歴史ファン必見!中国歴代皇帝の好物料理が食べられるレストラン。
こんにちは、香港ナビです。今回は灣仔(ワンチャイ)のキングス・ホテルの1階に入っているちょっと珍しいチャイニーズ・レストランをご紹介します。どこが珍しいのかと言うと、メニューが「満朝御膳」といい、清の時代の皇帝たちが宮廷で食べた好物料理が食べられるのです。では、さっそくご案内しましょう。
キングス・ホテル(王子酒店)入口。はいって左手にエレベーター・ホールがあります。「1」を押して1階へ。
エレベーターをおりたらそこがレストラン「満朝御膳」。
トーン・ダウンした赤っぽい照明がちょっと不思議な雰囲気をかもし出しています。
歴代中国皇帝の絵が飾られていました。
7~8名ほどのグループでワイワイと食事したくなるプライベート・スペース。
ここで、ちょっと中国史の勉強です。
清朝(清時代の王朝・Qing Dynasty)は、満州族が北京に入城した1644年から1912年まで中国を支配した最後の統一王朝です。映画ラスト・エンペラーの舞台になった北京故宮(旧称は「紫禁城」)はこの清朝の歴代皇帝の皇宮として使われた世界最大規模の皇宮です。 その約250年間に北京の料理は大いに発達しました。
この歴代皇帝の名前を暗記しておくとメニューを選ぶ時に参考になります。
初代:太祖努爾哈赤(ヌルハチ)
2代:皇太極(ホンタイジ)
3代:順治帝(ジュンジ)
4代:康煕帝(コウキ)
5代:雍正帝(ヨウセイ)
6代:乾隆帝(ケンリュウ)
7代:嘉慶帝(カケイ)
8代:道光帝(ドウコウ)
9代:咸豊帝(カンホウ)
10代:同治帝(ドウチ)
11代:光緒帝(コウショ)
12代:宣統帝(セントウ)ラスト・エンペラー
メニューの一部をご紹介
日本語はありませんが、英語が併記されています。 2ヶ月に一度は必ず新しいメニューが登場。
御膳
広東語では「ユウ・シン」と発音します。これらは本当に皇帝の食卓に並んだメニューで、各時代の皇帝の好物だったという由来のあるものばかり。歴代皇帝の生活に思いをはせながら食事してみるのも一興ですね。
玉液羊排(雍正御膳)HK$148
羊の肉が一番の大好物だった雍正帝のためにチーフ・シェフの関福貴が特別に考案したメニュー。スープの白は牛乳。銀杏、湯葉が入っていて栄養満点。
康煕賜食 HK$158
康煕帝が兄弟のように親しくしていた大臣に、自分が食べて美味しかったので、大臣にも食べさせたことからこの名前がついたのだそうです。
鶏肉、しいたけ、たけのこなどが入っていて、しっかりと濃い目の味付け。
付け合せの薄いパンに包んでいただきます。
シェフのおすすめ料理の中から
焼肋骨條 HK$128
満漢全席のメニューのひとつでもある料理。スペア・リブのバーベキュー。
甘辛のバーベキュー・ソースがたっぷりとかかったワイルドな一品。
仕上げにアルコールをかけて火をつけてさらに香ばしい焼き色をつけます。赤い炎がご覧いただけるでしょうか?
紅娘自配 HK$108
紅娘というのはお嫁入りする娘のことで、当時は22歳を過ぎると自由にお嫁にいくことが出来ることになっていたので、このメニューを出すとそろそろ娘がその年齢に達しているということを親に再確認する意味があったのだそうです。
エビのフリッターのように見えますが、 中には豚肉のミンチも入っています。甘酸っぱいソースをつけてどうぞ。
いよいよデザート
どれも甘さ控えめで、ヘルシーな素材が使われています。
格格食 HK$48
格格(コッ・コッ)はプリンセスの名前で、彼女の好物だったのでメニューにこの名前がつきました。 スイート・コーンを粉で固めて焼いたパン・ケーキの上に、ドライ・フルーツのトッピング。ヘルシーでやさしい甘さ。小さいお子様にもぴったり。
糯米御前一品 HK$48
カボチャの揚げ饅頭ゴマまぶし。 中に甘いココナッツが入っています。
拔絲鮮奶 HK$68
飴の糸に包まれているのはふんわりとしたミルクのムースのてんぷら。絶品です。
甘党のナビはもちろん、この3品とも試食させていただきました。あー、幸せ~。
お洒落なお茶のプレゼンテーション。
ガラスのクリアなポットとカップがとてもきれい。
今日出していただいたのは、マイルドなハーブ中国茶、「桂花・苦瓜茶」で、キンモクセイと干した苦瓜の入ったお茶。
ナビの取材に協力していただいたスタッフのご紹介
今回ひとつひとつのお料理を説明してくださった、マネージャーのピエールさん。図書館などにも足を運んで歴代皇帝の食に関する資料を集めて、新しいメニューの開発をしているのだそうです。
お料理を用意してくださった呉シェフ。下の写真のすばらしい技をご覧ください! これは料理ではなくもはや芸術作品ですね。
カボチャの彫刻は呉シェフの作品。最近このような技術を持ったシェフはだんだん少なくなっているのだそうです。
人参を彫刻して作った塔も呉シェフの手によるもの。お客様の中には写真を撮って帰られる方もいらっしゃるそうです。
いかがでしたか?今度はもう少し中国の歴史を勉強してからお料理を味わいたいと思いつつ、ナビがお届けいたしました。