2007年12月KCRと合併、名前を新しく港鉄(MTR)に変えて、さらに便利になりました。新駅名、路線などをおさらいしましょう。
香港の地下鉄(MTR)と九広鉄道(KCR)は2007年12月2日に合併し、「港鉄(MTR)」と名称を変更しました。合併後は従来の地下鉄6路線(觀塘線、荃灣線、港島線、東涌線、將軍澳線、迪士尼線)に、市内と郊外を結ぶ3つの元KCR路線、東鉄線、西鉄線、馬鞍山線が加わり、合計9路線になりました。合併によって、総駅数も80駅となり、香港最大の交通機関となったのです。港鉄(MTR)のシンボルマークはMTRマークを継承。各路線はそれぞれのシンボルカラ−別に色分けされています。
料金は初乗りHK$4(3~11歳/65歳以上は最大半額までの特別割引あり・2007年12月現在・オクトパスカード使用時$3.6)で、2~3駅ごとにHK$1~1.5ずつ加算されます。海底トンネルを通過する場合(荃灣線・金鐘~尖沙咀間、將軍澳線・鰂魚涌~油塘間、東涌線・香港~九龍間)は、初乗りHK8.5(オクトパス使用時HK$7.7)となります。なお最高運賃はHK$51.5(オクトパス使用時HK$46.3)の香港島内各駅~迪士尼駅となっています。
東鉄線と馬鞍山線は初乗りHK$3.5(オクトパス使用時HK$3)、以降おおよそ2駅ごとにHK$0.5~2ずつ加算されます。東鉄線と西鉄線に設けられている頭等(ファーストクラス)運賃は普通運賃の8割増しになっています。中国との境界駅の羅湖駅と沙田競馬場の最寄り駅の馬場駅を使用する場合は特別料金が加算されます。西鉄線は初乗りHK$4.5(オクトパスHK$3.7)、新界西部と九龍地区間はHK$10前後となります。尖東駅から羅湖駅はHK$39(オクトパスHK$34.8)、尖東駅から馬場駅はHK$17.5(オクトパスHK$12.7)となります。駅のシンボルマークは、KCRからMTRへ徐々に変更していく予定です。
M T R
港島線(Island Line)
香港島北部を東西に貫く路線。香港島の主要なエリアはこれ1本で全てカバー。
(上環 - 中環 - 金鐘 - 灣仔 - 銅鑼灣 - 天后 - 砲台山 - 北角 - 鰂魚涌 - 太古 - 西湾河 - 筲箕灣 - 杏花邨 - 柴湾)
荃灣線(Tsuen Wan Line)
海底トンネルで香港島と九龍半島中心部を直結して、その先さらに新界のニュータウンを結ぶ便利な路線。終点の荃灣は、郊外にありながら活気溢れる場所。
( 中環 - 金鐘 - 尖沙咀 - 佐敦 - 油麻地 - 旺角 - 太子 - 深水埗 - 長沙湾 - 荔枝角 - 美孚 - 荔景 - 葵芳 - 葵興 - 大窩口 - 荃灣)
観塘線(Kwun Tong Line)
香港最初の地下鉄路線はこれ。黄大仙(ウォンタイシン)や観塘(クントン)のショッピングセンター、apmに行くときにどうぞ。また海鮮で有名な西貢までは、彩虹駅からミニバスで行けます。
(油麻地 - 旺角 - 太子 - 石?尾 - 九龍塘 - 樂富 - 黄大仙 - 鑽石山 - 彩虹 - 九龍灣 - 牛頭角 - 観塘 - 藍田 - 油塘 - 調景嶺)
将軍澳線(Tseung Kwan O Line)
北角(ノースポイント)から、九龍東部にあるニュータウン、将軍澳(ジョングァンオウ)を海底トンネル経由で結ぶ路線。坑口(ハンハウ)駅からも、西貢(サイクン)までミニバスで行くことができます。
(北角 - 鰂魚涌 - 油塘 - 調景嶺 - 将軍澳 - 坑口 - 寶琳)
東涌線(Tung Chung Line)
エアポートエクスプレスに平行して、空港近くにあるランタオ島の東涌までたったの30分で行く路線。ディズニーランドをはじめとするランタオ島でのレジャーに便利!2006年中には、東涌駅から昴坪までのケーブルカー(日本でいうロープウェイ)も開業し、ますます目が離せない路線です。
(香港 - 九龍 - 奥運 - 南昌 - 荔景 - 青衣 - 欣澳 - 東涌)
迪士尼線(Disneyland Resort Line)
東涌線の欣澳(サニーベイ)駅からディズニーランドへ行く路線。ミッキーマウスの形をした窓の電車が走っています。世界初の、ディズニーランドへのアクセスのためだけに作られた鉄道路線です。
欣澳(サニーベイ) - 迪士尼(ディズニーランドリゾート)
MTRに新しく加わった3つの路線
東鉄線は九龍半島の尖東駅から新界東部のニュータウン沙田や大埔を経由し、深圳との境界駅、羅湖駅まで行く路線です。大圍から、馬鞍山に向かう支線が馬鞍山線です。西鉄線は荃灣線の美孚駅から新界西方面へ伸びる路線です。
東鉄線(East Rail Line)
九龍の尖東駅から、九龍の中部、新界東部と北部を経由し、中国との境界駅、羅湖駅と落馬州駅まで運行しています。尖東駅は「そごう」に直結しているほか、東鉄線初の地下駅でもあります。以前は紅磡駅が終点でしたが、2004年に尖東駅まで路線が伸び、MTR尖沙咀駅への乗り換えもスムーズになりました。紅磡駅からは海越えバスに乗り換えて香港島各地へ向かうことができるほか、九龍塘駅では観塘線に乗り換え、旺角や太子へ行くこともできます。旅行客にもおなじみの路線です。
尖東-紅磡-旺角東-九龍塘-大圍-沙田-火炭(馬場)-大學-大埔墟-太和-粉嶺-上水-羅湖(落馬洲)
西鉄綫 (West Rail Line)
