橋底辣蟹

Under Bridge Spicy Crab

閉店・移転、情報の修正などの報告

船の上から始まって40年!新鮮な蟹やシャコを思う存分食べられる、庶民的な海鮮料理店。

こんにちは、香港ナビです。香港といえば世界でも有数のグルメの街、様々な味覚が一堂に会しています。その中でも、周りを海に囲まれた場所柄もあって、海鮮料理は香港を代表する味覚の一つとなっています。しかし、新鮮な海の幸をふんだんに使った料理はさすがに高い!そんなわけで二の足を踏んでいる人も少なからずいるのではないかと思うのです。そこで、今回は新鮮な海の幸が手ごろな値段で食べられるということで、地元の人間に愛されているお店を紹介しましょう。そのお店とは、香港を代表する繁華街、銅鑼灣にある「橋底辣蟹」です。なんでも湾内の船の上から始まってかれこれ40年の歴史を持つそうです。そんな老舗の秘密を探ってみましょう!
MTR駅からは徒歩5分
橋底辣蟹は、橋の底という名前が示すように、湾仔と銅鑼湾の境目にかかる、鵝頸橋の下に位置しています。MTR港島線、銅鑼灣(Causeway Bay)駅からは歩いて5分ほど。お店の前には、新鮮な海鮮が置いてあるので、あ、この店だ!とすぐにわかるはず。また、そこから30mほどの位置に新店舗もあります。
派手に海の幸が、お店の前に並ぶ人気店でありながら、座席数は少なく、いつも人でいっぱいになってしまう橋底辣蟹。1階には6テーブル、狭い階段を上った2階には4テーブルほどしかありません。混んでいる時間帯で本店に入れない場合は、比較的規模が大きい、新店舗のほうに行かれることをおススメします。

水上の料理屋から、押しも押されもせぬ人気店に!
こちらが橋底辣蟹のオーナー、黄清團さん。黄さんに語って頂いたこの店の歴史は、香港の水上生活者の歴史をも物語っているのでした。

そもそも橋底辣蟹は、1960年ごろにはすでに創業していたのですが、その当時はなんと船の上で営業していたのでした。それというのも、その当時の香港はまだまだ近海で漁をしながら水上で生活する人がたくさんいて、アバディーンはそれで非常に有名でしたが、香港きっての繁華街である銅鑼灣にも水上生活者はたくさんいたというのです。今でいうと、午砲が鳴らされる砲台のそばにあるマリーナのあたりです。当時の水上生活者は、自分の船を湾内に築かれた突堤の中に船を留めていました。このようなところを、台風から避けるための場所という意味で「避風塘(Typhoon Shelter)」と呼んでいます。そこから当時の橋底辣蟹のような、避風塘の船上で食べる新鮮な魚介をつかった料理のことが「避風塘菜」として知られるになったのです。

さて、その後の香港経済の発展にあわせて、水上生活者の多くは陸に上がって行きました。橋底辣蟹も例外ではなく、80年代に陸に上がったのち、まずは「大牌(木へんに當)」(ダイパイトン=屋台)として、路上で営業していたのでした。

90年代になって、香港政府は「ダイパイトン」をなくしていく政策をとっていきました。繁盛店である橋底辣蟹は、この頃今のようなお店を持つに至りました。これを機に、蟹と貝類専門でやってきたメニューに、様々な広東料理のメニューを加えることにしたのです。新鮮な魚介が売りの橋底辣蟹だけに、例えばお粥に入っている具が新鮮な牡蠣や新鮮な小魚という具合に、魚介専門としての特色を最大限に生かした、他とは一味違ったメニューとなっているのが特色です。
そんな歴史を辿ってきた店だけに、出てくる料理は高級レストランと比べても見劣りしないものでありながら、店の雰囲気はとても庶民的で、値段もとてもリーズナブル!地元の人間でいつもいっぱいなのがうなずけるというものです。

お料理紹介

それでは今日は、新鮮な魚介からつくられたメニューの数々を紹介したいと思います。

招牌橋底炒蟹(大ガニの辛味炒め)
<1両(37.5g)あたり6ドル ※その他調理費別途>まずは看板メニュー、橋底炒辣蟹です!見てください、このボリューム!ドーンと大きな蟹がお皿の上に載っているのは、やはり大迫力としか言いようがありません!
蟹の上に乗っている赤茶色のものは、自家製のスパイスです。これは、にんにく、唐辛子、香辛料を混ぜたもので、作り置きではなくその都度炒めているそうです。唐辛子の量も、注文に応じてその都度調節しています。ちなみに、辛さは6段階あり、下から「不」「微」「小」「中」「大」「勁」となっています。お店の人によると、日本人に丁度よい辛さは「微」だそうで、今回頂いたものも「微」でした。ほどよい辛さが蟹の味とよくマッチしていますよ。ちなみに、辛さに強い韓国の方は「中」を、東南アジアの人は、カレースパイスを入れたものをよく注文するそうです。「大」「勁」を注文する方たちっていったい??と思わずにはいられません。
そして、写真を見ての通り、足を切ると、肉がたっぷりとついています!蟹の足肉の歯ごたえがまたたまりません!ちなみに、こちらの蟹は、オーストラリア産で、週末には200杯ほど出るそうです。 ※写真の蟹は約900g 

