日本で食べていたあのアルデンテのパスタが、ここ香港で!やっと見つけた、私たち日本人の口に合う、本格イタリアンレストラン。
こんにちは、香港ナビです!今回イタリアン大好きのナビが、ワクワクする気持ちを抑えられないのは、ここ香港でアルデンテをいただける本格イタリアンレストランを今日皆さんにご紹介できるからです!
香港にイタリアンレストランは数あれど、「日本人の口に合う」「日本人シェフが作る」「アルデンテのパスタが食べられる」「本格イタリアン」、こんな魅力的な形容詞が並ぶお店は、未だ出会ったことがありませんでした。やはり食の感覚の違いなのでしょうか。香港にある一般のイタリアンレストランは麺も柔らかく、味付けもどこか違う…。大味な感じがして、「外国で食べるイタリアンって、こんなものかな」と思っていました。
しかーし!こちらのレストランは、私たち日本人に好まれる繊細な味覚やアットホームな雰囲気を満足させてくれるレストラン。去年10月のオープン早々から、特に味に厳しい香港在住の日本人奥様方にクチコミで人気を呼んでいるそう。実はナビも以前、こちらのレストランに行ったことがあるのです。そのとき食べた味…、これは皆さんにご紹介するしかない!と日を改めて取材に伺いました。
セントラル(中環)で、有名な鏞記(ヨンキー)や翠華茶餐廳(チョイワーチャーチャンテン)のある、威霊頓街(Wellington Street)に面した、「The Loop」というビルの中に、Sagrantinoはありました。
お店の前にはランチセットなどのメニューが置いてあります。
セントラルの喧騒から一気に静かで落ち着いた空間へ。レンガをふんだんに使用し、照明も明るすぎず、ほっと安らげる温かみのある雰囲気。
窓の外からセントラルの街並みが。
料理のご紹介
とにもかくにも早く食べたーい!食いしん坊のナビ。早速シェフのオススメメニューを作っていただきました~
お願いしてから10分ほどで、次々と料理が運ばれてきました!ご覧ください、色とりどりの料理…まずは、一皿ずつご紹介しましょう。
Carbonara di gamberone (with prawn in creamy egg sauce) HK$138おなじみカルボナーラのパスタ。こちらでは、ベーコンの代わりに海老を使用。それによっていつまでも脂くささが無く、カルボナーラにありがちなベタベタと口にまとわり付く感じがありません。チーズはペコリーノチーズを使用。このチーズに含まれる塩分が旨みを引き立たせます。パスタはもちろんアルデンテ。とろ~りなめらかなクリームソースと海老がマッチして、時間が経っても美味しくいただけます。
Samone e nova di salmone (with dice cut salmon & salmon roe) HK$118
目にも鮮やかなサーモンといくらのコールドパスタ。サイコロ大に切ったサーモンといくらの艶が、まるで紅色の宝石のように美しい!ガーリックと胡椒が効いていて、さらにレモンの皮の千切りを乗せているため、さっぱりといただけます。カルパッチョとパスタが同時に楽しめる感じ。特に女性に人気で冬でもオーダーが絶えないとか。ナビのオススメです。
SORAMAME(with horse been sauce & shrimp on top) HK$118
その名前の通りソラマメのコールドパスタ。ライトグリーンが爽やかですね。ソラマメをみじん切りにして塩味に仕上げた、どこまでも軽くあっさりとした味。ソラマメの甘さとシャキシャキ感が口いっぱいに広がります。白ワインと共にいただきたいですね。
Polpo e avocado (with octopus and avocado in WASABI sauce) HK$118
見た目からして、なんともジャパニーズ。こちらもコールドパスタです。タコとアボガドをしょう油、赤ワインビネガー、わさび、オリーブオイルでパスタと和えています。そして上に海苔を散らして香ばしい磯の香りをプラス!ビネガーが効いていて、タコとアボガドの歯ごたえがあって食べ応えがあります。香港ではなかなかお目にかかれない一品ですね。
Bistecca(beef steak) HK$178
肉厚でなんともボリューミーな一品。レアで出していただきました。二切れで250gだそうですが2人分ぐらいありそうな量です。柔らかなお肉がマルサラ酒+生クリームのまろやかなソースとからまり、口の中で優しくとろけていきます。添えのポテトはやわらか過ぎず、あっさりしていて食感にメリハリをつけてくれます。
ワインはコールドパスタに合わせて白ワインを選んでいただきました。ニュージーランド産で、あっさりとしていて飲みやすいです。
今回はこれからの季節をイメージして、コールドパスタを中心にご紹介してみました。実はコールドパスタは香港にはない料理なんだそうですよ。どの料理も、シェフが試行錯誤を重ねて作り上げた日本人ならではの繊細な味覚を生かした料理ばかり。濃厚なのにしつこくなくさっぱりしているのに味の余韻が残る…。日本人の口に合うイタリアンを提供するシェフってどんな方なんでしょう。
オーナーシェフはこの方…
「自分の感覚も大切にしているが、お客様からの意見、リクエストにもどんどん素直に耳を傾けていきたい」とオーナーシェフのタカシさん。料理へのあくなき探究心で、次々と斬新なアイディア料理を生み出していきます。
こちらが日本人シェフのタカシさん。アメリカはラスベガスで、世界中から集まるお客様を相手に各国料理の腕を磨き、いろんな国の料理の感性を身につけたそうです。その中でイタリアンに開眼したとのこと。それからイタリアへ渡り、北から南、島に至るまでイタリア中を歩き回り、自分の舌にそれぞれの地方独特の料理の味を覚えこませていったそうです。やがて機会があり香港にやって来たタカシさんは、あるとき、「日本人の口に合うイタリアンが、香港にはまだまだ少ない」ことを耳にします。それまで漠然と日本に戻ってイタリアンレストランを…と思っていたけれども、この食の大国アジアの中心である香港でやるイタリアンにこそ、自分に必要な料理の幅が広がるのでは、と去年念願のイタリアンレストランのオープンに至ったのです。
シェフに聞いてみました
香港でアルデンテを出すということ・・・
ナビ:日本のスタイルのアルデンテが食べられるイタリアン、とのことですが香港では受け入れられているのですか?
