旨い、安い、早い。香港の伝統的ファースト・フード、ワンタンメンならここ。座ったらすかさず「ワンタンミン、ムゴイ」と言いましょう。
こんにちは、香港ナビです。香港島の中心、金融街セントラルには、山側の坂道沿いに古い街並みが残っています。今回は、果物や野菜のマーケットやアウトレットの小さな店に並んで元気にがんばっている沾仔記をご紹介します。
早い!
繁盛している沾仔記はナビがいた間も常に満席状態。席に着くやいなや、「セッ・メアー?」(何食べる?)と聞かれます。何しろメイン・メニューは3種類、バリエーションを含めても7種類しかないのですから、迷っている場合ではありません。ここは、即座に「ワンタンミン、ムゴイ」とローカルっぽく即答したいものです。
次々とオーダーがメモに走り書きしてカウンターに渡されます。
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それを待ち構えていて、どんどん仕上げていきます。
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超シンプル、無駄のないメニュー
シンプルなだけに、コスト・パフォーマンスがいいということなのでしょうか。とにかくこの気持ちいいほどの無駄のなさ、非常に好感が持てます。
箸、レンゲ、醤油、黒酢、ラー油。シンプルながら基本はきっちりおさえてあります。しかし、紙ナプキンはないので、熱い麺をすすって鼻水が出てしまう場合にそなえてティッシュを持参しましょう。
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ちゃんと日本語メニューもありました。
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要するにたったこの3つだけなのですが、その昔、算数で習った順列組み合わせを応用すると、1種類のトッピングで3種類。2種類のトッピングにする場合は3種類。ちょっと欲張って3種類のトッピングにすると1種類。で、合計7種類。
激安!
1種類の場合は$13(約186円)、2種類は$18(約257円)、3種類で$20(約286円)という安さ!
この値段でプリプリの蝦が入った、赤ちゃんの握りこぶしほどの巨大なワンタンが3つも入っているのですから、超お徳。
魚のつみれ団子も同じく1個が普通の2~3個分の大きさでした。
油菜(茹で野菜)。これも一皿たった$6(86円)。いくら野菜が安いと言っても、これは驚きの安さ。しかも、青々として新鮮。わきに添えてあるのは、オイスター・ソース。
飲み物は一律$5(約72円)。缶入りのソーダやボトル入りの水にストローをさしてでてくるだけのシンプルさ。それにしても安い!コンビニで買っても5ドルぐらいするのに、いったいどれほど儲かるのか…。と逆にこっちが心配になります。
若旦那をご紹介。
ケネス・ヨン(楊家楽)さん。60年前におじいさんが始めた沾仔記は、もともとは屋台だったのが、やがて店となり、いまでは3店舗目をオープンする発展ぶり。沾仔記の名前の由来は、おじいさんの名前が楊沾(ヨン・チム)さんだから最初は沾記(チム・キー)だったのですが、地方訛りの聞き間違いでいつの間にか沾仔記(チム・チャイ・キー)になったのだそうです。2代目のお父さんたちは3兄弟でやはりみんなワンタンメンのお店を経営していて、カナダのトロントにおじさんの店があるそうです。親戚縁者はほとんどみんなワンタンメン関係者で、店の名前は色々ですが、合計すると50店舗以上になるそうです。バンクーバーにも従兄の店があります。成功の決め手は種類が少ないだけに、回転が速く、素材が常に新鮮に保てること、値段が安いこと、化学調味料を入れていないことなのだそうです。
いかがでしたか?ガイド・ブックに載っている前の姿を探して来た人たちが「あれれ?なくなったのかな~」と一瞬、驚いてから沾仔記の看板を見て、「やっぱり、ここだよねー」と、ホッとする光景が繰り広げられている、3ヶ月ほど前に改修工事が終わって綺麗になった最新の沾仔記を香港ナビがお届けいたしました。