最近流行りのコラボレーション。創業50年のエッグ・タルトの老舗と韓国から新上陸してきたイタリアン・カフェががっちりタッグを組んだ!
こんにちは、香港ナビです。今回は香港で最近やっと根を下ろし始めたカフェ文化のニュー・フェイス、Barista CAFFEのイタリアン・スタイルのコーヒーを飲みながら、昔ながらの人気デザート、エッグタルトが食べられる泰昌餅家をご紹介します。
ついつい前置きの長くなるナビも、今日ばかりはまず出来たてのデザートをまずご紹介します。
写真上がココナッツ・タルト、下がエッグ・タルト
エッグ・タルト(蛋撻:ダンタッ)
オーブンに入っていたトレイのまま店頭に出ているエッグ・タルト。
|
|
サクサクのタルト生地は半分に割ろうとするとホリホリッと崩れます。
|
もとはヨーロッパから来たお菓子ですが、今ではすっかり香港名物になったエッグ・タルト。日本のカステラに匹敵するとでも言いましょうか。ハイカラな食べ物だから、コーヒーに合うのも一理ありますね。中国系のお菓子はラードを使っていて油っぽいことが多いのですが、泰昌餅家のタルト生地は植物性のマーガリンを混ぜて焼いているから、サクサクだけど油っぽくありません。卵には黄味の色の濃さが3種類あります。泰昌餅家のエッグ・タルトは中間のものを使用してこの鮮やかな黄色のカスタードを作り出しています。数ある西洋菓子の中でもなぜエッグ・タルトが根付いたのか、その理由は香港では大陸からの質の良い新鮮な卵が豊富に手に入るからなのだそうです。というわけで、エッグ・タルトを売る店は香港に星の数ほどありますが、最後の香港総督クリストファー・パッテンも「世界で一番美味しい」と絶賛したという泰昌餅家のエッグ・タルトをぜひご賞味ください。48時間経ってもオーブンで温めたらまた美味しく食べられるので日本にお持ち帰りも可能です。
ドーナッツ(沙翁:サーオウ)
キツネ色の皮にお砂糖がまぶしてある外見はアメリカン・ドーナッツに似ているけれど、まず違うのは、リング型でないところ。
そして食べてびっくり、柔らかくてパフッと中がほとんど空洞に近くスフレのような味わい。これは絶対テイクアウトじゃなくて、その場で召し上がっていただきたいです。もちろん、コーヒーを飲みながら。
とは言え、家族やお友達にぜひ食べさせてあげたい場合はお持ち帰りもできます。
エッグ・タルトとドーナッツの注文予約受付中。旧正月の手土産にたくさん持って行きたい方はこちらをご利用ください。
いかにも中国っぽい赤と金の配色ながら、箱のデザインは、カステラの箱にシャンプーハットのような襟のブラウスとちょうちんブルマにタイツのいでたちのポルトガル人が描かれているのと同じく、よく見るとパンのバスケットを頭に載せてベーカリーで買い物をするヨーロッパ庶民の柄でした。左上にチョコンっとBarista CAFFEのロゴ入り。
泰昌餅家は1954年創業の老舗。昔ながらの中国式お菓子の専門店です。香港観光協会からも香港を代表するベーカリーとして推奨されており、日本や台湾のテレビや雑誌にも取材を受けたことがあります。中でも有名なのがこの蛋撻(ダンタッ)、つまりエッグ・タルトですが、この他にも椰撻(イエータッ=ココナッツ・タルト)やねっとりとした冬瓜のあんこをサクサクのパイ皮で包んだ老婆餅(ロウポーベン)、ピータンいりパイの皮蛋酥(ペイタンソウ)、合桃蛋(ハップトウ・ダンゴウ=胡桃入りスポンジケーキ)、紙包蛋糕(ジイバウ・ダンゴウ=マフィン)などがあります。
セントラルにある本店。もちろん長蛇の列が出来るほどの人気。
本店住所:中環擺花街35号(35 Lyndhurst Terrace)
Tel: 2544-3475 URL: www. Baristacaffe.com.hk
ここで、あらためてコラボレーションのいきさつをご紹介。
ブランド商品の王様、ヴィトンのバックでさくらんぼやお花がニコニコしているルイ・ヴィトンと村上隆の驚きのコラボも記憶に新しいと思いますが、伝統を打ち破って新風を吹き込む効果抜群のコラボレーションは食品業界も例外ではありません。
ニュー・フェイス、Barista CAFFE。
これだけ食文化が発達していながら、なぜか美味しいコーヒーを飲みながらホッとできる「喫茶店」の存在がなかった香港に最近やっとスターバックスやパシフィック・コーヒー、UCCなどの大型チェーン店がいたるところにオープンし始めました。その波に乗って2003年に韓国から新上陸したのが今回ご紹介するBarista CAFFE。
出会い。
20年のマネジメント経験を持つBarista CAFFE会長のアレキサンダー・李氏(写真右)は考えました。イタリアン・スタイルのコーヒーという新しい飲み物を香港に紹介するにあたって何か香港人に馴染みの深いものを一緒に出したらどうか。古い歴史のあるもので、なおかつコーヒーにはチーズ・ケーキなど比較的濃厚な味のデザートが合うという点から、エッグ・タルトにたどり着きました。エッグ・タルトと言えばやはり泰昌餅家ということでオーナーの歐陽李念氏(写真左)にアプローチしたのがなれそめなのです。
泰昌餅家がこのように他社とコラボしたのはこれが初めて。コラボレーションをすることによって、フード・コートへの進出を果たし、特に若い世代へのアプローチが容易になったことで新しいマーケットが開拓できました。老舗というと、ともするとプライドが邪魔して、フットワークも軽く新参者とコラボなんかしないなーんてことにもなりかねませんが、アレキサンダー・李氏のアイデアと熱意、歐陽李念氏の懐深さ、タルトとコーヒーの相性の良さから生まれたコラボレーション、私たち消費者には嬉しい限りです。
フードコートの入り口にある泰昌餅家&Barista CAFFE。
|
|
長蛇の列になることもあるのでしょうか、「請在此排隊」(こちらにお並びください)の看板とガイド・ラインがありました。
|
Brista CAFFEのメニュー紹介。
サイズはTALLとGRANDE。
|
|
AA級のアラビカ・コーヒー豆をローストしてブレンドしています。Gingerbread Caffe Latte(生姜入りクッキーフレイバーのカフェ・ラテ)など、香港ならではのアイテムもあります。アレキサンダー・李氏の一押しはマカデミアナッツ・カフェラテとキャラメル・カフェラテ。コーヒーが苦手な方には、イタリアン・ソーダや紅茶のチョイスもあります。
|
最後にフード・コートのご案内
大型ショッピング・モールに必ずあるのがフード・コート。外側にぐるりと小さな店舗が軒を連ねていて、好きなものをチョイスして店ごとに会計を済ませ、セルフサービスのトレイに選んだものを乗せて席を探します。値段の安さと気軽さが若者に人気です。お買い物の合間にちょっと一息いれるのにもピッタリ。
URBAN DINING ROOM(アーバン・ダイニング・ルーム)と書かれた赤い壁が目印。
|
|
大画面のテレビもありました。
|
こちらは全エリア禁煙です。「請小心保管私人財物」(個人の持ち物には注意してください)の注意書き。バックや携帯電話などを置いたまま席を離れたりしないように気をつけてくださいね。
いかがでしたか?お持ち帰りのイメージが強かったエッグ・タルトが気軽に、しかもコーヒーを飲みながら食べられるようになってよかったでしょ?ぜひ、一度お試しください。以上、ナビがお送りしました。