スゴ腕料理人が手掛ける上海料理。目で見ておいしい、食べてさらにおいしいレストラン。タイムズスクエア前、香港ビギナーにもおすすめ。
こんにちは、香港ナビです!最近潮州料理のレストランを数件ご紹介しましたが、今回は上海料理をご紹介したいと思います。香港は経済・社会ともに中国大陸で一番安定しているため、中国全土から多くの人が集まってきます。その流れと共に各都市の名物料理と一流の料理人もおのずと集まってきました。今回ご紹介する上海・淮揚料理レストラン「紅楼」の4人の料理人も、はるばる江南各地からやってきた国家級特級厨師という資格を持つ達人たちなのです。
今日ご紹介する2006年5月のオープン以来、本場上海料理と淮揚料理を出すレストランとして、地元の香港人たちの間で絶大な人気を誇っています。場所は銅鑼湾のタイムズスクエアの目の前。買い物のついでにリーズナブルなお値段で本格派料理が食べられるとあっては、グルメな香港ナビ読者にご紹介しないわけにはいきません!早速行ってみましょう。
お店の中は…
「紅楼」という言葉を聞くと、多くの中国人は真っ先に、中国清代の有名な小説「紅楼夢」を連想します。そのとおり、レストランの名前「紅楼」はこの「紅楼夢」からつけられたそうです。レストラン内には「紅楼夢」に関する絵画がところどころに飾られています。
個室のVIPルームは3部屋。
レストラン全体で200席あります。
国家級特級厨師の資格を持つ料理人たち
料理を一品ずつ丁寧に紹介していただいた黄君民さん(左)と劉明蘭さん(右)。黄さんは、新しいメニューやアイディア料理の創作などに特に力を入れていらっしゃるそうです。上海のお隣、杭州出身だそうですが、香港に移住してかなりの年数が経っているため、広東語が香港人と変わらないくらいにお上手です。また揚子江のすぐ近く揚州の富春茶舎から招かれた劉さんは、点心一筋28年。国家級特級厨師の資格を持つ大ベテランです。きれいな北京語で話される劉さん、お肌もとってもきれい。人間の生命を養い、健康を保つ、まさに医食同源とはこのことですね。実は香港のレストランで女性の料理人に出会えたのはナビも今回が初めて。特に作る時に相当な力が必要な点心料理人それも特級厨師というは、本当に珍しいですね。
淮揚料理とは…
淮揚料理は、中国江南地方の料理の総称で、中でも揚州料理と上海料理がよく知られています。
新鮮な素材を用いて、素材本来の味を引き出しているのが特徴。素材の中でも最もおいしい部分しか使用しないというこだわりが、数多くの中国地方料理の中でも特に人気がある理由です。また、調理法が非常に手が込んでいるということも淮揚料理の特徴のひとつ。大根を芸術的に彫りこんだり、食べるのがもったいないくらいに丁寧に料理を作り上げているのです。
さて前置きはこれくらいにして、早速自慢のお料理を試してみましょう。
蘭花羅白 $48
前菜としていただく大根の漬物。見た感じは、大きめの拍子切りにした大根に斜めに刻みが入っているだけのように見えますが、お箸で上に持ち上げると、あら不思議。蛇腹のように縦に伸びます。これは伝統的な揚州料理だそうで、上質な大根のみを使用。大根の皮をむいたあと、熟練の包丁さばきで大根を彫り刻み、砂糖、お酢、レモンで味付けしてから、冷蔵庫で冷やします。甘酸っぱい香りが食欲をそそります。料理人の腕が必要となる、目にも楽しい一品です。他のレストランではなかなか食べることができない、ナビ一押しメニューです。
燙拌乾絲 $68
山のように盛り付けられた、白くて細いものはなんでしょう?麺よりも艶があって、つるつるしています。答えは、豆腐の厚揚げの千切り。豆腐ってこんなに細かくできるもの?!と頭の中でいくつもの「?」が飛び交うナビ。しかも機械ではなく、人の手で作られたそうです。細さはわずか2ミリ。日本の上等なしょうゆ、楊州から取り寄せたエビ子、ゴマ油、砂糖などで味付けています。タレは豆腐本来の味を邪魔しないように、薄めに味付けられています。ちなみにこの豆腐も揚州からのものだそうです。先ほどの蘭花羅白に続き、とても見た目が美しいお料理です。
香辣蝦 $88
オーストラリアから取り寄せたエビは身が滑らかで、プリプリとした食感。エビをきれいに洗い、背に切り込みを入れてから油で揚げます。四川の唐辛子、セロリ、青蒜(にんにくの葉)、秘製のマーラーソースで味付けをします。辛さは大、中、小から選べます。
特色翡翠焼売 $60/6個入り
見た目は普通の焼売よりも細長く、上から見ると花が咲いたように美しい焼売。川がとても薄く、中身が翡翠のように透けてみえるので翡翠焼売と呼ばれています。細かく刻まれたチンゲン菜が具となり、上にのっているのは、中国野菜との相性が抜群の中華ハムを小さくつぶしたものです。味は点心にしては甘めですが、意外とこの甘さが新鮮です。
招牌小龍包 $30/5個入り
このレストランの名物小籠包。写真でご覧いただけるように、中のお汁がたっぷり入っています。劉さんの点心はどれも皮がとっても薄いのです。国家厨師はやはりすばらしい腕の持ち主です。
勝瓜炒菌菇 $68
そろそろ野菜が食べたいですね。では、日本ではなかなか食べることのできない、中国野菜のお料理を最後にご紹介します。勝瓜という瓜は、外側は硬く見えますが、冬瓜のように火を十分に通すとぐっと柔らかくなるのです。また食物繊維も多く含まれていて、健康にもよいのです。味付けはあっさりしていて、食欲がでない夏にでもあっさりと食べられる一品です。
いかがでしたか?達人が作り出す芸術的な上海・淮揚料理の数々。この5月でオープン1周年を迎え、日本のガイドブックでもまだ紹介されていない、穴場中の穴場のレストランです。
場所はタイムズスクエアのすぐ近くなので、香港ビギナーでも迷わず簡単に行くことができますよ。以上、香港ナビが24時間賑わう銅鑼湾からお伝えいたしました。