメントです(笑)。写真をクリックすると拡大表示されますので、キャットストリートに行ったつもりになって、これらのガラクタの山からあなたにとってのお宝を探してみてください。よぉ~く探せば、何かしら気になるものが見つかる…かも?!
●覗いてみる価値アリ!のおすすめショップ3軒
■二根行樓梯街側の通りから入って少し歩いた左側にあります。色鮮やかなランタンとアンティーク風の壁掛け時計を目印にしてください。ちなみに手前にあるお店も同じお店。写真を見ればわかるように、人懐っこい笑顔が素敵なオーナーの沈(サン)さんと、もう1人のパートナーがそれぞれお店を受け持っています。
このお店で目を引くのが、何と言っても美しい色合いの木箱たち。ついつい何個かまとめて買いたくなってしまいます。またお店の向かい側に置いてあるレトロな目覚まし時計もこのお店の商品(置いてない場合は、沈さんにお願いすれば出してくれますよ)。こちらも思わず欲しくなってしまう一品。お値段は1個200ドルほどで、直せるものはきちんと修理してあるそうです。
営業時間:11:00~18:00
■長城藝行二根行のほぼ正面にあり、主に茶器を扱っています。キャットストリートには似たようなお店がたくさんありますが、このお店はほかとは一線を画したデザインのもの多いのが特長。特に女性的なやわらかい絵柄に関してはダントツ、実際に買っていくのは女性のお客さんがほとんどで、日本のお客さんも多いとか。
もちろん本物のアンティークも売っていますが、中には中華民国初期のレプリカも置いてあります。何百万、何千万円もする本物ではとてもお茶は飲めませんが、レプリカなら気軽に使えますよね。
営業時間:10:00~18:30
■幸福玩具店キャットストリートと交差している東街を下がった左側にある1坪ショップ。懐かしいおもちゃからデッドストックまで、おもちゃのことなら何でもお任せ。ブリキやセルロイドのおもちゃなど、今ではほとんど見かけなくなった懐かしい商品が並んでいます。
オーナーの荘さんは若いのにまるでおもちゃ博士。それぞれのおもちゃについて熱く語ってくれます。またおもちゃに対する思い入れがとても強く、何でも本まで出したとか。例えおもちゃに興味がなくても、ついつい見入ってしまうお店です。
営業時間:12:00~18:00
●キャットストリートでの値切り交渉について
香港ではキャットストリートに限らず、露店などではある程度の値引き交渉をするのが一般的で、また香港での買い物の醍醐味でもあります。しかしながら値引きにあまり慣れていない日本人のこと、値引きの加減もわからないことも多く、ついついむやみやたらに値引きをしたり、無謀な値段を提示したりしがち。同じ買い物をするなら、買う側も売る側も納得できるような値段交渉をしたいものですよね。
ここでは値引きのコツをお教えします。ただしあくまでもこれは参考であって、品物や場所によって異なるのでご注意ください。
●お互いに気持ちのいい値段交渉を冒頭でも少し触れましたが、ものすごく安いものまで値切るのは考えもの。売る側もまったく値引きに応じないわけではありませんが、同じ値切るなら「x個買うから端数は負けて」とか「x個買うから1個サービスしてね」というように交渉した方が、お互い気持ちよく買い物ができます。
●おもしろ半分の値切りはやめましょう気になる商品がある場合や、値段の相場を知りたいのならともかく、まったく買うつもりがないのであれば値切り交渉をするのはやめましょう。お互いに時間の無駄ですし、何よりお店の人に対して失礼になります。
●値切り交渉は言い値の半額程度からキャットストリートでは、まず言い値の半額くらいから値引き交渉を開始すれば、大概の場合言い値の75%程度で交渉成立します。例えば言い値が100ドルなら75ドル程度が妥当。
●要は、自分にとってその値段を払う価値があるかどうかキャットストリートで売られている商品のほとんどは、値段があってないようなものばかり。ですから大切なのは値段の高い安いではなく、その商品が自分にとってその金額を払う価値があるかどうかです。お金を払う前にもう一度考えてから最終決定をしてください。
