具材に野菜をたっぷり使い健康にも配慮しているとんこつラーメン店。日本人オーナー、シェフによる本場の九州ラーメンが味わえる
みなさんこんにちは、香港ナビです。ラーメンは中国人が日本で広め、日本人お得意の改良、改善させることで独自のものに仕立て上げたものの1つと言えると思います。インドのカレーと同じですね。中国では日本のラーメンを「日式拉麺」と表記しますが、それが逆輸入という形で香港中に広まっています。今回はラーメン店の中でも健康をテーマにしたユニークなラーメン店「ケンコー食品ラーメン」を紹介します。
日本人オーナーの長浜ラーメン
10年くらい前から徐々に日本のラーメン店が増えてきたのですが、ここ数年はブームという感じで多くのラーメン店が出店しています。店長はもちろん日本人、山崎光泰さん。日本にあるラーメン店で働き、その後香港にあるラーメン店でも働きましたが、起業家精神を発揮して2013年5月に中環(Central)に店を構えました。たくさんのラーメン店がひしめきあう状況ですが、まだまだ伸びる余地はあるとのことです。
同店のラーメンは博多のラーメン屋台街、長浜ラーメン。つまりとんこつラーメンです。店はヒルサイドエスカレーターから横道に入った、ちょっとわかりにくい場所ににあるのですが(下記の写真で詳しく説明します)、口コミで話がひろがり、今では店の外で待つ人もいるそうです。香港人の多くは日本に行ったことがあるので本場の日本の味を知っています。日本人が経営しているということで安心して日本のラーメンと食べられるというのが理由の1つのようです。
山崎店長は「香港人にはちょっと味がしょっぱいと言う人がいるので、出来る範囲ではありますが、少し薄くしたりして調整しています」とこういった細かな心配りが香港人の心を捉えたのかもしれません。出前もやっているので、オフィスで働く香港人がよく注文するそうです。お店は約700平方フィートに約30席。木をつかったテーブルや椅子、壁に貼られているお薦めメニューが日本のラーメン店ぽさを演出しています。
とんこつスープはコクがあるのにあっさり
こちらがとんこつスープのベース
ラーメンの命はスープですが、5時間かけてとんこつのベースを作っています。材料はとんこつだけではなくかつおぶしなどを使いますが、ポイントは梅肉をいれていること。これによりコクもありながらあっさりしたスープに仕上がっています。スープだけではなく麺も大事なのがラーメン。細めんの平打ちした麺を使っています。平たくすることで麺にスープが絡みやすくなるからです。また、美肌、ダイエットにも効果があるといわれている全粒粉といわれる小麦粉の一種も配合。鉄分、ビタミンB1なども含んでいますので、店名の通り健康というものに気を使っているのがわかります。
麺の太さや硬さなどが選べ、トッピングも可能
基本のラーメンの種類はとんこつらーめん、ねぎラーメン、特製ラーメン、ケンコーラーメンなど8種類。細麺か太麺、麺の硬さ、オイル、にんにくおよびねぎの有り無しを選ぶことができます。その上で、ほうれん草、煮玉子、のり、チャーシューといったトッピングも追加できます(8ドルから)。肉野菜炒め定食、餃子定食といったセットメニュー(ご飯とスープ付き、各45ドル)も用意されています。
ベーシックから創作ラーメンまでいろいろ
今回紹介するのでイチオシなのがちゃんぽん(ミニサラダとヤクルトがついて80ドル)。半熟玉子、ほうれん草、もやし、白菜、にんじん、いか、あさりなど麺が見えないほど具材をたっぷりつかったラーメン。麺は太麺。あさりの風味が効いていてどんどん箸が進む一品です。同店の定番メニューのとんこつラーメン(68ドル)は、みるからに真っ白なとんこつスープが目に飛び込んできます。しかし食べると思ったよりあっさりして食べやすいです。トッピングにのりを乗せるとラーメン全体の風味も良くなり食欲をそそります。
最新メニューは、塩焼きそば(68ドル)です。レモンが載せられているので、さっぱりと食べたい人は搾るといいでしょう。見た目は細長いねぎと細かく刻んだねぎばかりですが、もやしやきゃべつ、にんじん、刻んだチャーシューも入っていてみためより食べ応えがあります。オーナーの方にはとんこつスープの分量の調整に苦労したと話していました。非常に変り種なのがバジルを使ったラーメン(ミニサラダとヤクルトがついて80ドル)です。写真にあるように緑色のラーメンです。バジルなので当たり前ですがさすがに運ばれてきたときはナビもびっくりしました。味が心配になりますが、バジルがこれほどとんこつラーメンにあるとは思いませんでした。チーズが入っているおかげでまるやかに仕上がっているのです。一度試す価値あると思います。
サイドメニューも充実
ご飯ものも紹介しましょう。からあげ定食(68ドル、ご飯、スープ付)は人気メニューの1つ。外はパリパリですが、中の鶏肉はソフトです。夜は、おつまみがあるのも同店の特徴で、日本人サラリーマンが居酒屋としてくつろぎ、締めにラーメンと食べて帰る人もいます。九州ラーメンの店ですから明太子(60ドル)をはずすわけにはいきません。ほどよい辛さと塩辛さでビールがもう一杯欲しくなります。香港人に人気なのがカニクリーム・コロッケ(2個入り、45ドル)。「中華系の人にはこういう概念がないからでしょう」とヤマザキ店長は理由を話してくれました。からあげと同じく、外はカラッと、内側はソフトで、これを食べただけでも日本を感じることができるかもしれません。
いかがでしたか? 香港滞在中、日本食が恋しくなることがあると思います。そういったときにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか? 以上、香港ナビがお伝えしました。