繁華街にあるカフェ。ショッピングの休憩に立ち寄ってはいかが?(カオリ)
こんにちは、香港ナビ・レポーターのカオリです。普段、または旅の中でお茶をのんだり休んだりリラックスしたりすることが多いと思いますが、みなさんはどんなところでお茶をしていますか?香港では、手軽にお茶を飲んだりゆっくり休むとなると、チェーンのコーヒーショップや香港式カフェでが通常でしたが、昨今、高い家賃の路面店から上階に目を向けた若いオーナー達がカフェを続々とオープンさせています。
今回は、その中でも「落ち着き系+オシャレ系」の代表とも言える『テルミニ・カフェ』をご紹介したいと思います。
まずは、『テルミニ・カフェ』の場所を写真と共にご案内。そごう裏に出て左にいくと数秒でインド料理屋さんの赤い看板が見えます。
「こんなところに入り口があったのですね!ここ、何十回と通っていたんですが・・・。」思わず笑ってしまいました。
入り口の奥を覗き込むと、お手製の看板が見えます。
既にいい感じの予感、期待を胸にゆっくり階段を上ります。この入り口といい階段といい、少し怪しげで香港らしい。
入り口までやってきました。壁に呼び鈴(ベル)があるので、押して待ちます。
すると、すぐにスタッフがドアを開けて迎えてくれました。
何千軒もお店があるコーズウェイベイで、こんなところにカフェがあるのは本当に驚きです。落ち着いたライトと壁の色、レトロ感が漂う内装と床、インテリアも雰囲気があってとっても素敵です。ビルの2階(日本で言う3階)を見事なカフェに造り上げていて「さすが!」というのが率直な印象でした。
店長兼オーナーのTONY(トニー)さん
トニーさんは、4年前まで?馬地(ハッピーバレー)のベトナムレストランでコックとして従事。その後、「本場のおいしいピザとパスタが食べたくて。」とイタリア・ローマに渡ってしまったほどの食通 。帰国後、エリザベスハウス内に最初のお店を構えた。1年半前にこちらへ引っ越し、『テルミニ・カフェ』として新たにお店をオープンした。お店の名前“テルミニ”は、イタリア語で“駅”という意味。トニーさんは国際列車でイタリアに入国、その時一番最初に降り立った地がローマ駅だったことからネーミング。思い出をとても大事にされていて、男のロマンが感じられます。
トニーさんお手製の『テルミニ・カフェ』ロゴはお店のいたるところにあります。
ドリンク類はもちろん、デザート・カフェ飯類もすべて彼が調理。「どこに行くにも何をするにも、すべて食べ物のためなんです。」と楽しそうに話す彼は、ローマ滞在中の2ヶ月間、毎日ひたすら食べ歩いたそう。そこからクリエイトされる数々のオリジナルメニューはローマ滞在からインスピレーションを得たもの(エスプレッソとスナック、チョコを合わせたもの/トマト、なす、パルマハムをふんだんに使った料理)や、ベトナム料理の家庭料理や東南アジアでよく食されている料理をアレンジしたものなど多種多様。10年前程から手相・人相もみている。夢は『テルミニ・カフェ・2号店』をオープンさせること。
そんな『テルミニ・カフェ』のメニュー/ドリンク、スゥイーツ&カフェ飯をご紹介します。メニューは広東語と英語の手書き。アイテム、特にドリンク類が豊富です。
おもなメニュー&おすすめメニュー
*各種コーヒー、HK$36から
写真は『テルミニ・カフェ』の大人気ドリンク、 アイス・オレオコーヒー HK$43 −
*ティー各種、HK$38から
写真はペパーミントティー HK$43-
ポット&トレーでサーブされるところがうれしい。
*爽やか&ヘルシーな
グリーンアップルミントジュース
HK$45−
*デザート類はもちろん全部手作り!甘さ控えめです。
写真はアップルパイ
HK$38-
*スモークチキンwithレッドライス・チーズソースHK$76-
*きのこのパスタ・モッツアレラチーズソースHK$76−
ナビ的・香港カフェ考察
最近、香港でも増えているカフェは、従来の茶餐廰(チャーチャンティン/香港式喫茶店・食堂)とは明らかに一線を画しています。日本のカフェ、中でも個人の住まいの落ち着いたリビングルームがコンセプトで人気のいわゆる“部屋カフェ”にかなり影響を受けているように感じます。手作りの内装、ディスプレイやインテリアは決まって「友達の部屋のような」という常套句で形容されるもの。また、部屋カフェの特長である“すぐには見つけられない場所”。家賃が安めの上階、薄暗い地下、数年後に取り壊される予定の老朽化した雑居ビル・・・その理由の多くは若いオーナーたちの資金事情によるものですが、未知のエリア、知る人とぞ知る場所、微かに廃墟めいた匂いという磁力はここ香港でも強力です。
小さな看板を見つけて扉を開けると、アパートや事務所の一室を改装した、果たしてこれは店なのかと不安になるような空間があります。茶餐廰やチェーンのコーヒーショップは誰に対しても扉を開け放っているのに対して、こちらはクローズドカフェとでも呼べそうな密室。インテリアはあえて特定の海外やブランドなどを指向せず、オーナーのテイストを前面に打ち出したもの。○○風などの分類は特になく、しいて言えば「オレ(俺)風」というところでしょうか。インテリア、音楽、供される飲み物や食べ物、そのすべてを統一するのはオーナーの個性とセンス。そんなカフェを訪れる人々は、暗黙のうちにひとつの気分を共有しているようです。
こういった“部屋カフェ”には定義も規則もなく、店側が何を提供しようと、客側がどう行動しようと、誰かに直接的な迷惑を及ぼさない限り許容されます。限られた場でのある種の自由を、気負わずに甘受することができるのが“部屋カフェ”が受け入れられている理由ではないでしょうか。実際、今夜の『テルミニカフェ』でも、それぞれの人がそれぞれの時間を楽しんでいました。
*仕事のあと、お茶している2人組。
*女友達だけの、ささやかだけど心温まる誕生日パーティー。
*グループ、それぞれ賑やかに・・・
*テキストを持ち込んで勉強(調べ物?)をしている学生。
*まったり、デートのカップル達にはソファーが人気。