【閉店】 祥利冰室

チョンレイビンサッ

閉店・移転、情報の修正などの報告

香港黒社会映画のワンシーンに登場するハードでリアルな世界!?香港のレトロな“冰室(ビンサッ)”へ行ってきました。

こんにちは、香港ナビです。香港好きの皆さんには『茶餐廳(チャチャンテン)』という広東語はもう定着しているのでは?香港の食文化を語る上で外すことができない庶民派レストランとも言える茶餐廳。それではもうひとつ、『冰室(ビンサッ)』ってご存知ですか?これは飲み物や軽食を出すお店のことで、現在の『茶餐廳』のハシリのようなもの。日本でも、今でこそニーズに応えて食事のメニューが充実している喫茶店ですが、昔のいわゆる“純喫茶”のメニューと言えば、ドリンクやパフェ、サンドイッチくらいでしたよね。今でもちょっと田舎へ行くと“アマンド”とか“パーラー”とか昔ながらの純喫茶がありますが、香港の『冰室』もそんなイメージでしょうか?今回は、今や香港でも数少なくなってきている『冰室』の中でも、映画や雑誌のロケで有名な『祥利冰室』へお邪魔してきました。

タイムスリップしたような、いぶし銀の店内

店内に入る前から、『昔ながらの…』という雰囲気でいっぱいです。店頭で売られている菓子パンも素朴で懐かしい感じですが、今でも人気のパンばかり。
レジのすぐ上に飾られている年季の入ったコーラの瓶や缶。やっぱり昔からコーラは冷たい飲み物の代名詞。
このレジ、まだ使えるんですか?と思わず聞いてしまいました。ハイ、立派に役目を果たしています。
ペパーミントグリーンの壁は、なんとなく今風!?ですが、作りや雰囲気は長い間、時間をしっかり刻んできた風格があります。タイル張りの壁や床、木製のちょっと硬くてひんやりとする、決して座り心地がいいとは言えない壁際席や、メニューや伝票が挟めるようにガラスが表面になっているテーブル。みんな茶餐廳の王道を行くインテリアです。
その上に天井にファンあり、中二階ロフトタイプといえば、まさに古い冰室しかない!
ロフトの上は、意外に広いです。
見下ろすとまたより一層の風情がありますね。まるで、田舎にある古い蔵の上に登って見下ろしたような感じがしました。そこには日本の昭和30年代、『三丁目の夕日』の世界が広がっていました。

お店を支える名物お母さんとお父さん

1957年創業ですから、もう51年の歴史があるんですね。現在もその歴史を支えているのが鐘(ジョン)さん。もともとはご主人のお父さんが始めたこのお店ですが、その後ご夫婦で後を継ぎました。もちろん、長い間支持してくれるご近所や馴染みのお客さんが多いのですが、映画、雑誌などのロケで取り上げられたり、レトロな雰囲気が逆に今にない新鮮さとなって、最近は若いお客さんも増えてきたのだとか。ランチタイムには近くのオフィスで働くサラリーマンやOLでいっぱいになるそうです。

「下午茶(午後のおやつ)」黄金メニュー

やっぱり、冰室ですから、昔から変わらぬ人気の飲み物と軽食をご紹介しましょう。
西多士&奶茶セット
HK$17
西多士(フレンチトースト)とホットミルクティーのセット。午後ティーセットの王道中の王道を行くメニューです。ちなみにセットの場合、飲み物をアイスにするとHK$2追加となります。
フレンチトーストは、お店によってはサンドイッチ用の薄切りを使ってジャムを挟んである場合もありますが、こちらは厚めのパンを使用したオーソドックスなもの。たっぷりシロップをかけていただきます~。

雞翼薯餅(飲み物とセット)
HK$18
手羽先とポテト。手羽先や鶏のもも、豚や牛肉のステーキをおやつとして食べるのも香港風。

牛扒麵(飲み物とセット)
HK$22
インスタントラーメンと牛ステーキの組み合わせなんて、おもしろいですねー。チープなのか、豪華なのか…。お値打ちな値段、ファーストフード並の速さで出てくるので、これからまたひと仕事が控えているお兄様方に人気メニューのひとつ。

鮮油多 
HK$7
トーストされたパンに分厚く切った、なんとバターがサンドされたサンドイッチです。これもなんか、ぐっと疲れた時に食べたくなったりして。菠蘿油(パイナップルパンにバターを挟んだもの)といい、香港人はバターをたっぷり味わうのがお好きなようです。

猪扒包 
HK$12
ポークバーガーといったら、マカオ名物なんですが、香港のメニューにもあります。しかもこちらのお店では、余分なソースは一切使用せず、肉のうまみだけで勝負しているだけあって、脂ののった新鮮なお肉を使用しているそうです。見るだけでお腹いっぱいのボリュームですねー。

滷水牛展三文治(飲み物とセット)HK$19
潮州料理に使われる『滷水』というソースで煮込んだ牛スジのサンドイッチ。このメニューはこのお店だけのオリジナルです。ソースもお店の特別製。自慢の一品です。
この二つの飲み物の見分けがついたら、あなたは折り紙つきの香港通です!さて、どっちがミルクティーで、どっちが『鴛鴦(インヨン)=コーヒー紅茶』でしょう??正解は
…向かって左が鴛鴦、右がミルクティーです。どちらもHK$11。

紅豆冰 
HK$15
小豆とココナッツミルクの絶妙なハーモニーが癖になる美味しさの飲み物です。見た目にもきれいでしょ。小豆を使った甘いものメニューは、日本人にも馴染みやすいですよね。
でも、飲むときは思いっきり混ぜて飲むのがコツ!

これぞまさしく、香港流午後のくつろぎ方のお手本!!新聞にミルクティーにインスタントラーメン!三種の神器が揃っています。
いかがでしたか?ここ数年、都市開発や家賃の高騰など、古いお店がどんどん閉店や移転に追い込まれています。また、現代のニーズに合わせてモダン化を図る老舗も増えてきました。でも、やっぱり残しておきたい思い出や懐かしさも大切ですよね。以上、ここのお店は変わって欲しくない!と切に思う、香港ナビがお伝えいたしました。

記事登録日:2008-05-02

ページTOPへ▲

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2008-05-02

チェックイン日
宿泊数
部屋数 部屋1 大人 子供