タカシさん:はじめはアルデンテに慣れていない香港の人たちに受け入れられるには時間がかかりました。でもいろんな国でイタリアンを食べてきた香港の人たちに少しずつ味を認めてもらえるようになり、だんだんと自分のスタイルがここ香港で受け入れられてきていると感じています。現在お店に来るお客様の割合は日本人香港人半々くらいですね。
料理以外でも日本人の繊細なおもてなしを表現したい・・・
ナビ:お店のスタッフのみなさんは全員ネパールの方たち。何故ネパール人?
タカシさん:アメリカで色々な国の人たちと接してきて、一番日本人に似た感性を持っているな、と感じたのがネパール人でした。彼らはおもてなしの心を常に忘れず、清潔好きでサービスが行き届いていました。自分も一緒に働くならネパール人だと思いました。
ナビ:予約やオーダーは、やはり英語のみ?
タカシさん:ご予約のお電話は日本語で大丈夫です。オーダーの際も日本語しか分からなくて・・・というお客様には私が対応いたしますので、遠慮なくおっしゃってくださいね。
ナビ:お手洗いが店内にあるのがいいですね。いちいちお店の外に出なくていいので。
タカシさん:お手洗いの洗面台脇にはコットンや綿棒、ハンドクリームなどをご用意しています。特に女性の方はお化粧直しに席を立たれるでしょう。そんなとき、ちょっとこういうものがあれば便利かなと思うものを揃えてみました。またお手洗いとは別に授乳ルームやベビーカーを置くスペースもあります。
ナビ:ティッシュが各テーブルに置いてあって助かりますね。
タカシさん:ナプキンでもティッシュでも、お好きな方をご利用いただけるように…。ティッシュは使い勝手もいいですしね。
なるほど…女性が気兼ねなく使えるよう色々と工夫がありますね。まさにかゆいところに手が届く、といった細やかな気配り。ちなみにナビが以前来たことをちゃんと覚えていてくださって、そのときに頼んだメニューやタカシさんと話した会話まで記憶してくださっていました。ナビの方が記憶があいまいで…さすが接客業のプロですね。
普段はとってもフレンドリーでお話好きのタカシさん。でも料理の話になると、たちまち職人の表情になって自分の考えを熱く語ります。とにかく考えることといったら料理のことばかりだそう。あんな食材をこう使ったらどうなるのだろう、いいと思ったことは即トライ。またお客様と積極的に会話をしていく中で、料理のヒントになるアイディアを拾っては新作を作っていく、その姿勢は頼もしい限りですね。
物がきちんと整理されていてとても清潔な厨房。お手洗いの隅々にまで神経が行き届いています。
お得なセットメニュー
ランチタイムには、パスタセット(HK$98)とグリルセット(HK$138)があります。パスタセットは、14種類のパスタの中からお好きなものを1つチョイス。グリルセットはラム肉、ビーフ、サーモンなど、4種類のお肉の中から1つ選びます。
ディナータイムには、パスタコース(HK$258)とグリルコース(HK$358)の2種類があります。パスタ、グリル共に全メニューの中からお好きなものをお選びいただけます。どちらにも前菜とハウスワインがついています。
土曜のディナーには季節などによって旬の食材を使ったスペシャルディナーを出すことも。予約の時に聞いてみてくださいね。
こちらがメニュー。前菜、パスタ、リゾット、グリル、デザート、ワインのメニューがあります。サーモン、まぐろ、はまちのカルパッチョは築地直送のものを使用。朝頼んで夕方には届くという速さ。新鮮な築地の食材を使っているなんて、これはウレシイですね。
置いてあるワインは、タカシさんがチョイスしたもの。赤ワインはイタリアのボルゲリという町のぶどうを使ったフランスのワインに見劣りしない濃厚なワインだそうです。
ここでおや?と思われた方もいらっしゃるのでは?そう、ピザのメニューが見当たりませんね・・・タカシさんに伺ってみると。
「イタリアではピザとパスタを両方扱っているレストランはあまりありません。それはピザならピザ、パスタならパスタと専門性、質の高さを求めているのだと思います。例えば本当に美味しいおそばを食べたいなと思ったとき、そばの専門店に行くでしょう?私はパスタをとことんまでやってみたい。皆様をあっと驚かせるようなパスタのアイディアを日々練っているんです」とのことです。もちろん事前に頼めば、ピザを作ってくれるそうですよ。いずれはピザもメニューに取り入れていきたいとのこと。またメニュー数についても、随時新しいメニューを増やしていっているところなのだとか。どんどん進化し続けるSagrantino、今後にますます期待ですね!
いかがでしたか?セントラルで居心地のいいレストラン、しかも日本人の感覚を生かしたレストランはかなり貴重な存在。シェフとの距離感が近いのもいいですね。お友達やご家族とこちらで気軽に本格イタリアンを味わってみてはいかが?以上、香港ナビがお伝えしました。