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セントラルで創業65年、蛇料理の人気店。

こんにちは、香港ナビです。「秋風が吹くと蛇が肥え太り食べごろになる」という広東語の表現があります。香港の秋冬はあまり寒くありませんが、ある時期、突然寒くなることがあります。体調を崩しやすいこの時期は、たくさんの香港人が蛇料理を食べて滋養を取ります。冷え性がひどいナビも「そろそろ体を強くしておかないと」と思い、本格的な蛇料理が楽しめる専門店「蛇王芬」に行ってみることにしました。

セントラルのミッドレベルズエスカレーターのすぐ近くにある「蛇王芬」は創立65年。こちらでは「蛇羹(蛇スープ)」や「水蛇粥(蛇粥)」などの本格的な蛇料理を提供するほか、普通の中華レストランにあるメニューも豊富です。小ぎれいな店内は清潔で明るく、またそれと同時に昔ながらの落ちついた雰囲気を持つレストランです。あれ、蛇はどこにいるの?と思ってきょろきょろ見渡したのですが、どこにも見当たりません。実は、こちらのレストランでは蛇から肉をそぎ落としたものを料理にするだけなので、お店には蛇は置いていないのですって。蛇肉は、近くにある蛇屋さんの「蛇王林」から取り寄せているそうです。地元の雑誌からもたくさんの取材を受け、香港政府観光局の「ベスト・オブ・ザ・ベスト」という美食大賞まで受賞しました。さて、この人気の秘密はなんでしょうか。美人オーナーのジジ・ゴーさんにまずはお店の歴史について教えてもらいました。

オーナー及び「蛇王芬」の紹介です

「蛇王芬」四代目のオーナー、ジジ・ゴーさん。店名の「蛇王芬」は実はお曽祖父、呉桂芬さんのこと。約120年前に広東で最初に蛇や蛇胆酒を売る店を開いたのだそうです。当時、呉桂芬さんは、5種類の蛇を使ったスープ「五蛇羹」の始祖である「太史」という人に蛇を売っていたそうで、そこのレストランのコックさんから蛇スープの作り方を教えてもらいました。
さらにその作り方を呉桂芬さんから教えてもらったジジさんのお父さんが1941年に香港に移り住み、セントラルの機利文新街(Gilman’s Bazaar)で屋台を出し、蛇スープ、ローストご飯と澄ましスープ「燉湯」を売り始めたのです。現在、閣麟街にある店は1964年に出したもので、ジジさんが1993年にお店を引き継ぎました。お母さんも毎日手伝いに来ています。蛇料理のほか、いろいろな広東風の家庭料理が楽しめます。毎日蛇料理を食べているせいか、お嬢さんのお肌はとってもきれい。

お昼だけでも200椀が売れるという看板メニュー「蛇羹」の紹介です

鮑魚燴蛇羹 $60

材料:
ここの蛇羹が他のレストランと違う一番の点は、蛇羹を作るときに使用するダシです。ダシは蛇骨、鶏骨、豚骨、美肌効果のあるキクラゲの千切り、15年以上乾燥した陳皮、蛇肉、アワビ、さらににおなかを温めるためのしょうがなどを使って、、まる1日煮込んで仕込みます。しょうがの刺激が蛇スープの味に影響しないように、生姜を七日間塩水に漬けて辛さを取ります。細かいところまで工夫しています。

五蛇:
蛇スープの薬効を高めるために五種類の蛇を合わせて調理しています。五蛇は飯[金産]頭、金脚帯(アマガサヘビ)、過樹榕、三索線、白花蛇を使います。毒性が強ければ強いほど効能が高いといわれており、この五蛇の中でも「過樹榕」という蛇を除いて全部が毒性の強い蛇だそうです。

中国では動物の体のある部分を食べると自分の体の同じ部分を補強できるという考え方があります。例えば、鶏脚をよく食べる人は脚の力がついてきます。蛇を食するのも、同じく、蛇の名前から分るように、飯[金産]頭は頭、金脚帯は足に栄養を与えてるそうです。その他の蛇、過樹榕は頭、三索線は腰、もうひとつの白花蛇は解毒効能があるそうです。

三種類の蛇「三蛇」だけを使って蛇スープを作ったりしているところもあります。飯[金産]頭、金脚帯(アマガサヘビ)、過樹榕を使用するそうです。

「五蛇」を食べると、頭から脚まで体全身の血行がよくなり、また滋養強壮に効果があります。また、蛇の肉には脂肪分が全然なく、コレステロールもないため、ダイエット中の人にも安心して食べることができます。アルカリ性の蛇は胃酸を中和するため、胃腸が悪い人にも効果的です。また、何よりも有名な効能は、「腰を強く」し、「美顔に効果あり」だということです。

常連のお客さんの中には芸能人や各界の著名人も多いとのこと。蛇スープを食べるとき、小麦粉でできた煎餅のようなもの「薄脆」とレモングラスを少し食べるのが正統派。さあ、早速食べてみると、臭みは全くなく、また弾力のある蛇肉の食感がプリプリしていて、おいしい!キクラゲのしゃきしゃきっとした食感とも合っています。胃が温かくなった感じ。何よりも蛇、豚、鶏の骨で作った独特の深みのあるスープの味が忘れられない…癖になりそうです。

古法水蛇粥 $38

こちらも蛇料理のメニューです。水律蛇という甘い蛇を使用しています。その他の材料は。アワビ、豚の胃袋の千切り、干し貝柱。お粥屋さんではないので、お粥は注文を受けてから作ります。蛇羹に使用されるスープを少し入れて作りますので、とても味わい深いおいしさ。

木瓜南杏燉豬[月展] $50

1日900椀も売れている澄ましスープの中でもこのパパイヤスープが香港のOLたちに人気です。単に材料を煮込むだけではなく、まずスープの材料を器の中に入れて、それから豚骨、蛇骨、鶏骨を1日中煮込んだスープを入れ、フタをしさらに3時間半蒸します。こうすると、材料の栄養分は逃げず、そのままスープに残るのです。体にとてもよさそうですね。また、澄ましスープは16種類用意されていますので、毎日飲んでも飽きません。

[月閏]腸鶏飯 $30

[月閏]腸と鶏のロースご飯。[月閏]腸は中華ソーセージの一つで、中には鴨のレバーと豚の脂肪分が詰め込まれていて、体を温める効果があります。一緒に乗っているローストのお肉もおいしそうです。

菠蘿咕嚕肉 $75
定番の広東料理、日本でいう酢豚です。豚の肩ロース肉を使用しているため、お肉が柔らかくてジューシー。
いかがでしたか?「蛇王芬」の体にいい蛇料理、そしてそのほかの料理もぜひ召し上がってみてください。蛇料理を食べて手足が少し暖かくなってきたナビがセントラルからお送りいたしました。

記事更新日:2008-01-23

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2006-12-12

スポット更新日:2008-01-23

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