深水ポーにほど近い、山の中にあるカントリーパーク。野生の猿が多く生息していることで有名で、いたるところでかわいらしいサルの姿を見ることができます。
こんにちは、香港ナビです。高層ビルが立ち並ぶ香港ですが、市街地から少し足を伸ばすと、緑豊かな自然がたくさん残っています。政府によって整備されたハイキングコースも多く、週末には地元の人々で山は賑わいます。観光目的で香港に来ているのに、山へハイキングに出かける、なんて方はあまりいないとは思いますが、今日ご紹介する金山にある金山郊野公園は、野生の猿を間近で見ることができる香港で唯一のカントリーパーク。しかも深水ポーからバスでたったの15分という便利さですので、観光客でも十分に楽しめる公園です。
金山郊野公園
金山郊野公園は九龍半島の北に位置する山の中にある、337ヘクタールの小さなカントリーパークです。公園内には、九龍内の主要貯水池のうち4つがあり、山の緑と空の青色のコントラストの中に貯水池の水色がよく映える、美しい景色を楽しむことができます。4つの貯水池は、1910年に新界で最初に作られた九龍水塘のほか、石梨貝水塘(1952年完成)、九龍接收水塘(1926年完成)、九龍副水塘(1931年完成)といずれも古いものばかりです。
地図内緑のエリアが金山郊野公園
1976年に香港で最も早い時期に指定されたカントリーパークの一つで、九龍の市街地に一番近い公園としても知られています。また、公園がある金山には戦争当時の塹壕が残っている場所もあるそうです。公園内にはトレッキングコースが整備されており、ポイントごとに掲示されているルートマップで、難易度や距離を選びながら山歩きをすることができます。
行き方
市街地から最も近いカントリパークなだけあって行き方は簡単。今回ナビは深水ポーからバスで行きましたが、金山郊野公園を通るバスの1つ(九龍バス81番)は、始発の佐敦から旺角、太子、深水ポーを経由しますので、最寄りのバス停から乗車してください。
深水ポーのバス停は、香港で一番有名なパンのブランド「ガーデン(嘉頓)」の工場の裏手にあります。このバス停には、金山郊野公園が隣接する大埔公道を通る九龍バス72、81、86Bが停まります。ここからバスに乗って「石梨貝水塘」で下車します。約10分ほどで着きます。
深水ポー駅を出て欽州街を西へ進むと嘉頓の大きな工場が見えます
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工場の裏手の坂道を上がります
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モンキーヒル
バス停を降りると目の前は、金山郊野公園の入り口です。ここから猿だらけです。木の上、休憩所の屋根の上やベンチなど、体長50センチほどの小型の猿があちこちにいます。小さな赤ちゃんも多く、動物園の猿の小屋の中にに入り込んでしまったかのようです。
ここに生息する猿の多くは、ニホンザルによく似た「アカゲザル」です。人間慣れしていて、山道を歩く人々にはまったく驚きません。香港に生息していた野生の猿たちは、開発に伴う自然破壊や大量に狩猟された結果、ほぼ絶滅しました。ですから、この山にいる猿たちは、もとはペットとして飼われていた猿なんだそうです。現在香港に生息する2100頭の猿のうち、1800頭がこの金山郊野公園に生息しているということから、この一帯がモンキーヒルと呼ばれているのです。
猿は金山郊野公園の入り口から、バス停に一番近い九龍接收水塘の入り口あたりまでにたくさんいます。それより奥に行ってみましたが、猿はほとんどいませんでしたので、ハイキング目的でなければ、九龍接收水塘まで30分もあれば十分です。また、九龍接收水塘までは観光客が多く、このあたりまでであれば、特に山歩き用の服装をしなくても大丈夫そうです。(ナビが行ったときには、ハイヒールにミニスカートの女の子たちも歩いていましたよ。)
せっかくだからもう少し歩いてみたい、という方には貯水池の周囲を歩く手軽な山道もあります。
金山郊野公園の入り口には、猿に出会ったときの注意事項のポスターがあります。野生の猿ですので、驚かせると威嚇されたと思い、人間を襲うこともあります。過去に怪我人が出たこともあるとのことですので、皆さんくれぐれも注意してください。特に、赤ちゃんと一緒にいる猿には気をつけてくださいね。
猿に出会ったときの注意事項1 猿にエサを与えない。
2 猿を驚かさない。
3 猿に近づかない、猿から子供を遠ざける。特に赤ちゃんがいる猿に注意。
4 大きな音を出さない。
5 猿の目を見つめない。
6 猿の目の前で食べ物を食べない。
7 透明のポリ袋を持たない。
いかがでしたか?コスモポリタン香港らしからぬ、野生の猿を間近で見ることができる金山郊野公園。かわいらしい猿たちはもちろんのこと、貯水池の景色も非常にきれいです。香港の郊外に行ったことのない方や香港在住者にもおすすめです。以上、香港ナビがお伝えいたしました。