深水埗の近く、MTR東涌線との乗り継ぎ駅南昌駅から、荃灣線との乗り継ぎ駅美孚駅を経由して、新界西部の穴場グルメエリア元朗、香港有数のニュータウン、屯門を結ぶ路線です。沿線上には9つの駅があり、そのうち6駅が他路線への乗り継ぎ駅となっています。荃灣西駅以外の各駅は、すべて地上や高架上に作られています。元朗や天水圍の歴史的建築物を見学したり、ローカルB級グルメを食べに行くには便利な路線です。
南昌-美孚-荃灣西-錦上路-元朗-朗屏-天水圍-兆康-屯門
馬鞍山線(Ma On Shan Line)
沙田地区にある大圍から、静かな住宅街を経由する路線です。大圍駅は東鉄線の乗換駅で、自転車用道路があるため、週末になるとサイクリングを楽しむ地元の人々や、市街地へ向かう人々でにぎわいます。郊外のベッドタウンと市街地を結ぶ路線のため、旅行者にはあまり乗る機会のない路線です。
大圍-車公廟-沙田圍-第一城-石門-大水坑-恆安-馬鞍山-烏溪沙
※ 馬場駅は、競馬開催日のみ営業。馬場駅経由の電車は、火炭には停車しません。その逆も同じです。
※ 元KRC駅「旺角」の名前が「旺角東」に改名されました。
※ 羅湖駅では、駅の外に降りることはできません。深圳に行くためだけの駅です。
MTRの便利な乗換え MTRでは、大部分の乗換駅で、階段を渡ることなく同じホームで乗り換えられるように作られています。たとえば、荃灣線の中環の方から来て観塘線の観塘に行く場合は、油麻地~太子間の3駅で接続しているのですが、旺角で乗り換えると同じホームの向かい側で乗り換えができます。また荃灣の方から来て観塘に行くには、太子で乗り換えると同じホームで乗り換えられます。
同様のパターンとして、金鐘駅では荃灣線尖沙咀方向と港島線銅鑼灣方向の相互に、北角駅では港島線中環方面と將軍澳線、油塘駅では観塘線の観塘方面と將軍澳線の北角方面の相互に、調景嶺駅では観塘線の観塘方面と將軍澳線の寶琳方面の相互に、そして荔景駅では荃灣線尖沙咀方向と東涌線東涌方向が相互に同じホームで乗り換えられます。
地下鉄とKCRの合併後一年以内にシステムの移行をし、たとえば香港駅から元朗駅まで行く場合の切符は香港駅で全区間を通して購入することができるようになる予定です。移行が完了するまでは、九龍塘、美孚、南昌の各旧地下鉄路線から旧KCR路線への乗り継ぎ駅にて、一度改札を出て再度駅に入り直さなければいけません。香港駅から元朗駅まで行く場合、まず香港駅から乗り継ぎ駅の南昌駅までの切符を購入します。南昌駅で一度改札を出て、新しく南昌駅から元朗駅までの切符を購入し再度駅に入る必要があります。オクトパスを使用する場合は、左写真の改札を通ればOKです。駅の外に出る必要はありません。(2007年12月現在)。
<MTRの乗り方>
電車に乗る前に、券売機がずらりと並ぶ切符売り場で切符を買いましょう。
切符を買う時は、券売機のパネルの中から、行きたい駅名を探し、パネルにタッチしてください。
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運賃が画面に表示されますので、表示された額を入れてください。お札が使える券売機は限られています。
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東鉄線で頭等(一等車・ファーストクラス)に乗る場合は、ファーストクラスボタンを押してください。
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オクトパスのチャージ機。
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客務中心
オクトパスカードを買うときはこちらで。写真は空港駅のものですが、MTR各駅にあります。
改札口
オクトパスのカードリーダーしかついていない、オクトパス専用の改札口が増えています。切符で乗車の際は気をつけてください。切符の場合は、カードの差込口がついているので、そこに切符を入れると、バーが回転し駅に入場できます。オクトパスカードの場合は、リーダー部分にピッとかざすだけでOK。
月台(ホ−ム)
地下鉄駅のホームには、一部の駅を除いて転落防止のドアが設置されています。またホ−ムが1つでホームの両側に両方向の列車が来る駅(島式)と、写真のようにホ−ムが方向別に分かれている駅(相対式または二層式)があります。港島線などの古い駅は、ホームの奥深くに位置する上に、ホームが方向別に分かれている駅が多く、方向を間違えると、長いエスカレーターに乗って、ホームを移動しなくてはいけません。
東鉄線でファーストクラスにオクトパスカードを使用して乗る場合は、普通に改札に入ってから、黄色い看板が目印のファーストクラス乗り場付近にある黄色いカードリーダ(プロセッサ)にピッとオクトパスをかざして下さい。するとファーストクラスに乗車可能になり、降りる時自動的にファーストクラスの運賃が引かれるようになります。車内では検札員が来たら、オクトパスカード(またはファーストクラスの切符)を見せればOKです。
チャージ式プリペイドカード。MTR、バス、トラム、緑のミニバスといった、タクシーと赤ミニバス以外のほとんどの交通機関で使えて、なおかつコンビニやファーストフードでも使えてしまう優れもののカード。香港での必需品です。MTRでは、オクトパスを利用して乗車すると運賃が割引になるのも見逃せません。
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記事登録日:2007-12-20