●歩き疲れたらちょっとひと休み
■MAN MO Cafeフォアグラ小籠包、トリュフ餃子などフュージョン系の点心も楽しめるカフェ。もちろんケーキやデザートなどもOKです。歩き疲れてひと休みしたいときや、小腹が減ったときに利用するといいかも。
キャットストリートという場所柄にふさわしくギャラリーも併設、店内もゆったりした感じです。また近所に住む西洋人が集まることから、英語はまったく問題ないので安心して入れます。
住所:摩羅上街40號
電話:2644 5644
営業時間:12:00~0:00(平日15:00~18:00は休み)
■華樂氷室 キャットストリートと東街が交差した所にあるローカル系の喫茶店。サンドイッチなどの軽食も食べられるほか、時間帯に合わせてお得なセットメニューもあります。おすすめは香港式ミルクティーとフレンチトースト。
多くのお客さんでいつも賑わっており回転が早いので、のんびりとくつろぐにはちょっと不向きかも。
住所:東街16號
電話:2543 9559
営業時間:7:00~18:00
①ハリウッドロード(荷李活道)こちらは正真正銘のアンティーク通り。セントラルの名物エスカレーターのあたりからキャットストリートのある上環まで、実にさまざまなアンティークを売るお店が並んでいます。
興味のある人は1軒1軒覗くのもよし、そうでなくてもショーウインドウを眺めるだけでも結構面白いですよ。
時間に余裕があれば、ハリウッドロードを冷やかしながらキャットストリートに行くのもいいかもしれませんね。
②文武廟1847年に建立された廟で、名前から見てもわかるとおり文武両道の神様を祀っています。この香港最大の文武廟は、かつては官僚登用試験の合格を願う若者たちがお参りしていたそうです。中には巨大な蚊取り線香のようなお香が数多く炊かれ、煙でモクモクとしていますが、足を一歩踏み入れると何となく心が落ち着きます。
キャットストリートと目と鼻の先にあるので、ついでにぜひ訪れてみてください。
③香港中華基督教青年會必列者士街會所かつて香港YMCAの本部だった建物で、1918年に建てられました。一見するとレンガ造りで西洋風ですが、随所に中華テイストを感じます。残念ながら部外者は中には入れませんが、天気のいい日には結婚用の写真を撮りに多くのカップルが訪れることから、その雰囲気のある外観はお墨付き。
場所は文武廟横の階段を上ったすぐ右側にあります。
④香港医学博物館こちらもレンガが美しい歴史ある建物で、かつては香港で最初の細菌学研究所でした。現在は医学をテーマにした香港唯一の博物館です。
さすが医学というだけあり、展示内容は正直見ていてあまり気持ちのいいものではありませんが、香港の医学の発展を知る上での貴重な展示でもあるので興味のある人はぜひどうぞ。
そうでなくてもこの美しい外観や、昔の西洋を思わせる建物周辺の環境を見るだけでも十分に価値がありますよ。
⑤太平山街周辺
最近注目のスポット。おしゃれなカフェやセンスが光る小物を売る雑貨屋さんをはじめ、ブティックやギャラリー、インターナショナルなレストランなどが古いビルにしっくり溶け込んでいます。またこのエリアは緑が多く、静かな環境なので、とてもここが賑やかなセントラルのすぐ隣にあるとは思えないほど。
現在も西洋人が多く住むエリアですが、植民地になった当初からも多くの外国人が住んでいたことから、この周辺は建物や街並みも独特な雰囲気があります。ぶらぶらと歩くにはもってこいの場所ですよ。
いかがでしたか?
うまくキャットストリートの魅力が伝わりましたでしょうか。ガラクタとかアンティークに興味のない人にとっては行くだけ時間のムダ~!なんてナビも正直そう思っていましたが、ところがどっこい、気が付いたら時間を忘れて掘り出し物を一生懸命探しているナビがそこにいました(笑)。
もちろん面白いものを見つけても買わなくてもいいんです。でもその戦利品を見ながら、一体どんな人がどんな環境で使っていたんだろう?当時の人はどんな感じだったんだろう?なんて思いをはせるだけでも十分に楽しめますよ。みなさんも、ぜひ空想(妄想?)の世界に浸ってみてください。
以上、香港ナビがお伝えしました。