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ローカルの住宅街で行列のできる日本料理店を発見!日本人オーナーのちょっとした心遣いがおいしさを引き立てるアットホームなお店。

こんにちは、香港ナビです。香港の日本料理は、今やブームを超えてすっかり定着してきました。高級料亭、回転寿司、ローカルの調理師が作るフュージョン日本料理まで様々なタイプのレストランがあります。ロケーションも、高級ホテルや旅行客が行き交う繁華街から住宅エリアまでいたるところに広がっていますね。そんな中、超ローカルなロケーションで、庶民的な店構えでありながら、日本人オーナー&料理人が腕を振るうお店を発見。名前は、『三河屋(Mikawaya)』といいます。日本人には、耳慣れた屋号ですよね。しかも、連日地元のお客さんで行列ができているというから、いったいどんなお店なのか気になりますね。ナビも、早速お邪魔してきました。
九龍の紅磡(Hung Hom)は、MTR沿線ではありませんが、日本人が多く住む「黄埔花園(Whampoa Garden)」など、早くから新興住宅地として発展している地区です。とはいえ、お店の周辺はローカル色豊かな街並み。MTR東鉄ホンハム駅からは歩いて15分くらい。お店の前には尖沙咀のカオルーンホテル横が終点のミニバスが停まるため、意外と便利なんですよ。
あいにく、取材に伺った時はテナントビルの外装工事中だったため、看板やお店の外観がいまいちわかりづらいのですが、オーナー曰く、『場末の一杯飲み屋』のイメージだそうです。いえいえ、そんなことはありませんよ…。

オーナーはこんな方!

オーナー兼料理人の五十嵐さんは、愛知県豊田市出身です。そう、三河出身だら~というわけで、屋号が三河屋なのです。在港歴20年という年季の入ったわりに、若々しい大将。香港に来るきっかけは、日本で働いていたお店の社長から香港では事業が起こしやすいという話を聞いたことだそうです。香港に旅行でやってきた次の日には、住居を決めてお店探しを始めたという即決即断の人。銅鑼湾、尖沙咀東という最高のロケーションで自身の店『割烹葵』を17年経営していましたが、2005年に突如家主に退去を命じられ、やむなく閉店。その後は香港の不動産高騰のあおりを受けて、一等地での開店が難しくなり現在の場所に移ってきました。リーズナブルな値段で、日本の料亭の味を残しつつ庶民的なメニューが揃う三河屋は地元客の間ですぐに話題となり、最初は1日30人だったというお客さんも、今では1日200人以上に増え、毎日目の回る忙しさだそうです。

ローカルチックなお店は、こんなところ!

店内の広さは約55?で、20席ほどしかありません。混んでくると店の外にもテーブルを並べますが、それでも30席くらい。日本で言ったら近所のうどん屋さんというイメージで、暖簾をくぐるとなんとなく懐かしく親しみがわいてきます。以前の割烹の時はどんなに混んでいてもお客さん同士の相席は考えられませんでしたが、今は4人がけに3人で座っていたら、1人のお客さんにはそこに座ってもらうそうです。香港の茶餐廳のイメージを取り入れているのだとか。
以前は尖沙咀東でビクトリアハーバーを見渡せる割烹料理店でしたので、この庶民的な環境ではとりあえずラーメン屋だと、ラーメンの看板をオープン前からいち早く掲げてしまった、というオーナー。でも、割烹時代からの香港人スタッフに『気を抜かないで日本人が食べに来ても恥ずかしくないものを出さなきゃダメ』と叱咤されたり、『香港人にはとにかく茶餐廳並のメニューの豊富さが必要』とローカルに根ざすノウハウを教えられてここまで来たそうです。いいスタッフに恵まれましたよね。
いかにも、日本料理店らしいはっぴの飾りは、常連のお客さんからのプレゼント。実際にお客さんが祭りで使っていたものだそうです。お客と店員の垣根を超えてみんな集まってくる、そんな温かい雰囲気が垣間見られます。
香港では室内全面禁煙が定着しましたが、常連のお客さんにはスモーカーの方が多いということで、店の壁にお客さんが残したピースやホープの煙草の箱を集めて貼り付けたオブジェ??がありました。うーん、たばこの種類でもオーナーと常連のお客さんの年代がわかりますよね。
壁に貼られたメニューは、オーナーの直筆ですべて日本語です。もちろん、広東語のメニューもありますが、日本人がやっているお店ということを強調した方が地元ではウケがいいらしいのです。オープンして半年くらいは、香港人スタッフの勧めでオーナー自らが接客をしていたのだとか。おかげで、日本人のお店といううわさは、いち早く広がっていったようです。
香港人にわかりやすい写真メニューも欠かせません。日本人だって中華料理レストランへ行って何をオーダーしていいか分からない時、写真があったらうれしいですもんね。メニューで大体の内容を理解して選んでも、実際に料理が運ばれて来た時に全然想像と違っていたってことも多々ありますよね~。想像以上だったら、思わぬ誤算といえるのですが、そうじゃないと…。
日本人常連客のために用意していた日本酒ですが、香港人にも人気があります。とくに、焼酎が人気だそうで、香港人のお客さんもボトルキープしている人が多いそうです。 

