香港の中心地、中環(Central)のスタンダード・チャータード銀行の地下にある2014年にオープンした中華レストラン
みなさんこんにちは、香港ナビです。香港にある中華料理店はまさにピンからキリまでという言葉がぴったりあてはまるほどいろいろなレストランがあるんですが、ここは、その内装の豪華さと本格中華が味わえることから、ちょっと特別な時に非常に重宝するレストランです。
中環駅K出口から徒歩で数分
お店への行き方を説明しましょう。MTR中環(Central)駅K出口に向かいます。この出口はプラットホームからはちょっと遠目です。K出口を出ると右手に太子大廈(Prince Building)というのが見えますが、その間にある道を通り正面に見える香港上海匯豊銀行(HSBC)の本社に向かいます。するとトラムのある道路が現れるのでそれを渡り、すぐ右に曲がります。数十メートル歩くと左手にMott 32が入っている渣打銀行(Standard Chartered Bank)に到着します。階段を上って入口に入ります。さらに銀行の奥に行くと左手にMotto 32の入口が出て来ます。地下に向かうエスカレーターに乗ればレストランに到着します。
従来の高級中華料理店のインテリアとは異なるデザイン
店に入った瞬間に、インテリアの豪華に驚くかもしれません。地下にありますが、天井が広く開放的でもあります。事実、店の大きさは7500平方フィートで座席数は170ある大きな店です。
コンセプトは「和洋折衷」ならぬ「中洋折衷」。中国と西洋のテイストをうまく組み合わせたデザインになっています。特に5つある個室にそれがよくあらわれていて、無数の筆をつるした部屋があったりします。また、昔の秤といった骨董品が置かれていたり、中国の刺しゅう、トイレですら昔の雰囲気を醸し出すほど徹底したデザインになっています。デザイナーはハワイ生まれで香港にルーツを持つアメリカ人、Joyce Wangさん。ロンドンと香港に事務所を構えていて、香港では、ランドマーク・マンダリン・オリエンタルホテルなどのデザインも手掛けています。写真を観てもわかると思いますが、相手との特別な日の祝い、デート、ビジネスの場所としても使えるレストランだと感じる事が出来るかと思います。
「Mott 32」の由来はニューヨークの32 Mott Streetに1891年に中国人が初めて雑貨店を開いたそうで、そこからチャイナタウンが形成されたので、それにちなんで名づけられました。
36年の経験を誇るシェフが厨房を仕切ります
グループ内の中華料理の責任者である李文星シェフ
この店の料理を仕切るのが李文星グループ中華料理エグゼクティブシェフです。Motto 32はMaximal Conceptsという会社が運営していまして、Motto32以外にも別形態の中華料理店も経営しているほか、Motto 32が現在、海外進出を勧めていてバンコク、ドバイ、バンクーバーにも店を構えています。この中華料理部門全体を仕切っています。李シェフは、最初は茶餐庁という香港人が良く訪れる食堂のような庶民的なレストランからキャリアを始めたたたき上げのシェフです。「心から作る事、全力を尽くす事という、基本的な事ですがこれが一番重要だと思っています」と話してくれました。人間、どうしても手抜きをしたくなるのが性ですが、それをしないようにしています。中華料理以外もあちらこちらのレストランに出かけたり、雑誌をみたり、インターネットで料理の研究を常にして、新しい料理のアイディアを常に探しています。
世界中の食材を伝統的な広東料理の調理スタイルで食べる
醬烤三弄和牛肋骨(Crispy Triple Cooked Wagyu Beef Short Rib)
料理は広東料理ですが、伝統的なスタイルで調理をしています。ですが、食材は世界各地から取り寄せて中華料理の落とし込んでいくもので、そう言う意味ではこちらも「中洋折衷」の料理となっています。
具体的にメニューをみていきましょう。「醬烤三弄和牛肋骨(Crispy Triple Cooked Wagyu Beef Short Rib)」(550ドル)は、和肉のリブをまずフライパンで焼きます。そして、24時間かけてじっくりと焼き上げます。そして中を柔らかくするため10分蒸します。仕上げに、外をパリパリにするため10分間オーブンで焼くという手間暇がかかった一品です。上には玉ねぎなどがかかっていますが、ゴマの風味が非常に効いていて牛肉の味を引き出しています。
「蜜汁頂級西班牙黑毛豬叉燒(Barbecue Pluma Iberico Pork, Yellow Mountain Honey)」(295ドル)は、スペインのイベリコ豚を専用の釜で特製ソースを使いながらじっくりと焼いた焼き豚です。最後にはハチミツに漬けこんで15分間焼け上げます。合計で45分間火に通すそうです。このPluma(プルマ)というのはスペイン語で翼と言う意味で、肩から背中にある小さな部位です。右肩、左肩上部にありますから1頭から2つしか取れない貴重な部位です。味はとても柔らかく、香ばしさが口の中に広がります。ハチミツの味は控えめで食べやすいです。
この店の一番のオススメが「煙燻黑鱈魚(Signature Smoked Black Cod)」(260ドル)で、中華料理でもよく使われる魚である鱈のスモークです。象的なのは、蓋に閉じ込められて運ばれ、テーブルの上で蓋を取ります。そして煙の中から料理が登場するという演出です。演出だけではなく、しょう油、砂糖などをつかったほんのり甘さのある味で、日本人の口に合うと思います。
ひと工夫した飲茶とドリンク
Hanami
中華料理店ですから飲茶のメニューも紹介します。「黒豚肉松露鵪鶉蛋焼売(Soft Quail Egg, Iberico Pork, Black Truffle Siu Mai)」(2個入り70ドル)は、イベリコ豚のシュウマイの上にトリュフがかかった贅沢なものです。面白いのは中にうずらの卵がはいっていること。口に運ぶと、うずらの卵の黄身が口の中に広がって口当たりが非常にマイルドになります。一方で、トリュフの存在感もあるという、ユニークな飲茶料理です。
「酸辣小籠包(Hot & Sour Iberico Pork Shanghainese Soup Dumplings)」(4個入り95ドル)は、こちらもイベリコ豚を使った日本人に大人気の小籠包ですが、ユニークなのは酸っぱくて、ピリ辛であることです。通常の小籠包ではないのですが、意外に日本人の口にあうアイディアメニューです。李シェフ曰く、開発に1カ月かかったそうです。
ドリンクは「Hanami」(130ドル)がオススメ。ウィスキーとジンをベースにゆず、梅酒などで作ったカクテルで、しそがグラスの中に入っているのが特徴です。しそと梅酒を使っているのでとてもさっぱりした味に仕上がっています。
黒豚肉松露鵪鶉蛋焼売(Soft Quail Egg, Iberico Pork, Black Truffle Siu Mai)
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中にはウズラの卵が
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酸辣小籠包(Hot & Sour Iberico Pork Shanghainese Soup Dumplings)
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酸味と辛味がクセになる人もいるみたいです
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いかがでしたか? イベリコ豚を使った飲茶などまさに西洋と東洋がうまく融合した新しい形の中華レストランです。内装もきれいで、こういうスタイルのレストランは日本ではお目にかかれないのでぜひ体験して下さい。以上、香港ナビがお伝えしました。