鮨・天勺・松島

Sushi Tenjaku Matsushima

閉店・移転、情報の修正などの報告

頑固で粋な板前気質がうまさの秘訣。

こんにちは、香港ナビです。近頃は香港でも日本の食品が手軽にスーパーで入手できるようになりました。刺身や鮨、お弁当にお惣菜といった生鮮食料品系も日本と変わらないほど充実してきています。もう日本料理は、香港では珍しいものではなくなりつつあります。そして日本料理店も。犬も歩けば日本料理店にあたる、というほど店舗数も増加しています。日本料理店の市場競争も一段と激しくなってきています。そんな中、頑固な板前気質で日本料理の伝統を守り、お客に媚びない、鮨料理を追及しているお店があります。ちょっと暖簾をくぐってみましょう。

1.お店の雰囲気は

15階でエレベーターを降りるとすぐ、この暖簾が目に入ってきます。簡素な日本料理店の面持ちです。
まず、入って左手はテーブル席。ランチタイムは、広々と開放的にしてあります。席数は、12席。
同じテーブル席をディナータイムは、仕切りを作って個室風にします。グループでの予約が多い、このお店ならではの気配りです。
六人がけのソファー式のテーブルもあります。
お客様からも見える位置においてあるものは、こぎれいにまとめてあったり、お店のモットーが壁にさりげなく掛かっていたりと心憎い演出効果を出しています。
お店に入って右手は、木目の美しさがぱっと目に入ってきて、思わず眩しいカウンター席。その日本の伝統的な作りの中に漂う清潔感には、オーナーの職人気質な心意気を感じました。席数は、10席。
湯飲みはもちろん、コースター、割り箸袋、割り箸にまで屋号が入っています。

2.オーナーご紹介

オーナーの松島さんは、鮨の板前一筋25年近いベテランであり、日本では、東京の有名な老舗“堪八”で、皿洗いから修業され、15年間勤め上げた鮨板前のトップ。その腕を買われて、リーガル香港ホテルの鮨店の店長にと白羽の矢が立ったのが10年前のこと。その後、他店へと移り、2005年4月に独立してお店をオープンされました。“10年の間には、いろんなことがあったけど、日本に帰ろうとは一度も思わなかった”と語る松島さん。香港で夢を持ち続け、日本の伝統的な鮨を追求していきたいとおっしゃっていました。日本で培ってきた鮨板前としての腕を通して、日本の伝統料理を香港でそのまま伝えて行きたいという松島さんの心は、お客さんの7割は香港人、残り3割が日本人という高級日本料理店には珍しい香港人上位の客層にも反映されています。「香港人のお客さんは、日本人よりずっと鮨についてよく知っている。勉強しているよ。おいしいものについて、素直に追求心がある。」と語る松島さんですが、粋なオーナーの仕事振りが、自然に香港人のお客さんを育てているのではないかと思わずにはいられません。
お店のスタッフの皆さん。香港人ですが、日本語も大丈夫です。気さくで、日本と変わらない丁寧なサービスは、香港では珍しいこと??

3.職人の腕をご覧ください

厨房は、丁寧に順序良く片付けられ、板前さんたちが立ち回りやすいようになっています。男の世界??
ちらのカウンターでは、ショーウィンドー式の冷蔵庫でなく、奥に並んだ木箱の中にねたを入れています。松島さんの特注だとか。
年季の入った見事な腕捌き。さっと握った感覚で、しゃりの量は程よく一定に保たれています。ねたも持った瞬間で鮮度や質がわかるというのですから、すごいですねー。見る間に、手早く出来上がり。
おまかせ料理などで、いろんな種類をたくさん握る場合は、先にねたを用意してから、一気に握っていきます。ずらっと並んだ美しいにぎりは圧巻!
刺身のねたを捌く手つきが速すぎてカメラがおっつきません!?ちなみに刺身包丁は、日本から持ってこられたそうです。長い刺身包丁は丁寧に磨いて、刃の大きさが半分以下になってしまうまで使い込むこともあるとか。
オーナー自ら、香港人の板前さんたちを仕込んでいらっしゃいますが、ご自身の修業時代に比べると、今の若い人たちは忍耐力に欠けているとのこと。特に香港は一箇所で長く勤める習慣がありませんので、なかなか時間を掛けて育てるというのも難しいようです。 
ほぐしてしまう前のいくらは、こんな感じ。たらこみたいに、やっぱり卵だったんですね….。知らなかったナビ。
なまのあなご!なんか、ちょっとグロテスクですが……おいしいんだな、またこれが!
わさびは、生をすって使用しています。

4.お料理のご紹介

今回は、こちらのお店で人気の“すし膳”($250)と“和牛の塩焼き”($500)を特別に作っていただきました。ランチタイムは、$110から$480のお値段で、誰でもが食べやすくボリューム満点なメニューでいっぱい。香港人を始め近くの会社員たちで28席の店内は、いつも満員だそうです。そしてディナータイムは、ちょっとリッチに。鮨は1貫$25から$45。刺身は$100から$450など。予約のお客様が多いということですが、人気は“おまかせコース”(一人前$800)。鮨、刺身、焼き物、椀物、汁物、デザートつきということで、この値段でも決して高くはありません。
見た目にも華やかなひょうたん型の2段重ねの重箱。
下は、鮨と刺身のもりあわせになっています。鮨は、シャリの具合がちょうど食べやすい絶妙の大きさ加減。刺身は肉厚で、食べ応えあり。これだけでも、女性なら満足かも?
上は、天婦羅のもりあわせと焼き魚です。天婦羅は蝦、サツマイモ、レンコン、しし唐などボリューム満点。焼き魚もやわらかく、新鮮な魚だから味わえる素材の味がそのまま口の中に広がります。
魚の頭で出汁をとった味噌汁までついて、この豪華ぶり!!ナビは、幸運にもご相伴に預かりました!おいしくって、残さず全部いただきました。オーナー、ご馳走様でした。
こちらは、和牛の塩焼き。新鮮な肉だからこそできるこの焼き加減。付け出しの野菜の切り方に、職人技が入ってます!
香港に、いまどきの日本でもあまり見ることのできない、こだわりの鮨板前気質が反映されているお店があるなんて、ちょっと意外な感じですが、日本人として、これほど日本的なお店が香港人の日本料理観を作っているとしたら、すごいなーと思います。決して値段的にはお安いお店ではありませんが、それはこのレベルの料理では当たり前のことと納得できるお店です。香港に来ても、料理がやっぱり合わない…..とおっしゃる方、日本で食べるよりも、日本的な、職人の握る鮨をご賞味してみては??以上、香港ナビがお伝えいたしました。

5.ロケーション

MTR港島線銅鑼灣駅(Causeway Bay)で下車します。D4出口を出て、右方向へ。デパート“そごう”のすぐお隣のビルの15階にあります。ロケーションは便利でわかりやすいですね。たくさんの料理店が入った雑居ビルですが、看板がありますから探しやすいです。

記事更新日:2008-01-23

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2007-01-09

スポット更新日:2008-01-23

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