ローカルにも人気メニュー

開店当初は、だしを取ったスープでかま揚げのさぬきうどんを作ったり、繊細な味が自慢の煮ものやおひたしなど、メニューにはない料理を日本人の常連客には特別に出していたそうです。それを見た地元のお客さんが『あの日本人が食べているのは、なに?あれ、ちょうだい』という感じで、隠しメニューが口コミで広がり、今ではほとんどのメニューがオープンになってしまったのだそうです。

するめいか、わた入り HK$68
塩辛を作ろうとわた入りのイカを仕入れてきたのですが、つまみとしてそのまま焼いて出してみると意外に好評で、定番メニューになってしまったそうです。他の日本料理店では、うなぎのたれをつけて焼いているところが多いそうですが、こちらは自然の風味をいかした調理法。
香港人には、このわたが珍しくとても人気だそうですよ。

茄子の揚げびたし HK$18
えっ、HK$18ですか?と思わず安さに聞き返してしまいましたが、ワンタンメン1杯HK$15くらいのローカルな標準から考えれば、小鉢ものも決して安くないですよ、ということでオーナーはしっかりローカルの消費者の懐具合を考えていました!
素揚げした茄子をたれにつけて仕上げている小鉢ものですが、ざっくり切った茄子にたっぷりのかつおぶしが食欲をそそり、まだまだ暑い香港でも食が進みそうです。

里芋煮 HK$28
広東語では『芋頭(ウータウ)』といい、日本よりちょっと大きめのものを香港ではよく見かけます。香港スイーツにもサツマイモやジャガイモと同じように使われることが多いですね。
暑い香港では、あえて冷たい煮物としてだしているそうです。見た目も涼しげでかわいいですよね。作り手の心遣いを感じます。

黒豚のみそ焼き HK$88
黒豚をはじめ、食材はほとんど日系の問屋で仕入れています。新鮮で日本と同じような料理を提供することが基本。
脂ののったジューシーな黒豚に味噌がしっかりしみ込んで、このままで十分のおいしさ。マヨネーズをつけて食べると、ちょっと洋風で香港人向けかな?

おでん盛り合わせ(7品入り) HK$43
人気ナンバー1のメニューは、おでん。単品でも注文できるのがミソ!卵、こんにゃく、だいこん、ちくわなどは1品HK$5、ハンペンは仕入れが高いため1品HK$13です。
ローカルに一番人気は、よーく煮込んで味のしみただいこん。そういえば、中華料理でだいこんを使ったメニューはあまり見かけませんよね。日本では、大活躍のだいこんなんですが。

いかがでしたか?他にも、『餃子ラーメン』(餃子は当然ラーメンに入っています!)『カツラーメン』(カツは当然ラーメンの中!)など、普通のラーメンじゃおかずがなくって物足りないという香港人のニーズに応えた日本では考えられないメニューもいっぱい。でもこれがなかなか日本人の口にもイケるからおもしろい!皆さんもぜひ香港に根差した人気の日本料理、ローカルな気分で味わってみてください。以上、三河のご近所名古屋出身の香港ナビがお伝えいたしましたでなも。

記事登録日:2008-10-31

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2008-10-31

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