椒鹽大尿蝦皇(シャコの辛味炒め) 1本 130ドル
つづいてはマレーシア産の巨大なシャコを、香辛料と一緒に丸ごと炒めたものです。 見、見てください!こんな大きなシャコ見たことありますか?
乗っているスパイスは蟹のものと同じもので、もちろん辛さも6段階から選べます。

九菜花炒蝦乾(ニラと干し海老の炒め物)50ドル
新鮮なニラと大降りの干し海老の炒め物です。この海老、これだけ大きな干海老は、高級だそうでなかなか見るのが難しいそうですよ。シャキシャキのニラの歯ごたえもたまりません。

粉絲蒜茸蒸扇貝(ホタテの蒸し物) 時価 ※取材時は1枚 35ドル
日本人にはおなじみのホタテ貝ですが…なんだかでかい。特製ソースに春雨が添えられています。

粉絲蒜茸蒸聖子(マテ貝の蒸し物)時価 ※取材時は1個 25ドル
いわゆるマテ貝ですが、これも非常に大きいものです。肉厚でジューシー。基本的な味付けは上のホタテと同様、ほんのりとしたしょっぱさ、甘さ、酸っぱさが貝類とよく合います。

招牌方魚蠔仔肉砕粥(蛎入り粥)60ドル(大)、25ドル(小)
牡蠣のだしがいっぱいに染みたお粥です。中華のお粥にしては、米の一粒一粒が原型をとどめているので、どちらかといえば雑炊やクッパに感じが近そう。

鼓汁炒大蜆(アサリの醤油風炒め) 40ドル
旨みが凝縮されたアサリを、たまり醤油で蒸し炒めしたもの。砂もしっかりと抜かれているので食べやすい一品です。

惹味辣酒煮花螺(ツブ貝の辛煮) 60ドル
新鮮な粒貝をふんだんに使った辛煮。ピリ辛で濃い目の味付けが、お酒の受けにもぴったり。長い串でくるりと回しながら引き抜いて食べます。
それでは、このお店のよいところを実際にお客さんに聞いてみました。今回お話を聞いたのはジェリーさんとエミリーさんです。
(ナビ)「この店の特徴を教えてください。」
(ジェリーさん)「この店は地元では安くておいしいということで有名ですよ。予算も二人で400ドル以内で済みますし。」
(ナビ)「どれくらいのペースでここに来ていますか?」
(ジェリーさん)「年に3回はきていますよ!」
今回ナビが伺ったのは午後8時前でしたが、この時間になるとどんどん客が増えてくるので、訪れるなら午後7時前か、夜12時以降がベター。それ以外の時間であれば、予約したほうがよいとのことでした。終夜営業ということで、12時以降となるとビールで一杯やっていくお客さんも多いのだとか(「宵夜」と言います)。香港の醍醐味の一つである海鮮を庶民プライスで思う存分味わえてしまう橋底辣蟹から、香港ナビがお送りしました。

最後に豆知識

インタビューに登場した、ジェリーさんとエミリーさん。テーブルの上に置かれたお茶とお椀を前にして何か始めましたよ。それでは実際に見てみましょう。

箸をちょっと大きなお椀に入れて、お茶で浸し始めました。
続いて、さじと食事用のお椀に、お茶を注いでいます。

続いて、コップにお茶を注ぎ、先ほどのお椀に流しています。
 

これは「洗杯」(サイプイ)と言って、香港の大衆的な食堂や飲茶などでは、お茶に殺菌作用があるということでよく行われています。

記事更新日:2009-01-15

ページTOPへ▲

主なメニュー

単位:HK$

イチオシ

招牌橋底炒蟹

大ガニの辛味炒め

Wok-fred Crab with Chilli and Ginger

$250−450

イチオシ

椒塩?尿蝦皇

シャコの辛味炒め

Wok-fried Rock Shrimp with Garlic and Ginger

一匹$130

イチオシ

九菜花炒蝦乾

ニラと干し海老の炒め物

Fried Chives and Dried Shrimp

$50

イチオシ

粉絲蒜茸蒸扇貝

ホタテの蒸し物

Steamed Fresh Hokkaido Scollop with Garlic

一匹$35位

イチオシ

粉絲蒜茸蒸聖子

マテ貝の蒸し物

Steamed Clam with Garlic

一匹$25
関連タグ: 海鮮料理 カニ料理

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2005-12-28

スポット更新日:2009-01-15

チェックイン日
宿泊数
部屋数 部屋1 大人 子供